狂愛

「、、、む、無理に決まってるじゃない!」

焔は声を荒げてそう言う

「魔力関係は量も質も小学生どころか幼稚園児並み。筋力も小学生と同等、戦闘知識だけは私ですら目を見張る物があるけど前2つが壊滅的すぎて、、、これ以上私を追いかけたら死んじゃう!」

「っ!」

その剣幕に風香は気押される

「、、、そっか。そうだよね。手足が付いてるからそんなこと考えちゃうんだよね」

「ぇ?」

しかし焔の愛はそんなレベルをはるかに超えていた

「元々側付きにするなんて言葉のあや。嫁にDVするみたいで嫌だけど仕方がないよね?!!」

チャキン

「っ!!」

焔は浄化刀を抜いた

「え?焔ちゃん?」

「その手足切り落としてあげる」

そして焔に斬り掛かってきた

シュ

風香はそれを躱す

「躱さないでよ!!!痛い痛いだよ?!」

「ほ、焔ちゃん?!待って話を聞いて?!!」

「手足切り落としたらいくらでも聞いてあげるよ!!」

「っ!!!」





(や、ヤバすぎるでしょ?!)

焔の攻撃を躱し続ける風香は焔のヤバさに驚愕する

(どうにかして止めないと!でも焔ちゃんを止めるなんてどうやって?!)

どうにか焔を止めようとするがその方法は思いつかない

「愛してあげるから!!!」

「充分焔ちゃんからは愛されてるよ!!」

「お布団でぐちゃぐちゃにしてあげるから!!私多分上手だから!!!」

「ぇ?!焔ちゃんそんな変態なキャラじゃないでしょ?!」

「風香限定だよ?!手足寄越せ!!!」

「ちょ!誰か止めて!!」

そう言いながら白と零を見るが

「えっと、、、」

白はどうしたものかと言う状況で使い物にならない

そして

「クソ面白いんだけどwwまさに修羅場ニアファミリーwww」

零に至っては大爆笑していた

(あのクソ雇用主!!!)

それを見て風香が激怒した

そしてその怒りは

「私は焔ちゃんの隣に立ちたいんだ!それを止められ筋合いは無い!!」

襲いかかってきている焔に向かった

(どうせ死にはしないでしょ!!)

「はっ!」

風香は焔目掛けて拳を突き出す

「ふっ!!!」

そしてそれを見切った焔はそれを皮一枚で躱して

「まずは一本!!」

刀を伸び切った腕に振り下ろした

スカッ

「え?」

しかしそこに腕は無かった

「遅いね」

そして横から

「西行妖・五分咲」

ドカン!!

とんでもない威力の鉄拳が焔の顔を撃ち抜いた

「がぁ、、、」

ドカッ

その一撃によって焔は地に伏せそのまま動かなくなった

「なんか、、、悲しい。あんな高かった壁がこんなあっさりと、、、」

そんな焔を見て風香は悲しげな目をするのであった

「ひとまず医療室まだ運ばなくちゃ。綺麗な顔が台無しになっちゃう」

そして焔をお姫様抱っこするのであった

「はは、いつもと逆になっちゃったなー」

そう風香が言うと

「そうだね」

焔はそう返すのであった

「これからは一緒に助け、、、え?!意識あ

「煉獄爆」

ドカン!!!!

とんでもない威力の爆発が風香の全身を焼き尽くした

「がぁ、、、し、死んだふりって、なんて卑怯な」

風香がそう言うと

「勝てば良いんだよ!!!」

焔は再び切り掛かってきた

「見えてるのよ!」

シュ

風香はそれを躱す

シュ シュ シュ

(連撃?)

焔はそれを見てもひたすら切り裂いてくる

(なんか狙いが変なのもあるし、、、)

7度目の斬撃を躱した

「っ?!!」

その瞬間気がついた

(これ詰将棋だ!このままじゃ回避出来なくなる)

焔の斬撃は詰将棋のように風香の動きを一手一手追い込みどこかが回避できなくなるように誘導されていると言うことに

「抜け出さないと!」

シュ

8度目の斬撃を避ける

(間に合わない!)

そして風香はもう網に掛かっていた

「防人流・九蓮宝燈」

9度目の斬撃 

それを風香は躱すことが出来なかった

ズバン

「っ!」

(左腕が焼き切られた!!)

燃え盛る焔の斬撃によって左腕が焼き切り落とされた

(痛覚障害がなかったら発狂モノの痛みでしょこれ?!悪魔か?!)

痛覚障害がある風香は焼き切られると言う想像を絶する痛みを感じるが無かった

(勝ったわね。痛みでそのまま気絶しなさい)

焔は風香に痛覚障害があることを知らないので激痛でそのまま倒れると予想していた

「まだだ!!!」

なので風香の反撃の近距離斬撃を躱すことごでき

シュ

「ぇ?」

「っ!もう一撃叩き込む構えしていて良かった。」

焔は風香の攻撃を躱した

「次は足を!」

そして焔は風香の足を切り裂こうとする

だが

「っ!」

カラン

突然焔が刀を落とした

「な、なんで?」

焔理解が出来ない

「っ!そこ!」

そしてその隙をついて風香が焔に切り掛かる

しかし

「ぇ?」

バタン

突然風香が膝をついた

「な、なんで?」

お互いが何故か動けなくなった

「流石にか」

「、、、マジか」

零と白はその理由がわかった

「貴方達何してるの?」

「「っ!?」」

そしてもう1人この場で2人が動けない理由がわかる人物が居た

「名鏡?!」

風香の母親である名鏡であった

「な、なんでここに?」

白が驚いた様子でそう聞くと

「後でゆっくりと教えらから待ってて。このままだと2人とも死んじゃう」

車椅子に乗った名鏡は立ち上がり杖をつきながら2人に近づく

「っ!!!やめなさいメイ!!死んじゃう!!」

それを見て白はとんでもない剣幕でそう言う

「死なないわよ。体も悪いけど本当にヤバイのは魂の方なんだから外傷喰らっても」

しかし名鏡はそう言って近づく

「白蛇!」

白は神威で右腕を白大蛇に変えると名鏡を捕縛しようと伸ばす

キンッ

だがそれは名鏡の前で何かによって弾かれた

「明鏡止水、、、全てを反射する立花名鏡の神威」

零はそう呟く

「正面切って私の反射をどうにか出来たことないでしょう?体が死に体でもそれは変わらないわ」

そして名鏡はそうあっさりと返すのであった

ピタッ

名鏡は2人に触れる

「神威・投影鏡」

そしてそう唱えた瞬間

ボトッ

「「っ?!」」

「なっ?!」

風香の切り落とされた左腕が元通りになった

「2人とも立てる?」

「「え?あっ!立てる!」」

そして2人は先ほど立てなかったのが嘘のようにあっさりと立ち上がった

「「な、なんで?」」

2人が困惑していると

バタン

「「お母さん(おばさん)?!」」

名鏡が倒れた

「メイ!!」

それを見て白がとんでもない速度で名鏡に近づく

「そんな体で神威を使うって何考えたいるのよ?!」

「子供達が高等部に進学するまで生きてられればはもう満足。そしてその程度に年数ならこれぐらいしても全然持つわよ」

「っ!!!あんたねぇ!?」

白は顔を赤くして怒ると

「ひとまず病院行くわよ!」

そう言うと白は名鏡を持ち上げるのであった

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