病と戦う少女、琴音の話。摂食障害という病の中で、彼女の奮闘する姿が描かれた物語だ。……ではあるのだが、あまりにも病の描写が明瞭で、人によっては嫌悪を覚えることもあるかもしれない。しかし、非常につぶさな描写力により、僕にとってはひしと身近なものと感じられ、ときに琴音とともに戦う気持ちにさせられながら読破することができた。読破を叶えたのは、確実に筆者が琴音の気持ちに寄り添ったからだろう。ものの数時間で読み終えてしまった。今後も文野さんの小説に、僕自身も寄り添いたいと、考えている。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(311文字)