第24話 アイロニー・クックド

「あなたが悪いのよ……」

「うっ……ごぼっ」


 からんと金属が床にあたった音がした。


「わからないとでも思った?」


 相手はダンマリを決め込んでいる。


「試食をすれば一発でわかるわ、あなたは手順を間違えた。根菜を煮るなら先に入れなければ」


 相手は口に入れた固くてなかなか解れない牛蒡を噛み締めた。

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