未来
「なるほど。そういう経緯で風香ちゃんを秘書にしたのね」
「ああ。多少のリスクなんて目じゃないほどの価値があるだろ?」
零がそう言うと
「、、、立花名鏡への悪感情はとんでもないものだからそう簡単には晴れないと思うけど頑張りなさい」
少し暗い顔しながらも柊はそう言って風香は元気付けた
「はい!」
「血のバレンタイン、、、具体的にどうゆう時間だったけ?」
ふと紗理奈が呟く
「俺達もまだ9歳の時の話だからな、、、詳しく知らないよな」
それに香織も同意する
「メリアはその時現場にいたんだよね。知ってるの?」
翡翠がそうメリアに聞くと
「血のバレンタインは熊本に出現した一級穢れの毒血邪蛇とそれの取り巻き、二級1体三級2体四級以下役500体の穢れが熊本から討伐された福岡まで闊歩した穢災です。血のバレンタインにおいて巫女を苦しめたのが毒血邪蛇の発生させた猛毒の霧です。この霧によって巫女や民間人が多く亡くなりました。そして立花名鏡の犯した罪とは自身の旦那の命を優先した結果民間人を万単位で巻き込んだ方が理由です」
メリアはそう答えた
「「旦那の命を優先した?」」
各派閥の長が首を傾げる
「毒血邪蛇が福岡に入れば取り返しのつかない被害が出ます。避難も完了していなかったので万単位で死者が出る。それを鑑みて福岡に入る前に既に霧に飲まれた街ごと穢れを殲滅する作戦をその時の殲滅隊の長であった防人白が上げた。そして火力を出すために当時の福岡で最強の5人だった防人白と立花名鏡と他3人が力を合わせた魔力砲を撃つ必要があったんです。しかし消し飛ぼす街には防人白と立花名鏡の旦那がいました。既に霧に飲まれているため生存は絶望的でしたが自身で旦那を殺すというとはとてつもない苦渋の決断をすることになります。それに生存は不可能じゃなくて絶望的、、、万が一に助かる可能性があった。そしてその全てを知った上で防人白は旦那を殺して民間人を守ることを選び、立花名鏡は旦那を助けることを選んだ。そしてその結果立場名鏡は霧の中に突っ込んだ。そして魔法砲は撃てずに福岡に毒血邪蛇に突入して避難し遅れた民間人を次々に殺していき、消えた立花名鏡以外の4人が足止めのため毒の中で戦闘。そして圧倒的力のあった防人白以外は殉職。福岡の街も仮に飲まれました。しかし福岡を出る前に本局の精鋭部隊によって毒血邪蛇は討伐された。ということです」
「「、、、」」
全員が言葉を発されない
「、、、あ、追加すると私の父は結局死んで、母も後遺症で半寝たきりです。白さんは五体満足で白さんの旦那さんは4年後に死にました」
そんななかバリバリ当事者の風香がそう捕捉した
「、、、重すぎない?」
「重すぎる」
「家系ラーメン?」
「食欲失せてるわ」
「ひ、ひとまず私達は親の罪を娘にもー、とかはしないから安心してね」
メリアがそれだけはと言った様子で風香に告げる
「ありがとうございます、、、というかこんな湿っぽい話なんでやめて明るい話しましょうよ!」
風香は嬉しそうにそう言った
「そうですね」
「紗理奈が始めたんだしお前が何か話題出せよ!」
「え?事実なだけに何もいえない、、、では、風香ちゃんの防人焔との思い出なんか聞きましょうか!」
「えっと、、、温泉入ってたらー
「、、、いざとなったら風香をこの学園に送ろうと思っていたから仲良くなれてよかった、よかった」
零は風香が横須賀の生徒と打ち解けていることに安堵していた
「、、、確認だけど、このまま風香ちゃんの地位を上げたらまずいわよ?」
そんな零に柊がそう告げた
「わかってる。まず成人してもう2年経つまでは俺の管理から外すわけには行かない」
「そうね。確実に利用される」
「そして何より、、、立花名鏡の娘が活躍したなんていう事実は管理局から見ればあまりにも都合が悪すぎる。いや、正確には力をつけたらだな。ただでさえこの世界に恨みを持ちそうな育ち方してるんだ。そこに神を信じていないなんて風香が力を得れば、、、碌なことにならないことは確かだろうな」
零はそう呟く
「そうね。正直、白さんはもっとしっかりと風香ちゃんや他の妹弟を囲い込むべきだったわね」
「だな。ウェスタやZGHが欲しがりそうな人材だ。立場的にも血筋的にも」
「ある意味、魔力不適合症と痛覚異常は命を蝕んでいたとはいえ、、、風香ちゃんを守っていたのかもね」
柊はそう言うと
「零。一度拾ったんだ、、、絶対に守りなさいよ」
そう真剣な眼差しで零に言った
「ああ。必ず守り切ってやるよ。星ノ夜空のみんなと同じようにな!」
「それじゃー、みんなまたねー!」
「「またね(な)ー!」」
零と風香は学園を出る
「それじゃー、柊叔母さんまたね!」
「久しぶりにその呼び方されたわね」
ガチャ
「車突っ込ませたのに大丈夫なんですか?」
「ロケラン直撃しても余裕で耐える」
車に乗り込みながら2人は普通ありえない会話をする
「さて帰るか」
「はい!」
こうして風香と零は
ドドドドドド
「帰りにもマシンガン撃って来るの?!」
「それが横須賀学園だ!」
マシンガンの雨を背に家に帰るのであった
「明日からなんだけどディズニー以外に行きたい場所あるか?」
ふと零が聞いてくる
「うーん。あ!中華街行きたいです!」
風香はそう答える
「了解!小籠包でも食べるか!」
「おー!」
「というか今から行くか?ここから5kmだし」
そう言いながら零は中華街の方角を見て
「っ!!」
目を見開いた
「中華街行くぞ!!!」
そしてそう叫ぶように言って
ブォン!!
「きゃ!」
車が凄まじい加速をした
「な、なんですか?!」
風香が焦った様子でそう聞くと
「っ!!間に合わないか!!百聞は一見にしかず!自分の目で見てきな!」
零はそう返して
「シートベルト外して口を閉じろ」
そう指示を出した
「は、はい?!こんな状況で?!」
風香はそう言いながら指示に従う
「よし、、、良いところにトレーラーが」
零は近くを走っている車を載せて運ぶトレーラーを見つけると
「え?」
そのままそのトレーラーの車を載せる部分に乗り上げ
ドン!!!
「は?」
(浮いてる?)
傾斜から勢いよく飛び出た
そして
ガシッ
「え?」
零が風香のことを掴み
ガチャン
助手席のドアを開けてそのまま車外に出ると
「先に行っててくれ!」
ビュン!!!
「ぎゃゃゃゃ!!!」
風香を思いっきりぶん投げた
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