第23話 ウエブ生命体

「リクは香辛料の商い。山内は宝石商。思い出したか?鈍いな。」

「こら、シャ、口が悪いぞ。覚えていない方が、普通だ。」

リクと山内の脳内が少し混乱しているようだ。

山内が「スバル、何となく思い出したよ。僕らは幕末の長崎に存在した。」

リクも「そうだ。長崎だ。ちょうど修学旅行で行ってたから混乱したんだ。

僕らも時を移動して存在できる人間だ。」

シャが「その通りだ。我々黒い影Xとは違うが、お前らはウエブだ。

同時に2つの時を生きることのできるウエブだ。」

「ウエブ?」

山内とリクも首をかしげている。

「そうだ。ウエブの生命体は同時期に2つの時を生きる生命体だ。」

僕は「シャ、ウエブの存在は、はじめて聞いた教えてくれ。」

山内が「僕達も知りたい。シャ、教えてくれ。」

リクは「普通の人間と何が違うんだ?

超能力や魔法が使えるとか?」

「それはない。」シャがきっぱり否定。

「じゃ、何なんだ。」

「わかったよ。その前にパクリ」と僕のカレーをシャが食べた。

シャはいつの間にか人間の少年の姿に変身していた。

「猫の姿で話すよりこっちの方が学食にいても違和感ないだろう。」

山内が「だな。じゃ、話を頼むシャ。」

「わかった。どの世界の中にも結構ウエブ生命体は多く存在する。

1つの現実世界。お前達で言えば、この学校での中2が一つの世界の存在する自分だ。もう一つは過去のある一定の時に存在する自分だ。」

僕は科学に詳しくないが「同じ人間が同時に同じ時間に存在することは不可能だ。

そう、記憶しているけど。シャ、山内とリクはそれができるのか?」

「できない。分身でもあれば別だが。」

「じゃあ、どうしてウエブ生命体はできるんだ。」

「簡単さ。同じ時間じゃないからさ。仮に今いる中2のこちらの世界を基本とする。昼間は普通に学校に行く。いたって普通の人間と同じだ。

こちら側で寝ている時に、過去の長崎での少年商人の生活時間を過ごす。

そしてあちらで睡眠をとると、こちら側の世界で普通の生活している。」

「じゃあ、山内とリクはいつ寝るんだ。」

「そうだな。普通の人間なら睡眠も必要だ。しかし彼らはウエブ生命体だ。

動いていることが生きてることだ。マグロの原理と同じさ。」

リクが「いやだ!どうして僕が魚と同じなんだ。」

シャが「例えだ。例え。」

山内も?の顔だ。

僕は「シャ、この食堂の中にもウエブ生命体はいるのか?」

「いる。見分け方は頭の渦が左巻きさ。」

「はあーーーーー?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る