第4話 こんにちはトーマス

僕は一本松を目指し全力で逃げ切った。

ドアを開け滑り込む。

背の高い西洋人が「私はトーマス。待ってましたよスバル。話は後です。廊下の突き当りの壁を押して中へ。走れ。」

言われるがまま、廊下を走り抜け「ドン。」くるりと壁が動き中に入った。

暗くて中が見えない。

しかし今は外の様子が気になる。僕は壁に耳をあてた。

「トーマス、着物姿の男が入ってこなかったか?」

「いや、学生は来たが、着物ではないよ。」

トーマスは、勝手に訪ねて来た3人の男たちに話した。

どうやら、トーマスの顔見知りのようだ。

K、M、I。男たちの名前だ。

階段をバタバタ駆け上がる音。

ドアを開け閉めする音が僕の耳に響く。

階段を降りてくる音。と同時に「ポン。」僕の背中を誰かが押した。

壁が反転する。僕は廊下に出てしまった。

「えっーーー!」

階段で男たちと鉢合わせ。

トーマスが僕の前に立った。

「君たちが追いかけて来たのは彼かな?」

K、M、I、男たちは「サカモトじゃないぞ。」

着物は制服に戻っていた。

僕が言葉を発しようとした。トーマスが遮る。

「彼はスバル。僕の客人だ。人違いのようなら早く出て言ってくれ。

スバルは学生だ。彼には集合時間がある。

30分しか時間がないんだ。」

K、M、Iの男たちは出ていった。

大きな音でドアがしまる。

真鍮のドアノブに光の粉がついたのが見えた。

「スバル、よく走りましたね。がんばりました。喉が渇いてるかな?」

ガラスの瓶の炭酸水を僕に渡した。

「おいしい。」

「だろう?」山内の声だ。

「おいしいよね。」リクの声。

「えっ?2人も大丈夫?」

リクが「?楽しかったよ演劇。」

「そうだな。スバルが猛ダッシュした時は驚いたけどさ。」

2人も何事もなかったように「トーマスさん、楽しかったです。時間なんで行きます。」

トーマスは僕の肩に手をおき

「スバル。また会おう。」

頭が混乱のままドアを出た。

景色が現在色に戻ってる。

K、M、Iは誰だ?シャが目の前をよこぎる。


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