歴史

「おはよう。焔ちゃん」

「おはよう。風香」

教室で2人が挨拶をすると

「そういえば側付き話、叔母さんからも話された?」

焔は軽く笑みを浮かべてそう聞く

「、、、うん。丁度昨日聞かされて完璧な外堀の埋め方に唖然としたよ」

それに風香は呆れた様子でそう返す

そんな感じで話していると

「なんであんな落ちこぼれが焔様の側付きなんかに」

「絶対にありえない」

「そもそもなんで学園に入れたのよ」

「コネでしょ」

最上位と最底辺が話している様子に周囲のクラスメートが妬みの視線と共に罵詈雑言を言う

いや妬みからなら良い 本当にきついのは本心からの怒りからの発言である

「っ!」

それに風香はほんの少し顔を顰めさせるが特に気にしない

(いつものことだからね)

そう考え流す

だが

「ねぇ゛?」

ゾクッ

「「っ!」」

焔の方が許さなかった

「風香を側付きにするのはコネでも私の哀れみでもない。純粋に風香の側付きとしての才を評価して全幅の信頼を置けるから話を持ち掛けたのよ。外部の名にも知らない人間が口をはさむな」

殺気を放ってそう周囲に言った

「「っ!」」

妬みから罵詈雑言を吐いていた人間は全員息を飲み、口をふさぐ

「納得がいきません!」

「っ!」

だがただ怒りから口にしていた人間はそれでは止まらなかった

「そもそもこいつの母親はあの!」

「っ!」

風香の顔色が明らかに青くなる

「そうですよ!8年前の血のバレンタイン穢災はこいつの母親のせいであんな大被害が!」

「「そうだ!立花名鏡のせいで!」」

妬みから罵詈雑言を吐いていた人間も追随してそう騒ぎ立てる

「お母さんは

風香が自身の母親を侮辱されをしようと声を上げるが

ドカン!!!

「ぇ?」

「おい?死にたいのか?」

焔は一瞬のうちに抜いた浄化刀から業火を教室に放った

焔は嚇怒していた

「ちょっ!風香ちゃん?!」

流石にやりすぎだと焔を止めようと声を掛ける

しかし

「お前ら程度、数人だったら消しても何ら問題ないぞ」

焔の怒りはまさに名前の通り燃え盛っていた

「というか消すか」

焔はそう呟く

「「っ!」」

「っ!!」

その呟きにクラスメイトは殺気から来る恐怖で息を飲み

(この声色は本当にやる!)

風香は焔がガチでここで人を殺す気だということを幼馴染の付き合いから確信し息を飲んだ

「神威・煉ご

「っ!」

フゥ~

「ひゃ!」

「あ、危なかった」

「な、何するのよ!耳に息を吹きかけるなんて」

風香は咄嗟に焔の弱点である耳に息を吹きかけて惨劇を未然に防いだ

「それはこっちセリフだよ!ひ、人を殺そうとするなんて!」

「あれは人じゃないから大丈夫よ!!」

「はぁ?!」

あまりの発言に風香が絶句すると

「ってことで消す」

その隙に再び浄化刀を構える

「ちょ!」

風香の顔が再び青く染まる

だが

「焔!!!」

「あっ!」

「っ!お母さん?!」

焔の母親、防人白が現れた

「神威がだだ漏れしているのよ!!」

白はそう言いながら教室に入ると

「神威・白蛇束縛」

ガシッ

「あっ!」

右手を白蛇に変えそのまま焔の身体に巻き付かせ拘束した

「はなして!こいつら全員!」

「はー、学園長室に来てもらうわよ」

完全に頭に血が昇っている娘を見て白はそう言って強制的に焔を連れ去ろうとする

「あ、ところで」

しかしその前に何か思いついたように声を上げると

「風香ちゃんはこの学校に特別入学で入っているのよ、、、その子の裏にはとんでもない爆弾があるから気をつけなさい。血のバレンタイン以上の災厄を起こしたくないならね」

ゾクッ!

「「ひっ!」」

その言葉ともに娘以上の殺気を放った

「それじゃそろそろ先生来たみたいだし勉強頑張りなさいね」

そうして今度こそ教室から離れて行った

「、、、」

(私特別入学だったんだ。知らなかったー)

ふとそんな事を考える風香であった




数分後

「では今日は6日後の進級試験の為の座学の復習を始めます」

何事もなかったかなように授業が始まる

「「はい!」」

「まず穢れと浄化ノ巫女の歴史について。穢れが確認されたのは少なくても記録に残っている歴史の最古から確認されています。そして同時に浄化ノ巫女の前身も存在していたことが確認されています。また三原神様のお言葉では生物が生まれた時から穢れは存在していると。そして穢れは文字通りこの世界の穢れた物が集まって発生する悪しきものだと言われていますね。そして逆にそれを浄化する巫女は美しく正しいものです。だからこそ君達巫女の雛はその自覚をもって学園生活を送ってください、、、まー、これは入学の時に学園長が話していましたね」

穢れと浄化ノ巫女は表裏一体である

「次に浄化ノ巫女とはそもそも何なのか。まず知っての通り巫女は女性しかなれません。何故ならば巫女に必要な魔力は女性器、、、つまり子宮から発せられるからです。これは生命の誕生という神秘からだと言われています。そして巫女は魔力を用いて身体強化を行い穢れを祓います。そして特に優秀な巫女は神威という魔力を巧みに扱い炎や雷などを具現化する技を使うことが出来ます。焔さんの炎がそれですね」

(身体強化すらほぼ出来ないんよねー、私)

風香はそう心で呟く

(やっぱりメンタルの問題なのかな?白叔母さんが言うには血のバレンタイン穢災の記憶がすっぽり抜けているのが原因だろうって話だけど、、、どうにかならないかなー)

そして出来ない原因を思い出しすのであった

「次に穢れについて詳しく。穢れは一応通常の刀や兵器でもダメージを与えることは可能です。しかしとても装甲が固く有効打になりにくいで。そこで出てくるのが皆さんが持っている浄化刀ですね。浄化刀は浄化石という穢れを退ける力を持った不思議な鉱石です。そしてそれを材料に作った浄化刀は穢れの装甲への特効を持っているので攻撃が可能です。あくまで特効ですので上位となるとそれでも固いですがそこからは巫女の剣の腕でどうにかすることになりますね」

(筋力無し、運動神経ゴミの私がどうしろと?)

「今、上位の穢れという話をしたのでその流れで穢れの階級について説明しましょうか。穢れには上から神格、一級、二級、三級、四級、五級、六級、七級の8つの区分があります。

 七級は成人男性でも倒せるほどレベルです。

こいつは基本的に被害を生みませんが放置して級が上がったらまずいので早急に対処しましょう。

 六級はひとまず巫女なら倒せるレベルです。ですけど皆さんは高等部へ進級しても巫女見習いですからね。間違っても1人で倒そうなんてしないでくださいね。

 五級は学園卒業時に上から10位以内まで強さを持った巫女1人か数人の巫女で倒せるレベルです。

 四級は基本的に学園主席卒業者と同格です。ここから大規模な被害が出ていきます。

 三級はもう学生の領域じゃないですね。完全に巫女管理局の地方局が総出で浄化するレベルです。単独討伐なんてそれこそ学園長レベルの力が無くては不可能です。

 二級は2.3つの地方局の全力で倒さなくてはならない化け物です。。こうなると多数の死傷者を出し出現した周辺はもちろん少し離れた場所でも安心できません

 一級は、、、もう国家戦力で立ち向かわなければならない天災のような存在です。血のバレンタインでは福岡・島根・奈良の学園長つまり九州・中国四国・関西の地方局が総出でどうにか抑え込んで最後は本局の精鋭部隊によって討伐されたわ・

 そして神格、、、これについては先生も知らないのよね。ただ出雲家の出雲大身神様や諏訪家の諏訪美琴様や鳳凰家の鳳凰様みたいな神様と同格の力を持つ穢れだとは言われていますね

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