第11話 ゴブリン無双
静かに旅に出た世間体では勇者パーティーである私たち……。
それから、数日経ったわけであるが、
私たちはしっかり迷った。
そして、迷って、迷って、私たちは……。
何故か、ゴブリンに囲まれていた。
「これ、ピンチだよね……。リリーナ」
「分かりきったことでしょう?」
「大丈夫です、一旦、聖障壁張ってますから!」
しかし、アーシャも冷や汗を掻いていて、余裕はなさそうである。やはり、この大量のゴブリンをおさえるのは厳しいのだろう。この大量の……。約一万ものゴブリンに集団相手ではやはり、厳しい。
それに、よくよく、考えてみれば、私たち、弱小パーティーでした。
多分、一番強いのアーシャだ。この障壁、めっちゃ固い。
「リリーナさん、攻撃魔法って使えます?」
「あ、うん、少しくらいなら」
「では、私、支援できますので、攻撃お願いしていいですか?」
「うん。合点」
私は自分の杖を構えた。
あの時、失敗に失敗を重ね、鍛えた。あの爆発魔法だ。
「ユウトさんは近接攻撃で行けますか?」
「うん、やってみる……」
彼はそう言っているが、その剣を持っている手は震えていた。
「大丈夫?」
「うん……。大丈夫……」
「声震えてたら、説得力ねーよ」
彼はもう一回深呼吸をして……。
「大丈夫、やって見せる」
そう断言した。
*****
「じゃあ、支援かけます!!」
アーシャはその
「なんだこれ?!エナドリみたいだ!」
「エナドリがなんだか分からないけど、すごい!!」
私はその増幅された力を存分に使って、思い切りの爆発魔法をかけた。
その爆発音は大地を揺らし、その衝撃波は障壁がなければ我々の安否すら怪しかった。
「私、こんな魔法放ったことない」
衝撃波を感じ、私は衝撃を感じていた。
「ユウトさん!突っ込んでください!!」
「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
彼は叫びながら、ゴブリンの集団の中に飛び出していった。
「アーシャ、次の支援魔法、頂戴!」
「え、しかし、あの中にはユウトさんが……」
「大丈夫、外すし……。それに、彼の防御力なら、私の爆発魔法程度なら、多分、耐えられる!」
それに、さっきの爆発魔法で結構倒したといっても、二百程度だ。さすがにもうちょい放っとかないと厳しい。
「いや……。私にも魔力の限界というものが……」
「あと、この障壁、どのくらい耐えられる?」
「百時間くらい?」
「私にもうちょっと支援魔法を使ったら?」
「三十分くらい?」
「そこまで減る?」
「全力の支援を与えると仮定するとするとですが」
私は決断した。
「それ、くれ!」
「分かった!」
彼女は素直にその要望に応えてくれた。
アーシャの支援が来た瞬間、私の魔力はまた、先ほどの十倍ほどの増幅。
「………………。最初からこれやってくれればよかったのに」
「文字稼ぎ?らしいですよ」
いちいち、メタい。
とりあえず、私は再度、杖を構えた。
「いきますよ!」
そして、私は全身全霊の爆発魔法を放った。
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