第2話 現実

初めてのお客さんである、イリスから、

この世界と自分達の世界の通貨の違いとレートの違いを教えて貰った。


「成る程、この1円玉みたいなのが、銅貨で、

俺たちの世界では、100円に該当すると。」


「で、こちらの、100円玉みたいなのが、銀貨で、

私達の世界だと、千円に該当と。」


「そう、で、あなた達の世界で、五百円玉みたいなのが、金貨で、

一万円だよ。」


イリスの説明を纏めると、

銅貨10枚で、俺たちの世界では、1000円で、

銀貨10枚で、俺たちの世界では、10000円で、

金貨10枚で、俺たちの世界では、100000円になる。


因みにこちらの世界にも、税金のシステムがちゃんと存在する上、

税金に関係の専門職もちゃんとある、

イリスから、俺たちの世界で役所に該当する、

商業ギルドに加入しないと、脱税店扱いされると聞いた、

出雲と空は、翌日、イリスに商業ギルドまで、案内を頼み、

戸籍と店舗登録も終えて、税金システムも説明を受け、営業許可証を貰い、

ついでに、ギルド内の銀行にも口座を開設した。


登録後。


イリスからの口コミとギルド発行の新店舗情報紙の効果も相まって、

繁盛していた。


出雲の居酒屋は、料金が安く、日本式のサービスと食器と食材を仕入れている為、

いきなり人気店頂点に半月も掛からなかった。


「大将、景気が良いね」


「ありがとうございます」


「空ちゃん、オレと付き合わない?可愛らしいし、器量も良いから、嫁にしたいよ」


「お客さん、うちの看板娘の食費は、お客さんが、思っているよりも、

掛かりますよ」


大将の低い声に、空をナンパした、男性の客は。


「えっ?そんなに、食べるの、そんな小柄な体型で」


このお客さんの発言に看板娘の空は、額に青筋を浮かばせて、

氷点下の凍りの笑顔で。


「大将、激辛ハイパー番犬鍋の注文入りました」


「あいよ」


この一言に、良識派の常連客は、凍り付いた。


「かわい子ちゃん、それを、完食出来たら、オレと付き合えるの?」


「良いですよ、出来る物ならね」


空は、仕返しにどんな辛党でも、100%完食不可能で、有名番組では、

出演者が、全員体調不良を引き起こし、お蔵行きになったメニューだった、

出雲の居酒屋でも、期間限定で、実行したが、一週間の予定が、

僅か3日で、チャレンジャーが、居なくて、中止になったのだ、

現在では、空ちゃんへの、迷惑客撃退防犯メニューになっており、

料金は、金貨5枚になる為、このメニューの存在を知らないおバカな客が、

犠牲になっている。

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