第157話 攻守交代

注意

このお話には非常に性的な表現が含まれます。

近くに人がいない事の確認を推奨します。



――――――――――――――――――



「じゃあ…私の番です」


時計を見れば、22時半。

私は1時間30分の間、神林さんにいじめられていた。


指で、舌で、足で…時にはとあるおもちゃや本来の使用用途とは違う道具を使って。


めちゃくちゃにされて…ぐちゃぐちゃにされて…快楽で頭がドロドロにされた。


「まずはそのパーカー、脱いでくださいよ」


神林さんにはベッドに寝転がってもらい、パーカーを脱いでもらう。


愛し合うのに、衣服は本当に邪魔だ。

素肌が見えないと興奮もできないし。


……神林さんがいつの間にか用意していた、女性用惚れ香水のせいで、私も神林さんも猿みたいに発情してるけど。


(この人香水撒きすぎなのよ…ずーっと頭がクラクラして、神林さんのどんなものも刺激的に見えて仕方ないよ…別にそういうフェチでもないのに、髪の毛が触れただけでもう……絶頂しちゃう)


香水を撒きすぎな事に憤りを感じていると、神林さんがパーカーを脱ぎ始めた。

ジッパーが降ろされ、隙間から神林さんの素肌が見えてとっても刺激的。


隠されていたものが見えるようになるって…こんなにえっちなことなのか…神林さんが興奮して私の事いきなり食べちゃうわけだ。

でも、私は違う。


神林さんと同じような、脳なしの猿にならないように視線を逸らす。

ふと視界にインテリアのベッドサイドランプが見えて、私はあることを思いつく。


そのランプに近付くと、アイテムボックスからピンクの透明なテープを取り出して、巻きつける。

そしてライトを付けると…部屋がピンク色に照らされた。


「…この変態が」

「神林さんだってそうですよ。こんな未成年の体に猿みたいに発情しちゃって…」

「そのトロンとした目でそんな事を言われてもね…早くしてよ。私も欲望で汚れたい」

「ふふっ。いいですよ」


私はパーカーを脱ぎ捨てた神林さんに飛びつくと、どこから食べようかと舌舐めずりをする。


「まずは…やっぱり胸ですよね〜」


神林さんの大きな胸の形を強調する、黒くて一部がメッシュ生地になっている下着。

それを掴んで乱暴に引き剥がすと、大きな胸がプルンと揺れた。

……底知れ無い敗北感を感じる。


その敗北感が怒りへと変わり、そして香水の効果によって欲望へ変わる。


(この胸を……むふふふ…)


私は胸に手を伸ばすと、先端を中心に柔らかい双丘を揉み、いじくり回す。

興奮していることと、香水の効果もあってか、すぐに神林さんの先端が固くなる。

その先端に吸い付くと、神林さんが私にやったように先端を舌で嬲る。


「あっ…ぅん……」

「……声もいいですね」

「…良かったじゃな、ああっ!」


ちょっと舐めただけでこの様子。

私も人のことを言えないとは言え……ちょっと感じ過ぎじゃない?

私と同じように1時間半もしたら、廃人になってそう。


そんなことを考えながら、神林さんの嬌声をBGMに乳首を吸い、舌で嬲る。

舌を巻き付けて締め付けたり、思い切り吸って、強く引っ張ったり。

やわらかい脂肪の塊を、優しく、乱暴に、痛めつけるように揉んだりもした。


私が何かするたびに神林さんは26歳の女性とは思えない声を出す。


……この人さては処女だな?


「…神林さんって、処女ですよね?」

「……悪い?」

「全然?むしろ、神林さんが綺麗なままで嬉しいです。最初に色を付けるのは私なんですから」


まだ誰も行ったことのない神林さんの秘境。

そこに初めて到達するのは私であり、これからもこの先も私だけがそうだというのに興奮して、神林さんの先端に噛みついた。


「痛っ!?」


甘噛なんて優しいものじゃない。

ある程度力を抑えているけれど、ほぼ本気の噛みつきだ。


思わず神林さんは悲鳴を上げたが、すぐにまた感じ始めた。

噛みつき、歯の内側に入った部分を舌で舐め回したり。

爪を突き立てながら胸を揉んでいると、さっきよりも声が大きくなった気がする。


…この人傷つけられて興奮してるのか。

ならもっと痛めつけたほうがいいのかな?


そう考えて、私は左手を下へ持って行くと…


「ひゃんっ!?」


パチンッ!という音を立てて、神林さんのお尻を叩いた。

そしたら、聞いたこと無いくらい可愛い声を出した。

神林さんに似つかわしくない声だ。


その事を指摘しようとしたら、またパチンッ!という音がなる。


「きゃっ!?」


私の声が響き、お尻がヒリヒリ痛む。


「お返し。言っておくけど、別に痛めつけられて興奮してるわけじゃないからね?」

「むぅ〜…えいっ!」

「ひゃうっ!?」


手加減なしの本気で叩くと、かなり高い音が鳴り、神林さんが可愛い悲鳴を上げる。

その代わり…


「ぎゃん!?」


私も本気で叩かれてお尻が痛い。


「……」

「……」


無言で見つめ合う。

相手の動きを伺っているから、お互い目を離さないし、次の行動を読み取ろうとしている。

そして…


「いいっ!?」

「きゃっ!?」


パチンッ!という音が同時に鳴り、悲鳴と感じている声が混じり合った声が2つ響く。


こうして、私と神林さんの戦いが始まり、何度も高い音と2人の声が寝室に響く。


気がつけばそれだけで20分ほど時間が経っていて、私たちのお尻は真っ赤になった。

凄くヒリヒリして痛い…


「神林さん…やっぱりMじゃないですか…」

「それはかずちゃんでしょ?目に光がないよ?」

「えへへ。じゃあM同士のカップルですね。お互いに傷つけ合うのが好き」

「喧嘩するときはよく手が出るからね。その影響かな?」


神林さんとは、手が出るほどの喧嘩をしたことが複数ある。

別に喧嘩が激しいわけじゃなくて、ふたりとも手が出やすいんだ。

そのせいで、ふたりともMになったんじゃないかって、神林さんは考察してる。

でも、今はそんな事どうでもいい。


「お尻の叩き合いはもう十分ですよね?私、キスや乳繰り合いよりも先のことがしたいです」

「いいよ。存分に楽しんで」


許可をもらうと、神林さんの下半身に移動して、ブラと同じ黒色のパンツを脱がす。


神林さんの大切な場所は湿っていて、触ると私の手が濡れた。


「人の事言えないじゃないですか」

「だってぇ…」


私は神林さんが触った時には濡れていた。

だから神林さんにちょっといじられちゃったけど…神林さんだって濡れていてかなり感じている。 

しかもこの濡れ方…私と同じで、こっそり何回か絶頂してるな?


口を近づけて、神林さんにされたようにまずは舌で始める。

濡れた神林さんの大切な場所を舐め、その液体を口に含む。

……味は特にしない。


「あ、ああ…」


神林さんは、猫の毛繕いのようだって言っていたけど…まさにその通り。

猫ほどじゃないにしても、ザラザラな舌で舐め回されるのは…なかなか来るものがある。


それをわかっているからこそ、私はしっかり舐める。

素早く舐めたり、ゆっくり舐めたり、優しくしたり乱暴にしたり。

神林さんにやられたことを全部やり返した。


「んん…あぁ……やあぁ…」

「私の真似ですか?」

「そう聞こえる、なら…はぁあっ!?…はっ…はっ……わたしたち…にやいでええっ!!」


話す隙すら与えない攻め。

外を舐めるだけでなく、頑張って中にまで舌を挿れているんだ。

……でも、やっぱりコレは難しい。

指でやるほうがいいね。


私は舐めることを辞めると、今度は指を挿れる。

まずは一本。

様子見として、どこがいいのか探るのだ。


「んっ……はぁ…ふぅ、ふぅ…うっ!」

「?ここですか?」

「ひっ!?」

「ここなんです、ねッ!」

「ひあああっ!?」


神林さんの好きな場所を見つけた私は、早速指を2本挿れる。

その場所を執拗に狙って、高速で力強く上下運動した。


「あっ!あっ!んんぁあ!!や、やめ…!ああああッ―――!」

「やめませんよ。さっきのお尻を合わせてもまだあと70分あります。ノンストップで、ぐちゃぐちゃに壊してあげますよ!」

「ああっ!そんなっ!やめてぇ…!あぅん!?」

「そうです。その調子です!もっと感じてくださいよ!はしたなくてだらしなくて、みっともない姿を…醜態を晒してください!それが私の邪な心を刺激する…!」


泣き叫ぶ神林さんを何とか抑えてその場所を嬲り倒す。

声が止まることなく響き続け、私の頭に欲望を供給し続ける。


ぐちょぐちょと音を立てて、液体が流れ出していく。

ベッドのシーツがお漏らしでもしたようにビチャビチャになり、元々私の汗が染み込んでいたベッドに、今度は神林さんの汗が染み込む。


きっとこのベッドは、少し吸っただけで絶頂するほど2人のいい匂いが詰まっているに違いない。

…いや、香水の匂いしかしないか。

これだけ部屋が臭いならね。


「ほらほら…まだ3分しか経ってませんよ?耐えられますか?」

「ふぁ…あ、あ!…ぁんあ…んんっ!」

「何か話してくださいよ!」

「あああっ!?」


みっともない声を出しちゃって…でも、許しませんよ?

私は神林さんが私のことをいじめる時、ずっと罵倒してた事ちゃんと聞いてますからね?

私がずっと絶頂してることをバカにしたことには忘れてませんからね?


「コレは勝負です。あと67分後に休憩を挟んで勝負しましょう。どっちが快楽で潰れるかの勝負。私は勝つためなら手段を選びませんよ?」

「あふぅっ!…もう…やめれぇ…」

「やめない!私はもっともっと神林さんをめちゃくちゃにしますよ!神林さんの望んだことですからね!」


当然、やめてという願望を聞くはずがない。

私は宣言通り67分間、神林さんのなかを嬲った。


終わった頃には神林さんは痙攣してまともに動けず、よだれと涙を沢山流していた。

いい気味だ。

私にも同じことをしたんだから、コレは当然の報い。

…さて、これから少し休んで神林さんとの勝負が……うん?


「さっき、勝負とか言ってたよね?」

「そうですね」


神林さんが起き上がり、私のことを見つめる。

全裸で向かい合い、私も神林さん相手の体をジロジロ見る。

それに対して不快感を抱くことは一切ないね。


「望むところだよ。休憩時間なんていらない」

「…正気ですか?」

「私は本気だよ。…もしかして、さっき私で遊ぶに力を使っちゃって、勝てないから休みたい?」


露骨に煽られて、私はカチンと来た。


「そんな分け無いでしょう。始めすよ。ルールはどうします?動けなくなったら負け?降参したら?それとも気絶するまでですか?」


どうなったら負けか聞く。

まあ、降参あたりが妥当だと思うけど…


そんなことを考えていると、神林さんハニヤリと笑う。


「動けなくなったら?降参?そんな甘ったれた勝利条件ナシでしょ?意識を失うまでするに決まってる」

「…いいですよ。途中でやっぱり無しは無効ですよ?」

「泣いて懇願してもやめないから大丈夫。むしろ、かずちゃんもそれくらいの勢いで来なよ」

「いいましたね?その言葉、忘れませんから」


距離をジリジリと詰めて抱き合うと、お互い右手を下に、左手で相手の体を固定する。

抱き合ってるから顔は見えないけど…この位置なら神林さんの声がよく聞こえる。


「「よーい…スタート!!」」


二人で開始の合図を切ると、一直線に相手の弱点を突く。


「んああっ!?」

「ふあぁっ!?」


予想外のダメージ快楽を皮切りに、私達は最初からトップスピードで愛し合う。

濁流のように押し寄せる快楽に常に頭をやられ、正常な部分はただ神林さんの弱い場所を狙って動くように命令し続けている。


それ以外に思考は必要ない。

快楽にやられている部分は、とにかく今以上の快楽を得ようと必死だ。

獣の様相で愛し合う私達は、声が重なって響く。


「「あっ…ああ!…あ、あ、あ…んあぁっ!?」」


始まってしまったからには止まらないし、止められない。

愛と快楽に溺れ、汗とよだれと涙と液体にまみれ、絡み合う。


やるべき事とか、やらなくてはならない事とか、未来とか、将来とか、そんな事はどうだっていい。

今は目先の欲に愚直にしがみついて、木に巻き付く蔓よりも複雑に絡まって、ただ立ち止まるだけではどこまでも沈んでいく泥沼の中のような快楽にどっぷり浸かり、辛いこと全て忘れて愛し合う。


部屋に響く2人の声がその証明。

夢中になっている証拠。

愛し合っている印。


香水の匂いに負けないほどのフェロモンの匂いが言葉であり、香水の催淫効果が言葉を飾る。


ぐちゃぐちゃになった私達は…この時間が朝になるまで続いたことを、私が意識を失ったことで知ることになる。




―――――――――――――――――――


とある女性K:「かんかずてぇてぇ…」

とある女性A:「盗聴器外せって言ったのに…」

とある女性M:「どんな感じなのか気になりますね…」

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