第3話



「私は小学3年生の時にテストをした。それは王女として素質を試すテストだった。


内容はマナーや学力、運動能力・・・私は全て全然ダメで、王女になれなかった。


そして、親は私を見限って妹を大切に育てることを決めた。


結果、妹はテストに合格して、私は家から追い出された。」


「・・・酷い」


今でも、覚えて居る。春を見つけたあの時の出来事。今にも死にそうで体が痩せ細くなっていた春の姿


「その時どうやら、セバスチャンとかみんなは追い出されたことを知らなくて、何人かは勘づいて私を探してくれたんだけど、もう既に見つからなかったみたい」


「そうだったんだ」


「うん、私は怖くて誰も助けてくれなくて、このまま餓死するのかと思った。けど・・・けどねぇ、お兄ちゃんが見つけてくれた」


春が俺の手を掴む。泣きそうに震えて

「・・・春」


「だから、お兄ちゃん、本当にあの時は助けてくれてありがとう」


「いいよ。」


「あとずっと、嘘ついててごめんなさい」


「嘘は仕方ないよ。理由が理由だし」

つか、それより


「・・・ありがとう」


「・・・ねぇ春」


「何??」


「もしかしてずっと俺を嫌ってはように見せてたのってこうなる時に離れるダメだったのか?」


「・・・っ、」

春は驚いた顔をする。懐かしい図星を突かれた顔


「・・・そうだよ」


「そっか、そうだったのか・・・」


なんか、すっごく安心した。春がお姫様だった衝撃より、春が嫌ってないって知れてそっちの嬉しさ方が何倍も強い。


「・・・だからねぇ、お兄ちゃんが虐められてるのに、わたし何も出来なくて・・・本当にごめんなさい」


「いいよ。それはもう。本当に理由が理由だしさ」


「でも、私は助けてもらったのに恩を仇で」


春を抱きしめる。「おに・・「いいって。」」


「・・・うん」


「それより、大事なのはこれからだよ。これからどうなるんだ?俺と春は離れ離れになるのか」


「大丈夫だよ。そこは私がなんとかするし・・・それにね」


時を見たように


「あの時の!!」

家に入ってきた黒服の人達がやって来る。








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