第7話 不思議な山・稲佐山

バスの中、リクが「出島、楽しかったよな。

AI猫ロボ。」

山内も「背中をなでたが機械感なし。

それにしゃべれる。ほんと高性能のAI猫ロボだ。鎖国時に唯一、世界との窓口だった出島にぴったりの猫だ。もしかすると今は、宇宙と唯一交信できる場所だったりして。ハハハ。」

リクが「山内、そんなことないだろう。

帰りにあのAI猫、入口で固まって

『ありがとうございました。』

決まり文句言ってたぞ。」

「そっか。」

僕は、またほっとした。シャとのリアル記憶を今回も2人は変換されているようだ。

シャの仕業だ。シャ、一体お前は何者なんだ。

こうして僕らは修学旅行1日目の終了。

バスは宿泊ホテルに到着。

山の下、街が見えた。

夕日が沈むきれいだ。

キラっとオレンジ色の空に丸い金属の球体が見えた気が「えっ?」

リクがからむ。「スバル、夕日を見て何を感動してるんだ。ここ稲佐山で夜景を見ながら告白すると両思いになるらしいぞ。」

「僕には関係ないさ。」

リクは「そうか?

スバル、僕に告白するのはどう?

いいぞ受け止めてやる。」

僕とリクはケラケラ笑った。

山内が急に「山下さんに告白しようかな。」

リクとハモリ?「えっーーー!」

リクが「山下さんって、カール巻き巻きの?

うるさい女子だろう。山内タイプなんだ。」

「グラバー庭園の西洋ドレスを着たいって言ってた女子だ。明日、自由行動でグラバー庭園に行くって言った。山内、誘えば?」

「だな。」中学の男子にあるある。

変な自信。山内もそのタイプだ。

夕食後の自由時間、山内は明日の自由行動、山下さんを誘う。O K だ。

僕らはこっそり外に出た。夜空の星に手が届くくらい空が近い。

手を伸ばす。えっ?星が降って来る。

僕らの手には黄色の星が。

目の前にまたシャが。

「お前達、その星は願いを叶えてくれる。

明日の自由行動には持って行け。」

山内もリクも黙って首を縦に降り星はポケットの中。

先生の声「消灯時間だ。戻れ。」

明日は何かが、起こりそうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る