第25話 四足旅行
汽笛が鳴る。
颯爽と乗り込んだはいいが、生憎、行き先がとんとわからぬ。
ゆるりと外周を巡回し、喧嘩したり、愛を語らったり、遊びまわったりする小さき者たちの合間を縫って進む。
歩くうち先頭へとついた。いっそう強い風が頬を打つ。
心地よいものだ。
黒き尻尾の先で甲板を右に左にと、叩いた。
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