才能
「へー、中学生のお遊戯かと思えば結構すごいな。普通に腕とか切り落としてる、」
男はそう言いながらそう呟いた
「ふふ。貴方にそう言ってもらえてうれしいわ」
白は嬉しそうにそう返す
「ただ、、、この中の何割が穢れと立ち向かい死ぬかもという恐怖に打ち勝てるかだな。現に今も一太刀浴びせられたらそれで降参してる。腕落とされたぐらいなら痛みで動けなくなってしまっても良いが一太刀程度なら耐えなくちゃこの先厳しいぞ」
「そうね、、、でも、それをどうにかするのも私達の仕事よ。一応高等部の2年生進級時は相手の四肢一つを切り落とすことが勝利条件。3年生進級時は殺すことが勝利条件になるわ」
「なるほど、、、それならまだいいか。っと、次で最後の試合か」
男は模擬戦場を見つめる
「試合になれば良いけどね」
白も見つめる
「ではこれより最終戦を始める。両者前へ」
審判の掛け声とともに
「「はい!」」
風香と焔が舞台に入る
「何秒で終わるんだろ」
「というか初撃で終わったりして」
「でも、、、これであいつは焔様の側付きになるのか」
「なんであいつが!」
観客はそう口々に言うが
「朝も言ったけど今日は記念すべき日になるわ」
「ええ。私の高等部への進級が決まるからね」
当の本人たちは一切気にしていなかった
「では、、、開始!」
教員の号令がかかると同時に
「はっ!」
風香が焔に襲い掛かる
「ふふ」
バシッ
焔はそんな風香の一閃を素手で受け止めた
「っ!」
それに風香は驚愕するが
「想定通りだよ!」
それが想定通りといった様子で
「はっ!」
捕まれた刀を手放し刀しまう鞘で襲いかかった
バキン
「5回ぐらい刀無しの戦法を取ってきたことがあったわね。想定内よ」
焔もそれは想定内といった様子で軽々風香の刀で受け止める
「だよねー」
風香は距離を取る
(刀使えなくなるけど仕方がない。刀の打ち合いじゃ確実に負けるからね)
風香は状況を判断しながら鞘を構える
「せっかくだし今日はこのまま風香自身の刀で倒してあげる」
焔はそう言うと自身の刀を場外に投げ風香の刀を構える
「どんだけ正確に悪いのよ。自分の刀で負けるこっちの身にもなってよ、もう」
それに風香はそう文句を言う
「だったら刀渡しちゃダメでしょ、、、終わりよ」
ビュン!
焔は一瞬で風香との距離を縮めると
「はっ!」
ドン
「がぁ!」
刀の刃が無い方で腹を殴った
そして
「はぁ!!」
ドン ドン ドン
「が、、ぁ」
そのままの勢いで滅多打ちにした
「いくら元通りになるとはいえ切り捨てるのは心が痛い、、、弱くて助かった。ありがとう」
地面に転がる焔を見てそう呟く
「っ!!最悪の感謝ね」
そんな呟きに風香はそう返す
「諦めて、、、これ以上はもう無意味」
「それは、、、どうかな」
骨にひびが入っているだろう風香だがその闘志は消えることなく焔に襲い掛かる
だが
「遅い」
ドカン!!
渾身の一撃が横腹に突き刺さる
「ぁぁ、、、」
その一撃は完全に骨を折る一撃であった
「3割も出すことになるなんてね」
焔がそう言うと
「油断と、、かしないって、、、言って、、なかっ、た?」
風香は骨が折れてしゃべり難そうにそう返す
「あきらめなさい。私は唯一の親友をリンチにする気は無いのよ」
「だったらさっさと殺しなさいよ。それで終わりよ」
「、、、」
(できるわけないでしょ。生き返れても精神に死という概念は残る。つまり死の経験が残ってとんでもないトラウマが生まれることになる)
「そんなもの残させられるか!」
焔は刃の方を向けて風香に襲い掛かる
(こうなったらまだマシな腕を切り落としてそのまま激痛で意識を奪う。十分トラウマを生むだろうけどこれで終わらせるほうがこのまま滅多打ちで潰すよりも将来的に見たら良い!右腕でも切り落としてしましょう)
そう考えながら
「っ!」
そしてそれを風香は躱せない
スパン”
「っ!!」
風香の右腕が鮮血と共に飛ぶ
グサッ
「え?」
その数瞬後、焔の右目の視界が消えた
そして
「が、、、がぁぁぁぁぁぁ!!!」
焔は激痛に悶え叫ぶ
(痛い!痛い痛い痛い!!!!なにが?!!)
「そこだ!」
ドン!
そしてそんな隙だらけの焔に風香が鞘を打ち込んだ
激痛に思考を奪われていた焔の身体強化は弱まっており
「ぐっ!」
殴打として確かに通用した
「か、か、神威・煉獄!!」
風香にダメージを与えられたことに焦り業火を放った
そしてそれは
「焔ちゃんならそうするよね!」
風香の想定通りだった
ドカン!
風香は業火に当たる
「な、、、なにが、、、そうするよねよ!当たってるじゃないの、、、よ」
そしてどうにか本当にどうにか激痛に耐え前を見てそう言うそこには
「右腕の出血止めさせてもらったよ」
自信が苦しみまぎれに出した炎で切り落とされた右腕の傷を焼き大量出血を止めた風香の姿があった
「しょ、、正気の沙汰じゃない」
焔は風香の行動に絶句する
(最初から腕を落とされることで私の動けなくなるという思い込みを作りそのまま私の目を潰して、、、そのあと私が煉獄を使うことを予知してそれで腕の傷を焼くなんて)
「そも、そも、、、最初からおかしいでしょ?!腕切り落とされたら痛みで意識跳ぶことだって普通にあるのにそのまま正確に相手の右目潰してくるって!!」
得体のしれない恐怖から痛みを忘れてそう叫ぶ
「あんまり痛くなかったよ?」
そんな焔に風香はあっけらかんとそう言う
「は?」
(なんなの?!)
焔は恐怖に染まる
そして
「はっ!!!」
そのまま風香に切りかかっていく
ビュン
「弾き飛ばす」
それに対して風香は前で跳ぶ
そして
「なんてね!」
即座に左後ろに下がった
「遅いのよ!」
(見えなくなった右目側に避けるのは正しいけどその程度で!)
焔は即座に体を動かし風香に浄化刀を振り下ろす
スッ
「え?」
しかしそれはなんと躱された
「片目だと距離感狂うんだよ!はっ!」
ドン
「がぁ!」
渾身の振りを躱され隙だらけの焔に渾身の一撃を逆に焔の頭に叩きこむ
「わ、私がこんな追い込まれて、、、それも風香に?」
焔は信じられないといった様子でそう漏らす
「私だからよ!」
そんな焔にとどめを刺そうと鞘を構えて踏み込み全力の一撃を放つ
「っ!」
焔はそれを受け止めようとする
バキン
「ぇ?」
そして焔の握っていた風香の刀が鞘とぶつかった瞬間、刃が砕け散った
そして
ドカン
「がぁ!」
そのまま鞘は焔の顔にクリーンヒットした
「物質は急速に温度を高低させるとものすごくもろくなる。だからうどん屋のおじさんもそれに気を付けてるって言ってたのを思い出して自分の浄化刀を焼いて冷やしてをやったの」
(わ、私が刀を奪うことを読んで、、、嘘でしょ。住んでる次元が違いすぎる)
焔は風香の戦略のあまりの高さに愕然とする
「はっ!」
ドン ドン ドン
そして完全に焔の知を超えた風香はそのまま焔に打撃のラッシュを掛ける
「押し切る!!」
(もう手札は無い!ここからは気合でどうにか!)
焔の業火にも負けない炎を燃やし風香は沙耶を振り続ける
「焔花!」
ドカン!!
しかし焔もただではやられない 全身から勢いよく炎を出し強引に距離を取った
「ぐぅ!」
(距離を取られた!お願い、、、膝ぐらいついて!)
風香はそう願った
「神威・滅殺之業火」
ドカン!!!
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