第6話 トリあえずルドガーを怒ってもいいですか?

ちなみに宿も一応

ルドガーと同じである。

宿に着くと店主らしき人物が話しかけて 来た。

「あの……うちに泊まって頂けてるのはありがたいんですけど貴方達には少し値段高めの部屋に案内させていただこうと思います。」

『そうですか』

(そうなのか……)

しかし店主は少し経ってから

口を開く。

「もう新人君もいないし……まさかあの人より強い人が来るとは思ってなかったけど……心配して損したわ……」

(はあ?)

(ちょっと待て聞き捨てならないぞその言葉……)

『店主さん』

「ん?えっと貴方はシェイド様でしたね」

(そしてなんなんだよこの言葉は)

『申し訳ございませんが……貴方はそこの客ではないですよ?』

(と言っといてやろう)

(少しアサマで相手を思いやる気持ちを教えてやるか)

そしておっさんへと、視線を向ける。

すると店主はゆでダコのように赤くなる。

「す、すみませんでした!!!」

そして頭を下げると近くにいた宿屋の従業員によってどこかに連れていかれそうになる。

「えっちょ……どうして……それと後ろの人怖いんですが……」

「くそぉおおお……」

(ん?なんでだよ俺がせっかくお前を見逃してやってたというのに……)

(バ……おま……泣いて謝れば許してやろうと..)

そしておっさんは1つの情報を提供してくれた。

それは冒険者の実力に男女関係ないというありがたい言葉である。

それを聞いたシェイドは満面笑みになった。

「じゃあ次回からはマシな従業員を頼むよ」

そう言ってシェイドとルドガーは部屋の方へと向かった。

部屋に着くとルドガーは着替え、風呂へと向かって行く。

部屋の広さは20畳といったところか。

清潔感のあるシンプルな部屋で埃がたまっていないことから定期的に掃除されているのが分かる。

『マスター』

(どうした?)《終焉、なんかいいスキルないか?》

『スキル名:気配感知が非常に強力だと思われます。スキルの詳細を説明します。』

すると頭の中にステータスをいじるときと同じ様な表示が出てきた。

【スキル名】気配感知 【発動条件】《魔力操作Lv7》+《魔力探知Lv4》 【効果】敵の奇襲を事前に発見でき奇襲を受けてもダメージを減らすことができる。敵の存在や力を感じ取ることができる。

スキルレベルが最大になると本当に消えている敵も認識することができるようになる《魔力感知》に進化する。

「ほうこれは……」

(スキルは熟練度を上げないとな)

風呂いく準備で服を脱ぐと変な視線を感じる

(な、なんだ……まさか俺がじっと見ていたからか?)

まあそれは正しいのだが。

するとドタドタと足音がしてくる。

(ヤバいって鍵を閉め忘れてたみたいだ。)

すぐさま扉に目をやるとやはりゆっくりとだが開いていっている。

俺は咄嗟にバスタオルで身体を隠す。

そして扉のほうを眺める。

そんなこんなしている内にルドガーが風呂からでてきた。

「シェイドー飯行こうぜーってお前なんでバスタオルで身体隠してる訳?」

「いや……特には意味は無い」

「ほえぇっへ?」

ルドガーは近場のテーブルに座り何やら書き物をする。

(なんだよあいつ変な声出して気持ち悪!)

すると、いきなりルドガーが立ち上がる。

「お、飯でも行くかシェイド!」

俺はとりあえず服を着直して口を開く。

「おう」

その後、宿で食事を取るがそんなので腹が膨れるかというと全くだが小腹は空くらしい。

2人共にシュナッツ味のお酒という物を頼んでみた。

口当たりの良い甘さにシェイドは少し驚いたが美味しいと感じた。

食事を終えると、すぐに会計を終わらして部屋に戻った。

「シェイドー?もう寝ないか?」

「寝るってお前ベッドは1つしか無いんだぞ、どうするつもりだよ」

「一緒に寝ればいいだろ?」

「へ!?」

俺はルドガーの発言にすこし顔を赤らめる。

「お、お前本気かよ?」

「ん?本気だぜ……1つしか無いなら一緒に寝るか……床しか選択は無いからな……床だと痛いから2人で1つのベッドを使えばいい話だろ?」

すこし顔の赤いシェイドを見て

とんっとベッドに押してベッドに倒れさせる。

「シェイド……風呂の時顔赤かったな?」

「は?いきなりどうしたんだよ」

(急にお前が真顔になったら怖ーよ)

そしてベッドに乗って俺にまたがってくる。

「ちょっおま重いからどいてくれ!」

(まじで、重たくなってきたわ)

「シェイド……ちょっとゴメンな……」

「は?……ちょ……お前ほんとに何?」

俺は抵抗をするがびくともしない。

「シェイド……俺実は……」

「え、え……ちょマジで……」

(やばい、やばすぎるぞ)

シェイドの頭の中には危険信号が鳴り響いていた。

《エクストラスキル:危機察知が発動しました。『固有スキル:』

『熟練度が一定に達しました。進化を開始します。』

》《エクストラスキル:死を先駆けるものが発動します。》

(え)

次の瞬間にはルドガーは既に殴られて倒れていた。

(ちょ、『死を先駆けるもの』ってなんだ……てかいつの間に体動かんし)

ルドガーも意識を失っていたみたいだ。

『マスター、『死を先駆けるもの』というエクストラスキルはマスターが危険な状況になった場合にオートで身体を動かせる能力です。発動条件は任意で決められます。』

(なるほどな、でも別にこのままでもよくないか?)

《なおこのエクストラスキルは進化する可能性があります《進化》》

(え……?まじか……まあとりあえずはいいか……じゃねーし!!)

「おい!おい!ルドガー」

「あ?……うん?……あれ?俺」

ルドガーが起きたみたいだ。

(おう大丈夫か?)

「シェイドお前か俺をやったの……」

「あ?何を言うかと思えばいきなり押し倒おしてなにしようとしてたのかな?」

(いやまじでビビったんだからな)

「いや、俺もヤろうと思った訳じゃ……なあなんか好きっていう気持ちが強くなって衝動的になったんだ」

「あのなあ」

(え、まさか俺が襲われかけたの?)

(ルドガーの事怒ってもいいかな?)

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