0423「便利なドライブ」(山本直樹先生)

 男が何もない場所に何かを見出すお話。


 ……とでも要約しておこうかしら。適当に書いてだけの簡略的に伝えるための圧縮内容だけれども。


 見出した何か、はもちろん幻想なんだと思う。男がリアルに感じてしまう幻想。写真で取ることで、その彼女の存在がリアルではないことが示されていると思う。


 男は何もない場所に何を求めているのだろうか。とにかく、彼女は官能的に男の理想的な姿として描かれていたと思う。だから、これは理想的であり、男が何もない場所に求める何かを表す、メタファーなんだと思う。彼女のイメージや性格、官能表現はメタファーなんだと思う。


 時々、政治的というか思想的というか、そういった言動もあった。(PTAに怒られる。などなど。地元政治家のおかげで綺麗な道路などなど。)作者さんは、Twitterなどでも結構、政治的な話やリツイートをしている印象だけれども、どういう活動を全体的に為されている方なんだろう。私は世代ではないので、そのあたりも含めてこれから詳しく調べたりできたらなと思う。


 何もない場所には、何も必要ないという、そういった無意識の欲が、男にあるんだろうなということも感じた描写があった。(女の子と温泉でエッチをしている途中でおじいさんが入ってきた、など。)何もない場所で二人、たった二人の時間を、ただ純粋に、求めているという、男のそういった願望が幻想として読者に示されたということもできるのかな。確かに、そういった思いを持つことがあるのかな、どうなんだろう。


 続けて2作品読んできているけれど、なんだか幻想のなかにいる女性という表現が、作者さんの主題なのかなとか、そんなことを感じたりしている。


 続けて読んでみよう。次は『田園』だ。


 そういえば、『便利なドライブ』というタイトルにはどんな意味があったんだろう。何が便利だったのか。何もないところにすぐいけるという、ところに関して便利なのだろうか。男の何もないところへ求める思いというものがあるのだとしたら、それは便利なのかもしれない。

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