第14話 グラバー邸 時空ゲート
トーマスさんが「スバル、驚きましたか?」
「残念ながら。最初にシャ、と目が合った、
あのオランダ坂の時点ですべての不思議なことは始まっていました。驚いていません。」
僕はシャをにらんだ。
「ズバル、なんで声をかけたかって俺様に怒っているんだろう。」
「そうだ。」シャの頭をゴツン。
「なので、トーマスさん、今起こっていることも、これから起きることも、ご心配なく。
中学生ながら、僕はすべて受け入れますよ。
どうせ、逃げても僕の宿命、とやらが、シャがどこまでも追いかけてきそうなんで。」
「そうだ。スバル。良く言った。来るもの拒まず、流れに乗ればそれでいい。人間は常に何かに抵抗して満足を得るように不合理に脳内感覚が仕組まれているようだ。
だがさすが時代を動かす黒い影Xの助手だ。スバル。」
「褒めるなシャ。」「褒めてないぞスバル。」
「ハハハ。仲がいいでねお二人とも。」
トーマスさんが笑う。
「ところでトーマスさんも黒い影Xですか?」
「いいえ違います。」
シャが「黒い影は俺様だけさ。俺様は年をとらない。不死さ。」
「不死?」
僕は思わず、「可哀想に。」口から言葉が。
トーマスさんが「シャ、よかったですね。
スバルは良い助手のようですね。」
「そっかー?」言葉と裏腹のニヤニヤしたシャの顔。
トーマスさんが「これまで数え切れないほどの助手が現れた。みな、シャの時の宿命に選ばれた、素晴らしい人材だった。
しかし誰一人、不老不死を『羨ましい』とは言っても、『可哀想に』と言った者はいなかった。そうですよね、シャ。」
「ふーん、難しいことはわからないが、要するにシャと考え方、価値観が近いのが僕ってこと?」
「そうだ。」
「で、トーマスさんは何?」
シャが「彼は妖精だ。」
「妖精は短命だ。夏のセミと同じでこの世界に植物より生まれて出てきて7日間の命だ。」
「えっ!7日?」
「私は、妖精の長。1000年は生きられます。
大丈夫です。ありがとうスバル。」
シャが「俺様の友人だ。」
「そろそろ時間のようだ。
言っておきます。
インドのマヤパヤンは人間です。ただ人間以外の生命体とも会話できるようで特殊です。宝石に魅了され、唯一宝石と対話できる人間です。
鉱石脈を見つけるためには適任です。
山内くんとは気があっているようですね。
時間のようです。スバル、炭酸水を。」
トーマスさんは妖精の姿に変身、消えた。
気づくと僕らは、リクが行きたがってた洋館のカフェにいた。
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