第10話 外出禁止令撤廃のお知らせ
次の日、俺は食堂で朝食をとっている。
レイナさんに起こされて、朝食をとって、その後布団に潜って狩りを続ける日々。日常になりつつあるコレら一連の行動は、見事に俺を運動不足へと陥れている。
子供の仕事はよく遊んで、よく食べて、よく寝る事と言うが、俺の場合この内の『よく遊ぶ』と『よく寝る』の二項目が全くと言っていいほどできていない。
『よく遊ぶ』に関しては、そもそも遊ぶ様な友達が居ない。いや、アレンという友達はいるのだが、アイツは人気者なので、大抵は他の奴と一緒にいる。アレンは優しいので周りの人からの誘いを断れないのだろう。
『よく寝る』に関しても、夜は俺の唯一の自由時間なので寝る間を惜しんでレベル上げに費やしている。そのおかげもあってかレベルはどんどん上がっている。
ちなみに、コレが今の俺のステータスだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
《レヴィ•マドラ》 Lv.3→57
年齢:7
職業:傀儡師
スキル:人形作成 魔力弾
HP :46/46→586
MP :15681/15681→63001
称号:前世の記憶を持つ者
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
見ての通り、めちゃくちゃステータス値が上昇した。
レベルもついに50台にのり、MPなんて『もう尽きる事ないんじゃね?』って位には増えている。因みに、外出禁止令が発令されてからの3日間で俺は、約200体の魔物を狩った。そのうちの殆どはゴブリンだが、中にはオークや見たことの無い魔物やらチラホラともいたのを覚えている。
そして、遂に今日が待ちに待った外出禁止令撤廃日なのである。そう、つまり!濳の改造が出来ると言うことだ!
「―――騎士団の方々いわく、もうお外は安全らしいから、今日からお外で遊ぶことを許可するね。お怪我をしない様にしてみんなで遊んできなさい。」
「「「「はーい」」」」
「うおっしゃぁぁぁ‼︎‼︎」
神父様の言葉に雄叫びを上げる俺。隣のキリが、ビクッと飛び上がっていたが今の俺に彼女に構っている時間はない。
ヤバい奴?異常者?なんとでも呼ぶがいい!その罵倒の声すら今の俺には届かない!
「はっはっはァ‼︎」
またもやキリが体を震わして、頭のおかしい奴を見る様な目で俺を睨むが、既に外への出入り口に向かって走り出していた俺は気づかないのだった。
さあさあ、3日ぶりに森林にやって参りました。
ここに来たのは勿論、濳の改造をするためだ。
前回の狩りの途中で判明した、魔力弾の出力を上げた際に反動で人形が後退してしまう、という欠点を無くしたいのだ。
それでは早速作業に入っていこう。
現在時刻午後3時。ついに改造版濳が完成した。
俺の目の前にあるのは、体表に黒い毛を生やし少しゴツい見た目へと変貌した濳てある。
黒い毛が体表に生えているのは、前回狩りの途中に冒険者と鉢合わせたことがあったからだ。前回の金髪の男は、運良く(?)濳を本当のネズミだと見間違えてくれた訳だが、流石に体毛のない生物は不自然だと思ったので、体から毛を生やす仕組みをつくってみたのだ。
やり方は簡単で、俺と濳を繋ぐ魔力回路を通じて濳に流れる魔力を物質化して体表から糸のように生やしただけだ。その最中、《魔力物質化》というスキルを獲得したのは嬉しい誤算だ。
で、見た目の問題だが、何故濳が一回り大きくなっているのかと言うと、重量を増やしたのと、新たに
まあ、その分操作に必要になる魔力量は桁違いに増えたのだが、同時に俺もレベルアップしているので魔力に関しては問題ない。
そして爪を作った理由についてだが、コレは出し入れ可能で、戦闘中に爪を出す事で移動の高速化が期待できるのだ。また。地面に爪が引っかかる事で魔力弾の反動にも対応出来ると俺は踏んでいる。
ボイス機能は付けられなかった。というか、仕組みが思いつかなかった。ただ、諦めたわけではないのでいつかは搭載しようと思っている。乞うご期待。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
人形No.1 【濳】
タイプ:鼠
MP含有量:1200
製作者:レヴィ•マドラ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「「「「ゲゲギョ゛ャァァあ゛ぁ‼︎‼︎」」」」
これからするのはゴブリンに対する試し打ちだ。どの程度の出力の魔力弾なら人形に支障が出ないのか、調べる。どうせなら魔石もゲット出来るし、一石二鳥だ。
まずは、MP20をこめる。改造前の濳では後退してしまっていた魔力量だ。
―――バシュンッ!
「後退は………してないな!」
次、MP30。
―――キィン……バシュンッ‼︎
まだ、後退はする様子はない。
ちなみにゴブリンの上半身が吹き飛んだ。
さて、未知の領域MP40だ。
―――キィィィン……バシュンッ‼︎‼︎
「ちょっと後退したか……?」
ちなみに、命中したゴブリンは跡形もなく消し飛んでいる。
最後にMP50。
―――ギュオォォン…
「おおー、すごい音してるぞ。」
―――……バッシュンッ‼︎‼︎
人形が後ろに吹き飛んだ。なかなかのスピードで後退したが、濳はそれくらいで壊れるほど柔に作っていないので、特に心配する必要はない。
「いいね。MP30分の威力の魔力弾が撃てたら今の所大丈夫だろ。オークもMP20で倒せたしな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます