第44話

俺はこの前日の、この学校の校門で起きた。

あの喧嘩の際にも。

校舎内13人を相手に、トイレへ引き込んで起こした。

あの戦の際にも。

そして2日目の、この交渉の際も何故か…???

凄振る気分が良かった。

前日俺が1人、自分の部屋で予測をした事が。

もう悉くまるで、予言したかの様に。

的中をしているからだ。


先ずこの学校へは、1クラスへ付き約10人。

それが5クラスとして50人、それで1年生のみ。

更に2年3年生へ同じ数の不良、この連中の先輩達。

つまりは仲間達が居るのだとすれば。

総勢で150人近く、或いはそれ以上もの敵を。

俺は相手にして、今戦って居るんだと言う事。

まあ実際には、この工業高校へは。

大して2年生も3年生も、居なかったのだが。

皆退学へ成るか、或いは自ら学校を中退して。

止めて社会へ出たかの、その何れかだった。


まあそこ迄は当時の俺も、全く予測出来なかった。

まさかこの1年生の250人近く、その生徒達の3分の2迄もが。

それも1年生の夏休み、つまりは1学期が終了をする迄のその間に。

全て退学と成るとは、努々想わなかったと言う訳だ。


まあその話は良いや、それ因りも前日に俺が予測した。

今のこの場での、その状況の話だ。

更にこの2人が、何等かの交渉内容を持って。

必ず俺の元へと来る事。

そして入学式当日、俺を袋叩きにし様とした。

あの連中の中へと紛れて居た、あの図体のデカイ怪力。

あの豪腕の怪物男が。

どんな流れに成ったとはしても、最終的は俺に。

そして再び、この喧嘩へも。

絡んで来る筈だと言う事をだ。


そしてこの前日、俺が見抜いて居た。

この連中の仲間達。

所謂その観た目の、その姿で。

識別とその判断の出来る。

この学校へ居る不良達以外にも、この連中の仲間達が。

決して表立っては、出て来る事は無くとも。

それが例え、一見には。

何の変哲も無い、一高校生。

単なる真面目っ子では、在ったとはしても。

ソイツ等も当然、この○○連合の。

その不良達の。

小・中学校からの、その幼馴染みで在り。

決して俺の味方へは、成る事は先ず。

在り得ないのだと言う、その事をだ。


其所迄見抜いて居れば俺が今、この場で今も起きている。

不可思議な迄のその事実を。

その全てを俺が、把握しているのだと言うその事は。

もう当然の話でも、在る訳だからだ。


俺と此処へ来たこの2人との、その交渉の遣り取りと。

その行方を同じクラスの全員が、耳を攲てて今も。

聞いている事。

有事ではなく平常時と言う、そんな呼び名で行われている。

その戦時下で。

俺のこの目の前で実行をされている、戦いのその全貌が。

この時不思議な事に俺には、その全てが。

シッカリと把握出来て居たのだ。


そりゃ気持ち良いに決まってるわ、此処で起きる事のその全てが。

全部見えてた訳だ。

戦況と状況と、この戦いの流れを。

その成り行きと行き着く先と、その先の全て迄をも。

ほぼ全て俺は何故か…???

それも正確に、把握して居たのだからだ。


俺が自分を直感型の上級兵士へと成れる筈だと、いやそうでは無く。

自らのその前世で、過去に直感型の上級兵士で在った筈だと。

そう想ったのは。

この時この場でのこの戦いが、在ったからこそで在る。

俺が40代の半ばから、嵌まって観始めた。

日本の【キングダム】って漫画で、この漫画の主人公の【李 信】が。

自らの戦の、その師匠と成った。

【王騎将軍】の、その背後へと着いて。

戦場を馬で駆け抜けると言った、そんなシーンが在る。

この時の大将軍で在った【王騎】は、主人公の【信】へ。

こう語り掛ける。


(王騎)「信…大将軍は此処へ居る他の者達とは…その視ている景色が…全く違うんです…さあその眼を大きく開いて…今自分のその眼に…見えている景色と…大将軍の私が視ているその景色とを…この場でシッカリと…焼き付けて措きなさいっ…」と。

確かそんな様な内容の事が、描かれてた筈だ。

 

そう、【大将軍】は其所へ居る他の者達とは。

観ているその景色が、全く違う。

違うんだっ、俺もそう想う。

この前日に俺がトイレの中で使った、あの兵法戦術。

「孫子の兵法」で在る【囲地】も、「武田信玄」の言ったその名言も。

俺はそんな戦略や戦術が在るのだと言う事さえをも、当時この時未だ。

全く知らなかった。


「武田信玄」が戦に憑いて、何かを語って居た事位は勿論。

既に知っては居たのだが。

「勝敗は…5分を持って上とする…」、この名言と。 その内訳を、俺が始めて知ったのは。

20代の序盤に【創価学会】の、「聖教新聞」を読んでいた。

その頃の事で在り。

それが当時の俺に執っての、始めての事なので在る。


「孫子の兵法」に到っては、孫子の【孫】の字すらをも。

そしてその存在すらをも、全く知らずに。

俺がこの【孫子】の、その存在を始めて知ったのは。

30代の終わり頃の事の、その話だ。

そして更に、誰にもそれ等を。

教わった事等は無かった。

コレはもう実に、実に不可思議な事でも在る訳だ。

「孫子の兵法」は中国4000年の、その長く途方も無い。

その歴史の中で。

紀元前からの時間、その数1000年と言う長い年月。

月日とその時間を掛けて。

数え切れない程のアラユル戦の、その戦いの中でこそ。

戦争哲学者達がそれを、試行錯誤し吟味し。

切磋琢磨して、磨き抜かれ。

漸く出来上がった、その兵法戦術で在る筈だ。


現在でも1部の大学の、その専行教授達が。

僅かな生徒達へと教える、高度な学術でも在る。

俺の14歳からの知り合いへ、○美さんと言う。

まだ現在のクラブが、ディスコとそう呼ばれていた。

そんな時代からの、【DJ】が1人居る。


この○美さん、又かなりの変わり者で。

更に実に不可思議な、そんな男でも在る。

彼の父親が、役者の為に何のか…???

彼は様々な、その音源を手に入れ。

入手したそれ等の、「特殊音響技術」を用いて。

【DJ】をするのだが。

自分の掛けるその音で、人の気分迄をも。

上げ下げさせてしまうのだ。

まあ単純にそれを考えて見れば、【DJ】と言うのは。

人の気分を音楽に因って、高揚させる。

特殊なその技術を手にした、者達の呼称で在り。

そんな曲センスへの、技術を持った者違で在る事には。 

もう間違いはなく。

コレはもう当然の、その話でも在るが。


つまり一般的な、殆んどの【DJ】達は。

それを使う事が、全く無くともだっ。

人の気分を、引き下げる事も又。

努力をすれば当然、可能なので在る。

一端その気分を落として、再び又引き上げる。

音楽で言う処の、ダイナミック・レンジへも通ずるが。

この○美さん、在る時俺に。

突然こう言ったのだ。


(○美)「龍神君って…金属と金属がぶつかり合う大きな音の…金属音を聞くと何故か…???段々と自分の身体を…強張らせて行くよねっ…???」。


まあ当然皆、そうなんだがなっ。

端からそれを知ってるのか知らねえかってのは、又随分と。

違う話な訳だ。


(俺)「そう良く解ったねっ…確かに俺は今…些か緊張をしてる…コレって何だか…???不思議だよねっ…???」。 


(○美)「龍神くんは多分昔…前世や過去世できっと…戦国武将だったんじゃないのっ…???そうじゃなきゃ逆に…もうどう考えても不思議だよねっ…絶対に戦国武将だったんだよねっ…もう間違いないよっ…」。


突然彼は俺に、そう言ったのだ。

それは俺が既に40代の、その中盤頃の事。

その話で在る。

そしてつい最近に成って、俺自身が漸く気付いた。

その事なんだが。

自分自身のその前世へ憑いての、その事をだ。

つまりこの時それを、「兵法戦術」と言う。

その存在さえをも未だ。

しかもこの当時、たった15歳の少年が。

誰にも教えられては居ない、その「孫子の兵法」を。

しかもそれを更に、自分自身で展開をし。

応用をして遂行した。


俺があの時、あの際に使ったあの戦術とは。

「孫子の兵法」オリジナルの、【囲地】ではない。

【逆囲地】と言う、特殊戦術だった訳だ。

俺個人があの際に、それも即興で。

つまりはアドリブで作り込んだ、俺のオリジナル。

その戦術だったので在る。

「孫子の兵法」の、その【孫】の字の文字すらをも。

未だ全く知らない、そんな15歳の少年が…???

その中国数千年の兵法戦術を、活かして応用し。

それを更に、自分自身その独自の感覚で。

使用をして使った、使い切った。


大人数を相手にする、そんな戦を。

しかもたった1人で単身、遣って退けた。

前日に予測した通り、敵対する組織の。

その動きと。

今現在のその状況と、そして戦況を見極めながらも。 

その後に起こされるで在ろう、その総勢が。

一体何人居るのかさえをも判らない、そんな組織との戦いを。

その戦いの動向と、その行方を。

そしてその流れ迄をも、全て一切読みながら。

周囲の動きと共に、その影に潜んだ。

諜報活動迄をも、皆ほぼ全て。

俺は見破って居た。


あの時、【大将軍】だけにしか。

視える筈の無いその景色が。

あの時の俺は既に、それが視て居たのだ。

そりゃ~当然、気分も良い訳だ。

そしてこの時何故か…???

俺はそれももう絶対に、全く負ける気がしなかった。

俺の声はもう、破壊的な迄にデカイ。

地元の祭りで「神輿」を担いだその際に、大声を出すと。

翌日は自分の脳味噌が崩れたのか…???

もう半端では無い偏頭痛に、悩まされる程にだ。


声が破格な迄にデカク、中国式の武具をそれもまるで。

「李 小龍」、【ブルース・リー】の如く巧みな迄に。

難なく使い熟し。

敵と自らの戦況と、その諜報活動迄をも。

その一切を全て、予測して見極めた。

実際の最前線と言った、戦場と言うその場所で。

一度も習った事のない、中国屈指の兵法戦術迄をも。

しかも独自に、応用をして使い熟す。


未だ全く無知識な、その15歳の少年は。

40代に成ると。

鉄と鉄とが、勢い良くぶつかり合ったその際に響く。

その金属音を聞いて、自分の身体を強張らし。

年齢を重ねると、政界や平常時へも行われている。

戦争戦術。

そんな学術と学問の必要性へも、自分自身の経験で気付き。

目覚め始めた。


俺の前世はきっと、恐らくは中国の。

「大将軍」で在った事に、もう間違いは無い。

俺は40代の、その中頃からだろうか…???

電車やバスの中で、1歳児前の。

眼の見える様に成ったばかりの、赤ん坊達へ逢うと。

その子供達が皆、俺の眼を。

もう喰い入る様に視るのだ。

その様子を見て、赤ん坊を抱いている。

大概の母親達が、もうほぼ殆んどその全て。

ケラケラと笑い出す程なのだ。


(母親)「済みません…何か視ちゃってて…どうしたんだろう…???」。


(俺)「あっ良いんですよ…何処でもそうなんですから…皆この位の…1歳児に成るか成らないか位の…子供達へ逢うと…皆俺の顔や眼を…もう喰い入る様に視るんです…だから何時もお母さん達が…笑ってるんですから…」。


(笑)

 

(母親)「でも何ででしょうねっ…???本当にもう…もうず~っと視てる…」。


(笑)


(俺)「もう毎回なんで…流石に俺も何でだろうかって…自分ではそれももう…もう何度も考えたんですけどもねっ…多分前世で…何等かの縁をした様で…そろそろ俺が又…又何か…とんでもない事をしでかすんじゃないのかと…???どうやら見張ってる見たいなっ…そんな気がするんです…じゃないと他に納得の出来る…その内容を持った…その説明は無く…つまりはその説明が…着かないんで…」。


(爆笑)


この赤ん坊達が皆全て、全く俺を怖がらない事からも。

恐らくは前世で、俺の部下で在った者達へ。

もう間違いはないだろう。

皆そろそろ俺が、又何か…???

とてつもない事を、また遣り遂げるのではと。

ドンドン集まって来て居る様なのだ。

まあ例え俺が、その時既に居なくとも。

時代が大きく揺れ動く、そんな時には。

こんな説明の着かない、不可思議な迄の現象や出来事が。

もうそれも一機に、押し寄せて来る筈のモノだ。


著者・龍神 武明

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