第30話

第17部 戦況の見極めと 勝敗の行方 15歳 未だ高校1年生で 13対1 真っ向勝負 まるで【ブルース・リー】??? トイレで究極の喧嘩その②


2つ目、送り踏み足。

大声に反応し、驚いて居る処へ。

相手の足元へと進められた、俺のその足は。

その相手に更なる、驚きを呼び起こす。

増してや俺の送り出したその足の踵が、自分の爪先や足の甲を。

勢い良く踏み付けた場合。

痛みと共に大概の者達は、後退をし。

後ろへと下がるか…???

或いは反射的に、前に屈み込んで。

痛んだ自分のその足を掌で、コレも又反射的に。

踏まれたその足を、押さえ様とするモノなので在る。

↑コレで2つ目。


3つ目。

この場面で俺の正面へと居た、その相手は。

その場で屈み込んで、自分の脚を掌で。

押さえ様とした。

しかしその儘更に、踵へ向かって滑り込まされて来た。

俺のその脚の踵へ、自分の踵を取られて。

バランスを崩し、俺に身体を預けて来た。

↑此所で3つ目の技。


4つ目。

踏まれた足の痛みから、無防備と成ったその体勢と。

意識を奪われた自分の足とは、全く真逆の頭部へ。

想わぬその方角からの頭突き技を、俺の「チョーパン」を喰らった。

↑此処で4つ目。


5つ目。

更に俺は其所で、全く手を休める事も無く。

肩を使った【ショルダー・タックル】で。

ヤツを右側へと在った、狭い大便室へと。

ソイツを押し込んでいる。

↑此処で5つ目。


6つ目。

更に衝立ての右側へと居た、目障りなヤツの肩を掴み。

連中の仲間達の、その足元へと向かい。

振り回しぶん投げた。

↑それで6つ。


最後の7つ目。

身体半身の力、その反転の勢いを使った技で。

ぶん投げたソイツが、バランスを崩した処へ。

ソイツの穴を更に、【前蹴り】で押し込んでいる。

勿論、観客状態と成っている。

その残りの連中へ向かってだ。


一瞬足りとも手を休める事は無く、次々に繰り出したその連続技へ。

息を飲み。

その場へ居た俺以外、全ての連中達の。

その動きが止まった。

つまりは戦闘意欲を、失ったって訳だ。

勝機を見出だした俺は、この後一機に。

此所での決着。

蹴りを着ける、その腹を決めた。


声を出す、眼を合わせて睨む等の。

所謂直接に打撃を与えない、単なる各々の表現も。

意識を高めたその状態で、相手へと向けて。

それを浴びせ掛けた場合。

それだけでももう充分な程に、その各々が。

戦闘技術。

つまりは戦いのその場面に措いて、充分な技と成り得る訳だ。

コレで8つ目。


こうした事は中々、それがプロ格闘家達でも教わらない。

まあ最も大声は、試合中には使えないモノだが。

どちらかと言えば古武術や、昔の剣士等と。

そしてその現在も過去にも、軍人達。

現代社会では、その洋の東西を問わず。

兵隊や兵士で在るのならば、当然の様に教わるモノの事だろう。

つまりはそれが、時に生死迄をも掛けた戦争。

戦場の技で在り、その戦場の場でこそ使われる。

技術でも在る訳だ。


(俺)「ウッシッ…行くぜえ~っ…」。

全身の力を振り絞り、一端身体を固めて。

集まったその全身の力を、俺は一機に抜いた。

戦いは決して、力んで居ては勝てない。

寧ろリラックスをし、先ずは力を抜く事だ。


その脱力状態の中で、相手に向かって。

飛び出そうとしたその俺に。

トイレの外から騒ぎ立てる、この学校の同級生…???

まあ同級生だろう、まだ顔も見てねえが。

同級生って事に、成るヤツだろう…???

○○連合の連中達の、見張り達のその声が。

俺の耳へも響いた。


(不良H)「おいっ…先公だっ…先公が来たぞっ…」。


(不良A)「ちい~っ…しゃ~ねえなっ…運の良い野郎だ…」。


(俺)「そりゃ此方の台詞だっ…」。


(不良B)「おうっ…早く行こうぜっ…」。


白け鳥のその鳴く声が、この戦場へと響く中。

喧嘩は一端中断。

それが良かったんだか…???

悪かったんだか…???

世の中へはこんな、これも運命なのか…???

想わぬ肩透かしを食らう、そんな場面も。

まあ時には在るには在る、在るモノだ。

あっ、白け鳥ってのは昔のコントで。

白けたその場へは、そう言う鳥が。

飛んでいるって意味だ。(笑)


しかしそれにしても、後少しで勝ち名乗り。

軍配も上がりそうな、その一歩手前での。

戦の中断と終了。

まあ始めから、それも覚悟はして居たが。

何かもうそれが、無茶苦茶中途半端な感じは。

否めねえよなっ。(笑)

まあ俺の人生ってのが、そもそもがこんな感じの。

その一番良い場面や瞬間に、中断をされてしまう…???

何だか常に、煮え切らねえって。

んなモノなんだが。(笑)


(俺)「はあ~んっ…ちい~って…おいお前…???それも此方の台詞だ…お前等負けそうだった癖によぉ…よく言うわなっ…しかも今この場での全戦…ほぼ俺のその…圧勝だったじゃねえかよっ…」。


この日この後の学校では一応、それも厳かに。

当然の入学式が、行われた筈だが。

厳かだったのかそうで無かったのか…???

まあ一応入学式ってのは、それも厳かに。

行うモンだ。

ってか実際には、こんな俺に執って見てもだ。

余りにも衝撃的な出来事が、それももう一機に。

押し寄せて来たので。

実は正直、「入学式」が在ったのかどうかさえをも。

俺は全く、覚えてない程だ。(笑)


この前後に確か、「入学式」の集合写真も。

この学校の校庭へ、1年生の全員が。

つまりは総勢150人程の、その全てが。

集合をさせられ。

その内の40人程が、クラス毎に並んで。

写真撮影をした筈なのだが。

その際の様子も、余り俺の記憶へは無い。

只「入学式」の、その集合写真が。

残されて在るだけだ。


写真を見るとまあ~、それも正に。

もうその儘に。

どう見ても暴走族の集会としか、想えない程の。

その光景だ。

そう丁度俺達は、昭和39年組の。

その世代は…???

んん…???

もしかすると昭和40年からだったかなっ…???

まあ俺の場合早生まれで、昭和40年だから。

どちらにせよ、それで良いのだろう。

そう世間が巷で言われる、流行り言葉を。

新聞やテレビのニュースで、メディアを使って騒ぎ始めた。

そんな時代のその始まりに。

「新人類」とそう呼ばれた、衝撃的な。

そのジェネレーション世代だった訳だ。


噂を聞き付けたのか…???

直ぐに教室へすっ飛んで来先公が、再び俺を。

職員室へと呼び出した。

呼び出されたその職員室での対談も、先公7~8人へと対し。

生徒は只俺1人。

俺に朝から起きた、この事件の一部始終。

その事情を、散々尋ねて来る。

まあ校門での乱闘へ関してだ、トイレの13対1の喧嘩は。

バレては居なかった。


職員室の奥では、あの馬鹿の【斎藤】が。

先公に詰められて起こられてる、その様子が聞こえる。

「済みませんでした…済みませんでした…」と、その謝る声がだ。

ってかその先公に謝ってどうすんだ…???

俺に謝れ、馬鹿~っ。


散々、その場での平謝りを続けた【齋藤】は。

直ぐに帰されたが。

致し方もなく、硬直状態と成った。

事情聴取のその後で。

俺ともう1人、職員室へと残ったその先公は。

俺に夕方迄は、此処へ居ろと。

そう無茶な話を振って来た。

話が終わるとその先公は、俺を1人。

外から、つまりは廊下側からは死角と成る。

職員室の奥へと隠し、その場を出て行った。


(俺)「何で俺が此処へ…???夕方迄居なきゃ成らないの…???」と。

そう質問返したその俺に。


(先公A)「帰りに又喧嘩でもされて…問題を起こらせれると…又警察に呼ばれたり…親御さんへ挨拶に出向いたりと…色々と大変だから…今は入学式のシーズンで…先生も忙しいんだ…」と。

自分の事情を話して来た。


どんなに些細な要求や依頼でも、その理由を根掘り葉掘り。

聞き返す俺を、まあ在る程度は認めた様だ。

こうしたコミュニケーションの遣り取りが、積み重なり。

実は人は本当の、【信頼関係】や。

【絆】ってヤツを、少しずつ作り上げて行くモンなんだろう…???


まあ当然未だこの頃、思春期の俺には。

この際の出来事へ、そこ迄の要素が潜んでいるとは。

解らなかった。

そして逆に、極めて鋭いその直感力や。

洞察力が。

更に思考能力や、判断力へと優れた俺には。

この周囲、決してこの喧嘩のその内訳を。

理解の出来ない大人達の、その思い遣り迄もが。

自棄に目障りに、そして鬱陶しくも。

想えて居た程だ。

その事がその後の俺の人生で、又真逆に反転をして翻り。

再び俺を苦しめる、その多大な迄の要因。

要素と成る事も。


この高校の全生徒達が、校門を出て。

電車へと乗り。

帰宅をしたのを確認すると漸く。

教師の護衛が付けられて、俺は駅迄。

護送をされた。(笑)

護送って…???

それじゃまるで此方が、犯罪者だ。

まあ実際には、先公と一緒なら。

流石に連中も、俺に手出しはできない。

つまりは逆言えば、そんな内訳迄をも。

この高校の教師達は既に、理解して居たと言う事にも成る。

まあこんな、工業高校の教師達だ。

俺達と同じ工業高校での、こんな学校生活へも。

充分なその理解が、在るのかも知れない。


職員室で守られ、残されながらも。

何故か未だ今日1日、朝から起こったその全ての事へ。

俺は納得が出来なかった。

流石に帰りの駅迄、送られるその途中。

俺は早速、得意のその質問を。

教師へ振って見た。


(俺)「先生コレ何だか…逆なんじゃねえのか…???コレじゃあ何だか…俺の方が犯罪者で…アイツ等が守られてる見てえじゃねえかよっ…???」。


(教師A)「………まあまあまあまあ…」。


著者・龍神 武明

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