面接

「お帰りなさい、零」

部屋に入ると中にいた美しい女性がそう声をかけた

「っ!」

(月詠零花!)

それこそ現世界トップの月詠零花であった

「ただいま、母さん。出迎えが激しくて楽しかったよ」

「お兄ちゃん以前の相手にほぼ負けましたけどね」

零と百花はそう言う

すると

「それじゃー、2人共に座ってちょうだい」

百花がそう2人に言った

「ああ。風香、和室の座り

「早く座りなさい」

「っ!」





「っ!」

(か、母さん?!)

零は動揺していた

(風香のことガン無視決め込む気か?!)

零花が風香の事をガン無視しようとしていたからだ

「えっと、母さん、後

「帰ってくるのは何ヶ月ぶりかしらね?」

「っ!!」

(母さん!!)

零が風香の事を話そうにも零花が話を遮る

(何考えてるんだ?!、、、まさか風香のこと認めない気か?!)

零は焦る

本来ここでのトラブルは妹の百花が風香を襲うぐらいだけだと考えていたのでこんな早く連れてきたのだ 零花が風香を本気で潰しに来るなど想定外だった

「お、お母さん、、、流石にそれは」

先ほど半殺しにしようとしたら百花ですら流石にそれはと言った様子だ

「風香大丈夫か?」

いきなりこんな状況になり風香のことが心配になった零は零花の方を向きながら風香を見る

すると

「は?」

風香は目を瞑っていた

(正気か?!)

「、、、嘘でしょ」

その様子に零だけでなく零花を驚愕する

「、、、それで?最近は施設運営の調子はどうなの?ただでさえ鳳凰家と大揉めしてるのに他に何か問題起きてないわよね?」

零花は風香を無視して話を進める

「ああ、特には。というか鳳凰家の問題は当事者間で解決してるから気にしなくて良いよ」

零も自分から風香の話を行うのは無理と判断しそのまま話を進めた



そして15分ぐらいが経った頃

「なるほどね。学園もしっかりとして来たと」

普通の会話 そんな会話の途中で零花は自然な様相で小刀を取り出すと

ビュン!

風香目掛けて勢いよく投げつけた

「っ!」

完全に油断していたタイミングの攻撃に零は風香がそれを躱せないと考え焦る

そして風香の方に顔を向けてみると

「え?」

そこには

「嘘、、、」

「っ!へー、、、」

目を瞑りながら眼前に来ていた小刀をキャッチしている風香の姿があった

「どうかされましたか?」

そして風香はゆっくりと目を開けると零花にそう問いかける

「、、、何。寝てるのかと思ってね。こんな状況で目を瞑っていたから」

零花がそう言うと

「お三方の会話に視線を向けては失礼かと思いまして。視覚が消えるぐらいでしたらどうとでもなりますので」

零花はそう返した

「、、、」

(いや?!出来ないでしょ?!)

風香の実力をかなりの割合理解している零はそう内心突っ込む

(でもなんで今の攻撃を、、、まさか超絶想像をここで使ったのか)

そして風香の行った技に驚愕する

「なるほどね。それは不必要な心遣いをさせてしまったわね」

そんななか零花がそう言う

「いえいえ。それで私に何か御用しょうか?」

「私は手土産を見て相手を測るのよ。だからそろそろ貴方が持参した手土産を貰いたいなと思ってね」

「っ!!」

零花の言葉に零は顔を大きく顰める

(土産なんてあるわけないだろ!!今日俺がいきなり連れてきたんだから?!俺それとなくそのこと母さんに言ったよな?!)

風香はさっき知ったのである 土産など持ったいる訳が無い というかさっき持ってないこと心配していたのである

「母さん!言っただろ風香は

「はい。もちろんありますよ」

「は?」

零は自身の耳を疑った

「え?は?は?!」

「それで?それはどこにあるのかしら?どうやら今持っているようには思えないけど?」

驚愕の極みにある零を尻目に零花は問う

「ここにあります」

その問いに風香はそう答えた

「、、、自分自身ということかしら?」

「はい。私のような人間が選んだ手土産では私を見てもらうという事はできても本来の目的である零花様を喜ばすことは不可能だと判断して、

風香ははっきりと答える

「なるほど、、、つまりこの月詠家当主である月詠零花が喜ぶような力を貴方は持っていると?」

零花は鋭い目線を風香に飛ばす

「必ずお喜びになるかと」

風香は毅然とした態度で返す

「、、、何かしら?」

「一言で言いますと、零様の安全です」

「零の安全ね、、、」

「私は先ほど娘様の襲撃を受け、片腕を切り落としています。本来でしたら勝てなくては行けませんがなにぶんまともに力を得てから3日しか経っておらず。しかし3日で娘さんの、、、月詠家が代々次いできた神威である時間支配を潜り抜けてです。これからの成長率を低く見積もっても零様の護衛として十分な力を持っていると思います」

「なるほどね、、、力を得たというのは?」

「視覚障害です。私は元々視覚に障害があってそれが影響で魔力関連も上手く行えず、、、それを零様に教えていただきそのまま治していただいたのが3日前です」

零花の問いに風香はそう答えた

(半分以上嘘じゃねぇかよ!!風香お前すごいな?!)

零は表情こそ変えないが内心大嵐だ

「確かにそれが事実なら零の護衛としては申し分ないかもね」

零花がそう言うと

「失礼しまして。私は護衛ではありません。秘書です。護衛の任もありますがそこはお間違え無いように」

風香はそう返した

「「っ?!」」

そしてその返しに全員が息を呑んだ

(風香?!今の流れでもう母さんは認めてたぞ?!なんでまだ進む?)

「秘書ね、、、つまりまだ何かあるのかしら?」

「はい。私にはまだニつの零様の秘書として活躍することができる力があります。一つは私がただ力があるだけの一般人ということです。これによって零様の常識はずれな行動をカバーすることなどが可能です」

「それは確かに私としても嬉しいわね。零は人のためになると思うとなんでもしちゃう悪癖があるから。厄介な問題を引き起こさないか心配だったのよ」

風香の答えに零花は嬉しそうにそう言う

「それで?二つ目は?」

そのまま零花は興味ありげに聞く

「私の母は立花明鏡です」

「え?」

「「は?」」

あまりにいきなりの爆弾発言に全員が唖然とする

「えっと?そ、それがどうして零の秘書として活躍できると思えたのかしら?」

あまりのことに今まで冷静であった零花も困惑が声に出る

そして風香の答えに

「零様があまりにも零花様やこの世界に不都合な事をした時に私に適当な犯罪被せて監督者責任で零様を封じれますよ?」

「なっ?!!」

完全に平静を砕かれた

「零様を守る力と零様を導く知識と零様を止める血筋。それを持つ私自身が零花様への手土産となります」

「「、、、」」

部屋に沈黙の帳が降りる

そして

「あなた名前は?」

零花は風香に名前を問う

「立花風香です」

「立花風香、、、良い名前ね。立花風香、君のような才能に満ち溢れた人間が私の息子を支えてくれると思うと私は心から安心できるわ」

零花はそう言うと

「私の息子をお願いします」

頭を深く下げた

「っ?!!」

「目の前の光景に驚く気持ちはあるけどどこか納得できる」

「俺はどうやらとんでもない子を見つけたみたいだな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る