試験
6日後
「テストの日かー」
零と出会ってから6日が経ちついに
(今日で全てが決まる)
風香は緊張した面持ちで靴を履く
「「頑張ってねお姉ちゃん!」」
弟妹が応援の言葉を掛けてくる
「ええ!行ってくるわ。お母さんをよろしくね」
そして風香は家を出るのであった
「さて」
学園までの道を歩きながら風香は考える
(どうやって焔ちゃんを倒すかだけどそれの基盤は考えた。でもその後どうする?多分1撃分の隙は作れるだろうけど、、、魔力強化してる焔ちゃんを貫通して有効打を与えられるか)
模擬戦闘では怪我したり死んでしても元通りなる神威が張られた模擬戦場で戦う そして模擬戦闘は相手を無力化すれば勝ちだ
「刀を弾き飛ばすだけじゃダメ、、、命を刈り取らないと私は勝てない。そうしないと無力化したことにならない。でもどうあがいても私が焔ちゃんの魔力強化を突破できるわけがない、、、どうすれば」
風香の問題は有効だがないことだ
(私は魔力の使用は本当に少し。できるって言えるレベルですらない、、、そんな私がどうやって焔ちゃんを倒せば)
風香は悩みに悩むが到底思いつかないでいた
「風香」
後ろから声が掛けられた
「あ、焔ちゃん。おはよう」
それは今丁度考えていた相手の焔であった
「今日は記念すべき日になるわね」
焔は一切の悪意無しの笑みでそう言った
「、、、悪意無しでそれ言われる方が辛いわね。でも確かに今日は記念すべき日になるわね。私の高等部への進級が決まるからね」
それに風香はそう返した
「わかってるでしょ。風香が模擬戦闘で戦う相手は私よ?勝てるわけないでしょ、、、癖、太刀筋、流派、力は風香よりも理解していよ。それに他の生徒にはあって私には無いものがある。わかる?」
「焔ちゃんにあって他の生徒が無いなら一杯思いつくけど、、、他の生徒にはあって私には無いものはわからない」
「油断よ」
「え?」
「私は風香のことを格下なんて思わない。一切の油断もしないし、最後の巫女人生だからって華も持たせない。速攻で終わらせる。完封して終わらせる。そしてその場で私の側付きになってもらうわよ。絶対にね」
「っ!」
焔の言葉にはとんでもない重さが籠っていた そして目はもはや狂気にすら染まっていた
「「、、、」」
そして2人は学園に着くまで一言もしゃべらなかった
教室
「それでは今日は高等部進級テストの日です。しかし進級することを目的に受けるのではなく上位クラスを目指して頑張ってください」
「「はい!」」
先生の言葉にみな元気よく返事する
「はは」
(私より成績下だったら学園辞めた方が良いわね)
「ではまずは筆記テストです」
先生はそう言うとテスト用紙を机の最前列に渡した
「、、、はい」
「ありがと」
前の席の子から心底嫌そうにテスト用紙が渡される
「それではテスト時間は60分です。開始」
そして先生の開始の合図とともに
(やってやる!)
風香の試練が始まった
(去年までの第一級危険指定団体を全て正式名称で答えろ?えっと二つだったわね。一つがアフリカが拠点の宗教団体みたいな組織、、、{ウェスタ}だ。そしてもう一つが多くが謎に包まれたテロ組織、、、{ZGH}だったわね)
日頃の勉強、特に6日間の猛勉強の成果もあり風香はすらすらと解いていく
50分後
(よし最終問題)
風香は残り10分を残し風香は最終問題に辿り着いた
・三原神問題について自分がどの御神のお考えに同意するかを明記したうえでその理由を示せ
(なるほど、、、酒吞童子様の自由統治か玉藻前様の支配統治か大蛇様の挑戦統治か、、、これは決まってるわね)
そして10分間風香は答えを書いた
「皆さんお疲れ様でした。では30分後に身体能力テストを行うので、、、このクラスは最初はグラウンドへ向かってください」
そう言って先生は教室の外へ出て行った
「なるほど。九州では最近そんな試みを」
スーツでかっちり決めた男はそう感心した様子で呟く
「ええ。これなら建造物への被害は少し増えるけど格段に巫女と民間人の安全がかクフ出来るの」
向かいに座るのは福岡巫女学園長及び九州巫女管理局長の防人白であった
「そういえば最近はどうなの?」
白がそう聞くと
「浄化刀研究の方は進んでいますよ。穢れ研究の方も、私の友人の医者と協力で医学転用の研究と友人の研究者と協力して色々と進んでいますよ。ただ前に頼まれた例の研究は難航しています。流石に壊れたものを治すことは厳しくて」
男はそう答えた
「そう、、、流石に厳しいわよね」
白はその答えに落ち込む
「魔力回路が壊れているならどうにかできるんですが、、、肉体と魂そのものが壊れているとなるとほぼ寝たきりで通常の寿命まで生きれるが現状ですね。せめて魂だけでも無事なら神様に願ってどうにかというのが方法があったのですが」
「そうね」
部屋に重苦しい雰囲気が漂う
コンコンコン
「「ん?」」
そんな空気を払うように扉からノック音が響いた
「失礼します。中等部3年の座学・肉体テストが終わりましたのでその後報告と結果を」
扉を開け入って来た教員はそう言って書類の束を机に置いた
「ありがとう、、、ところであの子の結果は?」
白がそう聞くと
「白様の予定通りです。このあと娘さんに瞬殺されて終わりでしょうね」
教員はそう答えた
「よかった。これでやっと名鏡とその家族を救える」
それに白は心からそう呟く
「ん?名鏡って、、、立花名鏡ですよね?」
男がそう聞くと
「ええ、、、私の親友になんか文句でもあるの?」
白は殺気をだしてそう聞くと
「いや、、、少しな」
男はそう呟いた
「ん?あ、せっかくだし結果見てみましょうか。えっと1組の21番だから、、、あった」
白は一枚の紙を取り出した
「えっと、やっぱり肉体テストはやばいわね。本当に何でなんでかしら?同世代どこか小学生と同等よ?」
「何かしらの障害を持っているんじゃ?」
「私もそれを疑って去年強制的に病院に連れて精密検査したわよ。白血球が少し多いだけだったわ」
教員の言葉に白はそう返した
「まー、筋肉と骨の疲労がヤバいってわかったけど。あの子無理な特訓してるみたいでね。焔も止めようとしたんだけど無理でね、、、だから今日でそれを辞めさせれるって喜んでいたわよ」
「、、、なるほど。面白いな」
焔の結果を見た男は笑みを浮かべた
「ん?どうしたの?」
「座学の最後の問題の解答が」
男は白に紙を見せる
「なになに、、、っ!これって、、、っ!!私のせいで、、、」
それを見た白は顔を大きくゆがめ泣きそうな声でそう言葉を漏らした
「あの事件のことは本人が選んだ道なんだからそんな悲しまなくても良いと思いますけどね、、、にしても本当にこの子の肉体テストの結果は異常だな。魔力関係も何だこれ?魔力不適合症かよ」
「私達もそれを一時は疑いましたが魔力不適合症は激痛なんていうレベルじゃ無いものが走りますからそれは無いかと」
かなりの年下である男に教員は丁寧にそう返す
「わかってますよ。通常は幼少期の時点で気が付くものですからね、、、一回こっちの医療施設で見てみます、白さん?」
「え?ええ、、、考えておくわ」
男の声でショックから立ち直った白はそう答えた
「というかそろそろ模擬戦闘ね。行きましょうか」
「そうですね」
「せっかくの機会なんだ。楽しみだな」
こうして3人は模擬戦場へ向かうのであった
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