0403「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(movie)

 浅野いにお先生のマンガ作品の映画化。とても楽しみにしていたコンテンツ。前売り券まで買ってスタンバイしていて、やっとのことでTOHOで見ることができた。


 デデデデは私が2,3年生くらいのころに読んでいた記憶がある。そのときは漫画アプリで無料チケットみたいなものを使って最後まで読んだような気がしてる。


 そのときから浅野いにお先生の凄さを実感していたような気がする。(気がする連呼するな)一番初めにデデデデから入り、そしてソラニンやうみべのおんなのこなど昔の作品に入っていったという流れ。


 人と人のドラマを描いているのが特徴だと思っている。簡単にいってしまうと。なんだか、映画的な漫画という印象が強い。そしてそう思わせるのは圧倒的な画力。デフォルメも効いているんだけど、写実的な(書き込みが多い)なかにあるデフォルメとでも言うのだろうか。この独特の力強いタッチがなんともいえない。


 声優が今回はあのちゃんと、いくらちゃんということで、そっちのほうでも楽しみにしていた。とてもぴったりはまっていた。驚くほど。ほんとうに。だって声優業なんて今回が初めて?なんでしょう?すごいなと思ってしまった。素人ながら。


 一番好きなキャラはやっぱりおんたんだ。おんたんのワードチョイス。その冗談を会話にふんだんに織り交ぜる性格。なにからなにまで本当に私の好みだ。私の絶対になってほしいまである(軽くそんなことを言うな)


 陰謀論的なセリフにウッとくる人ももしかするといるかもしれない。ただし、陰謀論というもの。それは使い方次第ではよくも悪くもなると思っていて。要するにどんな言葉が陰謀論の仲間入りするのかということを考えると、少しの妄想で何かを語るとき、根拠もないのに何かありえそうなことを語るとき、人はそれを感じるというもの。


 要するに陰謀論は、「疑う」という行為に内包されている一つの思考的行為に過ぎない。それを理解しながら、飲み込まれることなく陰謀論を味わうのであれば、何ら問題はない。と思っている。


 そして陰謀論というものは、往々にして政府や機関を「疑う」ことに対して必ずといっていいほどセットにされる言葉でもある。それはどのように疑うのであっても、「陰謀論」というマイナスのイメージを付与されてしまう。


 自らの正義を振り回す、信じてやまないやつが一番危ない。デデデデにあったこの言葉が示すように、陰謀論を唱えて、自らの正義を振り回そうとする人は多いと思う。そのような人の割合は回りの人と比べても高いと思う。


 なんだか、コロナ禍のときの感染症対策とかと今回のデデデデの門出ちゃんのお母さんの描写がとてもかぶっていた。政府に不信感を抱きやすい人、何も考えずに過ごすひと、いろんな人がデデデデでは描かれていた。否定も肯定もせず、その人たちの在り方がただそこに描かれていた。と思う。。。


 デデデデを見ていると、現代の何を信じたらいいのかわからないという、そんな私たちの存在がリアルに描かれていたと思う。母艦の存在もそのメタファーとして存在していると思う。不気味なのに、ただそこに確かにある。そしてその不安の元が何かわからないまま、私たちはただ偶然にも生かされているだけなのかもしれない。


 振り回されてただそこにある、大衆と同じだってことを気が付いた。そんなセリフを門出ちゃんが言っていた?と記憶もしている。自分は特別だなんて思い上がり……みんなしていないと思っていて、知らず知らずのうちにしているんだろうな。とも思う。でなければ、こんなに醜い言葉で溢れたSNSはないだろうし。社会は出来上がっていないだろうし(結局は身近なところが一番生きやすい)。特別じゃない平凡な私という現実的な事実を直視できるのは、人目があるときにだけ有効で、自分がだれか分からない状態であれば、人は特別になりたいという願望を隠すことなく表現してしまう生き物でもあるのだと思う。知らんけど。


 私たちの最後がわかるのは、結局は私たちが最後を迎えるまでわからない。これは科学がどれだけ発展しても、未来はわからないということが真実ならば、揺るがぬ真実となるのだろう。デデデデをみてそのようなことを感じた。


 おんたんのお兄さんも言っていた。最後まで希望を保つためにはだれか大切な人を守り抜くという気持ちがあるかないかだ。と。


 なんだか、心理だなと思ってしまった。希望を持ち続ける人、いや忘れてもまた取り戻せる人はどれほどいるだろうか。


 私たちは現代にどんな希望を持っているのだろうか。死ぬかもしれないという毎日がなかったとしても、またそこには別の不安と希望があるだろう。デデデデは私たちに何を訴えかけているのか。映画をみて、また漫画を読み返したくなった。やっぱり浅野いにお先生はすごい。人を選ぶ作品だ。人が選ぶのではなくて、デデデデが私たちを選んでいる。。。知らんけど。


 紙媒体では1~5巻までそろえてある。それ以降は電子でそろえよう。常に持っておきたい作品だ。余裕があれば1~5巻も電子で買いたい所存。


 陰謀論と無関心と中間と。世の中をとことんその世界観のなかで描き切った作品だと思っている。このまとめをいい機会にまた読み返して自分なりの感想を書いてみよう。いまはまだあんまりいいこと書けないや。自分で満足するもの。かけてないや。


 近いうちにデッドデッドデーモンズデデデデデストラクションを漫画で読み返そうと思う。今また読むべき漫画という認識をもった。


 また書く。

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