第175話 最先端
大蛇を倒し、レベルが上がった感覚があった私たちはいったん集まって、ステータスを見せ合う。
――――――――――――――――――――
名前 神林紫
レベル108
スキル
《鋼の体》
《鋼の心》
《不眠耐性Lv3》
《格闘術Lv8》
《魔闘法Lv8》
《探知Lv6》
《威圧Lv6》
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
名前御島一葉
レベル109
スキル
《鑑定》
《魔導士Lv8》
《抜刀術Lv7》
《立体戦闘》
《魔闘法Lv9》
《探知Lv5》
《威圧Lv 4》
《状態異常無効》
――――――――――――――――――――
私とかずちゃんのステータスはこんな感じ。
まだレベル110以上…最上位の上澄みには届かないけれど、もうここまで強くなった。
レベルが100を超えて以降、本当にレベルが上がりづらくなって、咲島さんがあれだけの年数冒険者をしているのに、レベルがそこまで高くない理由が分かった気がする。
上げていないのではなく、上げられない。
参考までに言っておくと、大蛇を倒す前のレベルは私が105でかずちゃんが106。
2週間の成果は、5-6レベルといったところ。
前なら1日で10以上上げられたのに…
成長の加護を持つ私たちでさえ、ここまでレベルが上がるのが遅いんだ。
加護を持たない咲島さんや、他の冒険者はさぞレベル上げが大変だろう。
そんな咲島さんも、この大蛇を倒したことでレベルが上がったそうで、少し嬉しそうだ。
――――――――――――――――――――
名前 咲島恭子
レベル133
スキル
《剣術Lv8》
《探知Lv8》
《魔闘法Lv10》
《氷結魔法Lv5》
《威圧Lv10》
《悪環境耐性Lv3》
《魔法攻撃耐性Lv5》
《物理攻撃耐性Lv7》
《状態異常無効》
《氷冷無効》
《神威纏Lv2》
――――――――――――――――――――
相変わらずの化け物ステータス。
数字だけ見れば比較することがばからしく思えるほどの実力差が、まだあるように見える。
「私のレベルが上がるとは…やっぱり、二人の成長の加護の効果はすさまじいわね?」
「私たちも、レベルが3上がってます。これからもこのシステムを悪用してもっと強くなりますよ」
「神林さんがそう言うなら心強いわね。…ちらっ」
「…なんですか?」
すーぐに人の彼女を馬鹿にする咲島さん。
かずちゃんをいじって遊ぶことを楽しんでいる節があり、いつかはっきりと文句を言いたいと思っているけれど、まだ文句を言うには差がなぁ…
それに、本気で咲島さんを怒らせると何が起こるかわからないから怖いんだよね。
個人の実力で勝っていても、組織力や資金力ではまだまだ咲島さんには及ばないし、そもそもこの人はどれだけ資産を持っているのか…
「ちょっと強いからって偉そうに…やっぱり私、この人嫌いです」
しかしかずちゃんはそんなことどうでもいいらしい。
その怖いものなしの姿勢に私もリスペクトを持ちたいものだね。
苦々しい表情を浮かべて舌を出し、あっかんベーをするかずちゃんに咲島さんは微笑むと、まじめな表情になって杏と町田さんの方を見る。
「そっちはどう?この二人を誘ったのは、成長の加護にあやかって、4人を強化するためなんだけど」
「こっちもレベルが上がりました。どうぞ」
杏と町田さんは咲島さんにステータスを見せる。
――――――――――――――――――――
名前 浅野杏
レベル98
スキル
《剣術Lv7》
《魔闘法Lv7》
《暗殺術Lv7》
《隠密Lv7》
《探知Lv6》
《威圧Lv5》
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
名前 町田愛
レベル97
スキル
《短剣術Lv5》
《魔闘法Lv7》
《暗殺術Lv4》
《隠密Lv7》
《探知Lv5》
《威圧Lv3》
――――――――――――――――――――
二人のレベルが上がり、もうレベル100手前。
等級としては『松級』と呼ばれても問題のないレベルに到達している。
「二人はもう100手前。そっちは…まだ成長の余地ありね。今日明日で頑張りましょう」
「「…ん?」」
咲島さんの励ましの言葉に、私とかずちゃんは首を傾げる。
「なに?どうかした?」
「いや…今日明日ってどういう…」
え?これ、明日もやるの?
そんなつもりまったく無かったんだけど…
かずちゃんも、今日一日だけだと思ってたみたいだから、大して準備してないし。
そんな私達の考えを読み取ったのか、咲島さんは何処か自信なさげな声で口を開く。
「…もしかして、1日で終わると思ってた?」
「はい」
「……深層『遠征』よ?そんな1日で終わるわけ無いでしょう?」
…まあ、言われてみればその通りだ。
遠征って言うくらいなんだから、1日で終わるとは思えない。
でも、ポータルさえ見つければ即帰還出来るダンジョンで遠征なんて…てっきり新しい階層へ行くことをカッコつけて言ってるだけだと思っていた。
咲島さんは、溜息をついて今回の遠征の概要を教えてくれる。
「深層遠征は、新階層の探索が目的。マッピングとか、モンスターの種類の調査とか、資源の有無の調査とかね?2日で終わるなら簡単な方よ」
「普通は、どのくらいかかるんですか?」
「まあ…1週間くらい?」
い、1週間…?
そんなじっくりと時間をかけてやることなの?
いや、資源調査までするならそれくらい必要か…
「今回はボス部屋のある階層で、採取可能な資源はないだろうという判断だから2日だけ。マッピングとモンスターの調査だけしたら帰るよ」
「…あの、何も準備してないんですけど」
「1日くらい同じ服を着たり、お風呂に入らなくたって大丈夫。帰ったら念入りにシャワーを浴びればいいじゃない」
帰りたかったけど、咲島さんに止められて仕方なくそのまま行くことに。
かずちゃんは特に嫌そうには見えないけれど…私は嫌だなぁ。
不満を持ちながらダンジョンを進み、前人未到の第80階層へ到達した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます