本家
「東京はこないだ行きましたけど神奈川には初めて向かいますね!」
風香は車の窓に映る景色を見て興奮気味にそう言う
「今日は鎌倉に行くんでな」
「鎌倉?なんでですか?」
風香が首を傾げると
「マジで勉強頑張れよ」
零は憐れむような目を向けるのであった
「到着!」
「え?」
車を降りた風香は唖然としていた
「な、何このバカデカい門」
目の前に高さが10mはありそうな門が鎮座していたからだ
「飾りだよ飾り。本来はこんな門から入ることはないよ。裏門から入るよ」
そう言うと零は門の奥を守るように建てられたこれまた10mはありそうな塀に沿って歩き出した
「え?ここなんなんですか?」
「別にやばいところじゃ無いよ。午後に行く場所はヤバいけど」
そう言う零の顔を少しの恐怖に染まっていた
「っ!」
(零さんでも恐怖する場所なの?!午後行くところは!)
それを見た風香と恐怖するのであった
「さて、これが裏門だ」
「いや、普通に大きい」
正門ほどではないがそれでも3mはある門が風香の目の前に鎮座していた
「さて、風香ちゃん。君の仕事はなんだ?」
すると零がそう聞いてきた
「え?えっと秘書です!」
「そうだ。そして秘書業務には俺の護衛も入っている、、、頑張れよ」
ギギギギ
零はそう言うと門を開いた
「え?、、、はい!」
風香は臨戦態勢をとる
「、、、屋敷?」
門の奥には日本屋敷が広がっていた
(というかどこがで見たことが、、、)
風香はそう考えて周囲を見渡す
そして
「ん?」
(あの女の子、、、浄化刀持ってる)
正面から浄化刀を持ち着物を着た少女が歩いてきた
(なんか焔ちゃんみたいな雰囲気、、、かなり強い)
そう感じ取った風香は
スッ
零の前を歩く
「零さん。前の女の子やばいかもです」
そして零に注意を促す
「ヤバくなったら俺も入る。それまでは頼んだ」
「はい」
風香は前の少女に鋭い視線を向けた
そして
「死ね」
ガキン!!!
「っ!?」
一瞬なんて生易しい速度ではない速さで少女は襲い掛かって来た
(危なかった!!警戒していなかったら確実に殺されてた、、、零さんよりは軽いけど重い)
風香は冷や汗を掻く
キン
「私の初見で夢満月を受け止めれる同世代が希蘭ちゃん以外で居るなんて、、、」
少女の方も自身の技を受け止められて驚愕していた
「零様を狙う人は私が倒す」
(満引)
ドン
風香は少女との距離を縮めると
「西行妖・三分咲」
ドカン!!!
とんでもない威力の斬撃を繰り出した
「っ!躱された」
しかしそれは躱された
「な、、、なんていう威力なの」
しかし少女の顔には余裕が無い
「月光!」
スパン
「っ!!腕が!」
一瞬のうちに風香の右腕が切り落とされた
(速すぎる!私の目でも見れないなんて)
零の言葉から自身の動体視力に自信を持っていた風香だったがその自信は早くも砕かれた
「左手でも戦えるけど、、、キツイよ」
風香は切り落とされた腕から刀を取ると左手で握った
(出血死も近い、、、気を付けないと)
風香はそう考えると
「西行妖・一分咲
ドカン!
先ほどの1/3の威力、だとしても高い威力の斬撃を繰り出した
「当たらないわよ!」
少女は再び躱す だが
「10連!」
「え?」
シュ シュ シュ
「っ!」
(10連撃ですって?!腕切り落とされてるのよ?!っというか神威が持たない)
少女は回避に神威を使っていたが連撃によって
ガキン
「っ!」
神威が切れその隙を突かれて回避ではなく防御せざる負えなくなった
「危なかった、、、」
(最初に威力だったら無傷じゃすまなかった)
少女にはもはや余裕が無い
「神威・空間破壊!」
「なっ!」
そんな状態だったので少女は風香の放った言葉の意味を理解し全速力で距離を取った
だが
「え?」
何も起こらない
(しまった!空間破壊は嘘だ!)
少女はそう気が付くが
「掛かった!西行妖・五分咲!」
ズバン!
「がぁ、、、」
既に遅く風香の刃によって右腕を切り落とされた
「がぁぁぁぁぁぁ!!」
腕を切り落とされた痛みに少女は泣き叫ぶ
「、、、腕切り落とされるとそんなに痛いんだ」
痛覚障害の風香にはわからない感覚だ
「それで、、、零様?この子何なんですか?」
戦闘を終えた風香はそう零に問う
「ああ。俺の妹」
「、、、え?」
「俺の妹。俺が秘書連れて行くって言って嫉妬でブチぎれたんだろ」
零はあっさりとそう言うが
「零様の妹ってことは、、、つ、月詠百花?!」
自分が斬った相手が世界巫女管理局長の娘ということに気が付き
「だ、大丈夫ですか?!」
そして自身の腕が切り落とされていることなど忘れ百花に駆け寄る
「、、、」
すると
「お前がな」
(後ろ?!)
目の前から百花が消え、後ろから百花の声が聞こえた
ガキン
「え?」
そして首元で金属がぶつかり合う音が聞こえた
「百花、、、見苦しいからやめろ」
「お兄様が見苦しくても良いって言ったじゃん!」
「それは命や名誉が掛かってる時だ」
「この女を潰すことはが私の名誉に賭けてるよ!」
「賭けるなそんなことで」
そして
チャキン
お互いに刀を鞘に戻した
「風香よくやった。想像以上に俺の妹をボコしてくれたおかげでこれから先が楽だ」
零は上機嫌にそう言って風香の切り落とされた右腕を断面に付けると
「百花。流石につけてやれ」
「嫌だ!」
「よし!母さんに付けてもらうとするか!いやー、母さん怒るだろうなー、自己中な理由で女の子の腕を切り落としたうえでそれを治さないなんて」
「、、、、、、逆月」
百花が嫌そうにそう呟くと
「あ、繋がった」
切り落とされたはずの腕がくっ付いた
「出血は治ってないから貧血に気を付けろよ」
「はい、、、ところで零様?」
「今日は様付けしなくていいよ」
「零さん、、、まさかだとは思いますけど、ここってご実家だったり、、、」
風香がまさかといった様子でそう聞くと
「ああ。ここが月詠家本家だよ。大蛇のババァにでも会いに行くか?」
零はそう返すのであった
「え?知らなかったの」
百花が引いた様子でそう言う
「、、、零さん。帰らせてください!!」
「断る!良いだろ別に結婚の挨拶じゃあるまいし」
零はそう笑うが
「溶岩に飛び降りるか太陽に飛び込むかの違いですよ」
風香はそう叫ぶのであった
「えっと?言葉遣いはひとまずガチガチにすればいいよね。後、挨拶は、、、というか手土産持ってきて無い!」
風香は大慌てしていた
「ねぇ?お兄様、、、普通にこんな子秘書にして大丈夫なの?」
百花がそう聞くと
「これからどうにかしてくんだよ。今回も挨拶と同時に世界のトップといきなり会うというイベントで今後会う人への耐性をつけようかなって企みがあるんだよ」
零はそう返した
「もう少しハードル下げてくれませんかね?!」
「はは!この後行く方がよっぽど怖いぞ。それこそ手土産はとか本気で聞いてくるかもな、、、行きたくねー」
「そっちには行かないという選択肢は?」
「師匠に拗ねたら何するかわからない、、、論外だ」
零は今日はした顔でそう言う
「さて、、、あの襖の奥に母さんが居る」
「っ!」
「アドバイスだが下手に取り繕う無い方がいい。バレるからな」
「は、はい!」
(月詠家の当主と会うなんて、、、考えたことすらなかったけど、これが現実なんだ。頑張れ風香!)
そうして風香は気合を入れるのであった
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