第9話 時空・中学生の商社

女子達は洋館で西洋ドレスを着るため入場早々、別行動だ。

山内は彼女の山下さんと別でがっかりしている。

リクが「いいじゃん。男子3人。絵本に出てきそうな洋館のカフェがあったぞ。行かないか?」

「いやだ。」山内が拒否。

リクが「山下さんが好きそうなカフェだったぞ。」

「行く。」山内が即答。

僕は昨日のグラバー邸に行く。

途中で2人とは別れることにしよう。

そう言えば昨日飲んだ炭酸水は美味しかったなあ。今日も暑い。太陽を見た。くらっとする。

「なあ山内、リク、炭酸水飲みたいな。」

振り向くと2人が学生服から昨日の衣装に変わっていた。

よく見ると景色も違う。

「スバル、今日はトーマス邸で西洋ランチパーティーだ。急ぐぞ。」山内が言った。

リクが「山内違うだろう。表向きはランチパーティーだ。しかし実際は香辛料と宝石の会合だ。

英国とマレーシア、インドそして日本の僕ら秘密社S。」

山内が「そうだった。まさか幕府も新政府も僕ら中学生がこっそり海外と貿易してお金を稼いでいるなんて夢にも思っていないはずさ。」

シャが現れた。

「そうだな。お前らは、この島。日本を動かせるほどの力をすでに持っている。

そうだろう。

リクは香辛料。山内は宝石。

そしてスバルは人材をコンサルしている。

一番、儲かるが、厄介な仕事だ。」

シャからこの時空、時代の僕の仕事を聞いた。

2人はあたり前のようにシャと話している。

あれ、ポケットに硬いもの。

星がある。

いまさらだが、僕は確かに時空を超えている。

オランダ坂、カステラの甘さに誘われて時空から迷って出てきたかシャ。

僕の感はあたる。目が合ったシャ。

ツッコミ処は、たくさんあるが流れに乗ることにしよう。

脳内にシャの声。『スバル、それでいい。』

『シャ、お前が言うな。』

僕らはトーマス邸についた。

すでにパーティは、はじまり中庭でみんな美味しそうなサンドイッチにガトー、香辛料が効いた肉にワインと盛り上がっている。

炭酸水のガラスの瓶がキラキラ光っている。

山内とリクは早速、肉を食べながらインドのマヤパヤンと、マレーシアのオースティンと商談。

トーマスが僕に声をかける。

「スバル、シャからこちらの世界の記憶を聞きましたか?」

「はい。僕は人材コンサルのようです。」

「これから、この島、ジパングは大きく動きます。スバルは重要な立場です。

時空を行ったり来たりしているのですからね。」

トーマスは僕を見て笑った。

人間に変身しているシャも僕を見た。

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