神格

「神格繋がりで次は有名な巫女関連の家について説明しましょうか。

まず六神家ね。この6つの家は日本の各地方を守護しているわ。南から九州を守護している福岡の防人家。四国・中国地方を守護している島根の出雲家。近畿地方を守護している奈良の清水家。中部地方を守護している長野の諏訪家。関東地方を守護している東京の千代田家。東北・北海道地方を守護する山形の最上家ですね」

(幼馴染過ぎて時々忘れるけど焔ちゃんの家ってとんでもない名家なんだよねぇ、、、そりゃー、私なんかが仲良くしていたらみんな嫉妬するよねー)

改めて唯一の親友の家柄を確認してそんなことを考えるのであった

「あと日本生まれで知るべき有名な名家は4家ですね。まずは富士山に本拠を構える鳳凰家。鳳凰家は日本全体の災害を沈めている六神家に勝るとも劣らない名家ですね。世界中に似た役割を持つ名家は存在しますが鳳凰家はその中でも断トツでその力が高いです。そしてその力の強さから三原神問題の仲裁を行っています。三原神問題は少し難しいですが大雑把でも覚えておくだけでも学生の時はまだ大丈夫です。では、まず三原神様、、、酒呑童子しゅてんどうじ様、玉藻前たまものまえ様、大蛇おろち様の三姉妹の最上位の神様ですね。その力はどのお方もすさまじいものでお一人で世界を亡ぼすことが可能だともいわれています。そして三原神問題はお三方の統治に仕方への思想の違いによって発生した問題で酒吞童子様は自身と自身の配下である巫女の力によって統治し他の人間には自由に生きてもらう自由な統治を、玉藻前様は自身は支援するだけで統治を優秀な人材が愚鈍な人間を完全に支配する統治を、大蛇様は自身が最上位となりその下に競争を勝ち上がった人間が統治を行う全ての人間にチャンスを授ける挑戦の統治。それぞれ利点と欠点の存在する統治の仕方であるため人々の願う未来も分かれてしまいそれが理由で差別や争いになってしまうことを三原神問題と言います。そして三原神様はそれぞれイギリスに天照あまてらす家が祭る酒呑童子様が、アメリカに素戔嗚すさのお家が祭る玉藻前様、日本に月詠つくよみ家が祭る大蛇様が住んでいます。ただ日本が浄化ノ巫女の始まりなので少し大獄丸様の信仰が世界的に厚いですね。ただ勘違いしてはいけないのが三原神様達は仲が今はよろしくありませんが昔は三姉妹で神格の穢れを何匹と葬ったり封印したりしてますし現代でも天照家・素戔嗚家・月詠家の御三家は仲がとてもいいですからね。それだけは間違えてはいけませんよ」

(そもそも御三家に会うことが無いんだよね。当主様と話しただけでとんでもなく名誉なことなのに、、、ご子息なんかは狙われないためにほとんど表に出ないからなー)

「さてここまでで何か質問がある人は居ますか?」

こうして授業は進んで行くのであった



(はー、6日後のテストどうしよう)

授業を聞きながら風香はふとそう考える

(進級テストは座学と身体能力の2つのテストを行ってその後に残りの合格点分の点数を稼げる相手と模擬戦闘する。ただ私は座学はまだしも身体能力テストがかなり足を引っ張る。そうなると、、、戦うのは)

風香は学園長室の方向を見るのであった 

(勝ち目が存在しない、、、仮にあるとしたら1撃だけ。焔ちゃんの考えを大きく超える奇策で攻めるしかない!)

「でもどうすれば」

思わずそう呟くと同時に

「ではかなり早いですがこれで午前の授業を終わりにします。お疲れさま」

授業が終わった

「昼ごはんどうしようかな」

(いつもなら焔ちゃんと一緒に食べるけど今居ないし。私一人で校内で食べてると絡まれるし、、、)

「外で食べてきちゃうか」

風香はそう言うと教室を出ていくのであった



「何食べよう」

学園を出た風香は最寄りの駅前までやってきていた

(といっても持ち金少ないからなー。駅前のうどんでも食べるか)

そして駅前のうどん屋向かうことにした

(あそこのうどん屋、人が居ない北出口に出店してる上に安くて、、、なんで維持できてるんだろ?)

踏切を渡りながらふと考える

「もしかしたらそこに逆転の発想が?!」

そしてそんなことを考える付く

「まー、そんな簡単に思いつかないか」

そんな時だった

ガサッ

「っ!」

突如踏切を渡り終わって数メートル歩いたところで横の低木から物音が聞こえた

(野生動物?)

福岡巫女学園は都心部から離れたいわば半田舎の場所にあるのでごく稀に野生動物と出会う機会がある

「猪だったりしたらヤバい、、、何?」

風香は恐る恐る低木を調べる

「え?」

すると低木の中には

「男の人?」

高校生ぐらいのまだ大人になりかけの少年が居た

「ちょっと?!大丈夫ですか?!」

風香は少年に駆け寄る

「凄い汗、、、それに熱い」

少年は大量の汗と発熱をしており顔も真っ赤であった

「う、うう」

「大丈夫ですか、、、今救急車呼びますね」

風香はそう言って携帯を取り出す

だが

「だ、大丈夫だ」

少年は風香の手を握りそう言う

「だ、大丈夫って?!そんな汗と熱!」

「これは、、、運動しすぎただけだ」

「は?」

あまりに奇想天外なことに風香の目が点になる

「そ、それよりも、、、な、なにか食い物を、、、財布を落としてもう1日何も喰ってないんだ」

「、、、はい」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る