0407「神様お願い」(小骨トモ先生)
押見修造先生が「魂の故郷が共通しているのでは」というほどはあって。似ているところがあった。テーマとして性と人間性を扱っているところで特にそれを感じるのだろう。しかもその性と人間性のリアルというか、汚いところというか、気持ち悪いところを煮詰めて煮詰めて、煮詰め切って残ったあとの、搾りかすみたいな。
そんな無邪気さを感じる作品だなと思った。それはなんだろう。ほとんどが小さな男の子や女の子を通して描かれているというのもあるんだろうが、なんだろう。この感覚。汚いとか気持ち悪いとか、そんな感情があるのは当然のマンガなんだけど、すっきりとしている。この不思議な感覚。
「落ち着く。とにかく落ち着く。」と押見修造先生が帯で言っていた。たしかに、この私の感覚は間違っていないのだろう。それがどこから来ているのかもっと言語化したいんだけど。
はぁ。なんだか難しい。好きだ、この感覚。なんのニーズも考えずに書きたいことかけてる感じ。それといろんな絵柄が混じっている感じもした。押切先生や押見先生、ほかには誰だったろうか、山本直樹先生っぽい絵柄もあったような気がする。
いろいろな実験をしながら書いてもいるのかなと感じた。それが好きだった。その揺れ動く線が、いかにも自我の乱れというか、その境界を気持ちよく曖昧にさせていって。もう読んでいながら、没入感やばっていう、そんな感覚を感じずにはいられなかった。
これは表現者のマンガだ。私が好きな漫画だ。すんごい漫画家さんだ、きっと。この方は。描きたいことを描き切って、それをファンの人たちに見せてほしい。そんなことを強く感じた。
一番好きだった話は、なんだろう。私はファーストアルバムかアブラゼミかな。アブラゼミに関しては、そのアブラゼミごときの価値とかいう、それが人それぞれ、どの程度なのか、差異、世の中をどう見ているのかとか。最後にお前もアブラゼミと一緒なんだよと思わせるような描写が(アブラゼミの鳴き声をうるさく感じるように人間のかかわりあいも同様にうるさいと感じるのか、とか。そのあたりの融合がとてもなめらかに行われていて。もう、ほんとうに。それと最後のあっけなさ。たまらない)あって、それがぞくりってきた。
私はあっけない結末が意外と好きだ。えっ……という感じの結末が好きだ。だって、それがリアルだと思うから。その終わり方も十分受け入れられるというか、なんだろう。綺麗だなとか、そんな(ちょっと危ないかな?どうなんだろう。)ことを思ってしまう。
性の描写もとてもエッチだった。線がくねくねしていて体ごと交わってしまうような描写が好きだ。
なんだか、好きだ好きだばっかり言っているような気がしている。ほんとうに私にとっては「あたらしかった」。
また戻ってきて読もう。ほんとうにいい(気持ちわるい)読書だった。次作なんか出たら絶対勝ってしまうな。。。
楽しみにしてる。まってる。何様だよって話ですけど。
追記
メタファーとかの考えについて、あまり深く今回は書かなかったけど。ファーストアルバムのなかで、奥さんよりも最後に深く子供に共感してしまう、ような描写があって、なんだか、そこがとてもよかった。性による繋がりよりもなんだか自分には、とてもそっちのほうが強固に描かれているような感覚があった。
またちょっと感想などを追加で書きにこよう。なんだか駄文駄文してるから。
2024/0407/2129
今調べたんだけどwebアクションという媒体でその作品を読めるみたい。しかも無料で。こういうのトーチwebだったかもやってたし。今は本当にいろんな公開の形があるんだなと実感。
私も漫画に挑戦してみたいと思っているから、イラストとか定期的に描いておきたいんだけれど。さすがにそこまでの時間が取れず。。。
ちょっと計画をまた練り直そう。少しだけいまいけない路線にはまっている感。ようし。頑張るぞぃ。
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