第21話
第13部 はぐれ鳥の行方 抗争勃発 ◯◯連合
1979年5月
新しい友人の1人と、流行りの洋楽音源を求めて。
街へと繰り出した俺が。
渋谷の道玄坂で坂を下る途中に起きた、あの衝撃的な出来事。
【SEX PISTOLS】「セックス・ピストルズ」の曲、【ANARCHY IN THE U.K.】「アナキー・イン・ザ・U.K.」を聞いてから。
既に44年と言う、途方も無い程の時間と月日が。
流れた事と成る。
この翌年、1980年の事。
確か未だ些か寒さの残る、そんな春頃だったかな~っ…???
今こそそれも全世界中で、その大人気を誇る。
集英社の週刊「少年ジャンプ」で、【鳥山 明】さんの第二作。
「Dr.スランプ」が、連載開始と成った。
【鳥山 明】さんの作品は「Dr.スランプ」と、その後の「Dragon Ball」がそれももう。
極めて有名で在り。
この内の「Drスランプ」が特に、俺達リアル・タイム世代へはまるで。
処女作の様に、そう想われ勝ちだが。
正確な第一作と成ったのは、「Wonder Island」で在る。
当時少年時代から、青年期へと突入をする俺達世代は。
アラユル意味で文化的に、とても恵まれて居た。
今ではそんな風にさえも思える。
中学校を卒業し、高校生活へと入る直前。
この高校生活以降に、俺の人生が。
「波瀾万丈」な事と成るとは、未だ努々と。
想っては居なかったのだが。
そんな「波瀾万丈」と成る、高校生活の幕開け。
その前に此処で突然、2024年からの。
約11年前の事。
2013年5月3日(土曜日)
朝眼が覚めて気が付くと俺は、北九州は門司港へと在る【セブンイレブン】。
門司松本店のトイレで、度寝こいて居た。
気が付くと北九州の門司…???
そんな遠い場所のトイレで寝ていたとは…???
んじゃそりゃ…???
当然そう想われる方も、居られるとは想うが。
何かUFOにでも乗せられて、拐われたのかと…???
「♪♪♪♪♪♪♪♪~♪~♪~♪~UFO―♪♪♪♪」とそんな話へと成りそうな訳だが。
まあ近からずそれも遠からずで、要はUFO見てえな。
破天荒な生き様の男に。
渋谷の円山町からこの北九州門司へ迄、拐われたと言う訳だ。(笑)
んで拉致られハイ、拉致られハイと成った俺は。
外へ出て胸いっぱいに、先ずは門司の空気を吸い込んだ。
前日の5月2日(金曜日)。
俺は当時の行き付けの店で在った、渋谷の「カラオケ・スナック」へ。
ゴールデン・ウィークへ突入をすれば、店が休みに成るのでは…???
と。
連休が始まる前に一杯、楽しんで措くのが得策。
一番で在る筈だと。
この東京の街でも屈指の、コアーなこの店へと。
早速足早に向かった。
ドアーを開けるとこの店の店主、後輩とその彼女が。
抱き合って居た。
まあ後輩とは言っても、ヤツは北九州の門司の出身で。
直接学生時代や社会での、その関係は全く無い。
俺が個人的にヤツを自分の後輩だと、そう想っているだけだ。
まあ世間のと言う意味では、それも間違いなく。
後輩では在る。
ソイツの店のドアーを開けると、新しい彼女と。
抱き合って居た、その後輩の姿を見て。
(俺)「あっ悪りィ悪りィ…折角の良い処を…邪魔しちゃった見てえだなっ…野暮ってえわっ…って事で又次回にでも…出直して来るわ…」と、ドアーを締め様とした処。
(後輩)「武さん~っ…大丈夫ですよ…入って下さいよ…一緒に一杯遣りましょうよっ…」。
とこの時、「ミレニアム・チェルシー号」。
UFOへと乗ったその宇宙人から、強烈なラブコール。
そんな返答が返って来た。
丁度キスをし様としていたので、「チューバッカ」…???
チューバッカ星人かも知れない。
(俺)「いやいや…良いよ良いよ…又来るから…」。
(後輩)「違いますよっ…それより武さん…今幾ら持ってますかっ…???」。
(俺)「えっ何で…???まあ財布の中に取り敢えず…50000円位は在るけど…」。
(後輩)「ああじゃあ充分です…明日の朝…一緒に北九州へ行きましょう…向こうへ行ったら後は僕が…僕が何とかしますから…」。
(俺)「いやいや…幾ら何とかするったって…コレじゃあ足らんだろう…???少し俺が金を貯めてからでも…又改めて誘ってくれ…」。
(後輩)「いやいやいやいや…大丈夫ですから…今回向こうで僕が久々に…【Live】を遣りますから…その稼ぎでもう…何とかしますから…泊まる処は同級生にでも言って…店のソファーでも…貸して貰えますから…さっさっ…良いから入って…一緒に飲みましょうよっ…武さん何飲みます…???」。
(俺)「いや久々に来たら又…又凄げえ事ん成りそうだなっ…」。
(後輩)「いやいや武さん…もう今そんな逃げ腰に成ってて…腰を退いて躊躇してたら…武さんもう一生…北九へは来れませんよっ…想い立ったが吉日です…一緒に行きましょう…」。
(俺)「いや…まだ想い立ってねえから…」。
(笑)
(後輩)「大丈夫ですって…想い立って下さいよっ…後は本当に僕が…僕が何とかしますから…大船に乗ったつもりで…一緒に来て下さい…」。
(俺)「大船たって…大船過ぎるぜっ…」。
(笑)
とまあ~何と、こんな調子で在る。
普段からもうそれも突然に、突拍子も無い事を言い出す後輩では在ったが。
まさかその明日、なけなしの銭を叩いて。
北九州へ迄に行くとは。
そうそれを説得された、この地点で俺は。
俺はまだ自分の腹を括り、決められては居なかった。
その後に朝迄、3人で飲んで。
カラオケを歌いながらも、大騒ぎのどんちゃん騒ぎ。
酔った勢いと言うのは、まあなんとも恐ろしいモノで在る。
気が付くと俺は、フラフラのその脚で。
タクシーへと乗り込んで居た。
話は少し前後するがこの夜、この店の中で。
(俺)「彼女が例の…結婚する相手なのか…???」。
(後輩)「そうすよ~っ…今回その新婚旅行も兼ねて…親父や兄貴…同級生や先輩…後輩達へも…挨拶に行こうかと想って…」。
(俺)「そんな人の新婚旅行へ…同行する何てのは…益々愚の骨頂…いよいよ以の外だわ…ヤッパ帰るわっ…」。
(後輩)「何言ってんすか~っ…武さんらしく無いすよっ…」。
話は又少し飛んで、気が付けばタクシーの中。
(俺)「いやでも…新婚旅行なんだろう…???幾ら何でもヤッパリ…新婚旅行への同行ってのは…どうかと俺は想うし…ヤッパ帰る…」。
(後輩)「もう駄目すよっ…だってもうタクシー乗っちゃったんだから…武さんらしくないっ…最低でも駅迄は…一緒に行って…見送って遣って下さいよっ…」。
(笑)
最低でも駅迄は一緒に…???
それがヤツの作戦だった。
(俺)「らしく無いってたって…何時そんな俺らしさが在った…まあじゃあもう…タクシー乗っちゃったんだし…取り敢えず駅迄は…」。
(彼女)「何時もこんな調子でしょう…???武さんも普段から…こんな乗りなんですか…???」。
(俺)「いやいや…こんな乗りってか…???こんな此処迄の乗りは…流石に俺も初めてだけど…まあ破天荒なのはお互いに…若い頃から…俺もこの男も全く…変わらねえんだろうけどもっ…俺はもう直ぐ50歳に成るんだけど…50に成るその前に…一つ決めた事が在って…もう直ぐ俺が産まれてからは…約半世紀…???折角50歳迄…もう半世紀近くも…こんな調子で来れたんだから…この際もう最後迄…この調子で行こうかと…そう想って…もう其所は腹を…腹を括ったんだけど…」。
(彼女)「……………」。
とまあ朝迄は、こんな調子だったが。
そうして気が付くと、小倉行き。
【新幹線】の中で。
俺と後輩の2人は、飲み足りないその酒を。
列車の中でまだまだと、煽って居た。
破天荒と言うのか…???
愛想も尽きると言うのか…???
俺とこの後輩のこの2人、実に恐ろしい限りで在る。
まあ~世の中、上には上が。
まだまだ居るモノだが。(笑)
この渋谷区、円山町へと在った小さなカラオケ・スナックは。
高校生の時に自分の地元で、公民館へ3000人もの高校生達を集め。
一人で自分のピンLiVEを遣ったと言う北九州、伝説のロック・ミュージシャンの始めた。
そんな店だ。
此処で俺はヤツと共に遊びながら、14年間でもう相当数の芸能人達と。
酒を飲み交わしても居る。
まあ高校を中退した渋谷の「はぐれ鳥」には、又大層なその。
経験と成った訳だ。
更に此処から再び、時間を大きく巻き戻して。
1980年の3月。
受験勉強ってモノを全くせずに、中学の3年間をトコトン楽しんだ俺だが。
しかしでも本当に、つくづくと想うのは。
この中学生時代の3年間は、とても楽しかった。
入学式で151cmと言う。
まあそれでも、当時の中学生では些か大き目な。
立端でも在ったが。
この3年間、俺は部活へは殆んど所属する事もなかった。
しかし朝早起きをすると俺は、学校の体育館へと向かい。
朝の1時間、或いは1時間半と言う。
その時間を費やして。
昼休みと放課後も又、バスケット・ボール仲間達と。
バスケット・ボールを続けて居た。
そんな俺が手にしたモノとは、卒業をするそれ迄の間に。
既に170cmと言う。
まあ中学生にしては大きめな、高身長のその体格だった。
細身で脚長、スタイルの良かった俺は。
まあそれだけでも結構、モテた様だ。
デヘッ。
卒業式のその間際に、集まって来た女子3人が。
「アンタ一体誰が好きなのっ…???もしアンタさえその気なら…話は私達が着けて上げる…」と。
俺にそう、恋愛話を詰めて来たのだ。
俺には好きな女子が居たのだが、この数週間前に下心から。
ソイツに手を出そうとして。(笑)
「私はそんな女じゃない…」と。
もう呆気なく、アッサリとフラれた。
その後だったので。
その娘は取り敢えず諦めて。
まあ本当は先ず、彼女に成ってくれと。
その好きな女子へ、俺から言えば良かったんだなっ。
しかし何故か…???
当時の俺には、それが出来なかった。
男女平等で在るのならば、女から貴方が好きだと。
そう打ち明けても良いのでは無いのかと…???
妙にそうそんな風に、考えて居たからだ。
ってんで俺は小学生時代に、一番眼を着けていた。
超~美人の彼女の名前を、それならこの際にと言って。
出して見た。
まあ言って見るモンだ、言うのは只だと。
言っている内に、本当に成る事も在ると。
世の中そんな風にも、言うには言うが。
処がこの話が何故か…???
もうスルスルと上手く行って。
その2日後には、返事が来た。
(同級生女子達A)「いいって言ってたわよ…」。
(俺)「ヤッパリ無理だったか…」。
(同級生女子B)「違うわよ…そのいいじゃなくて…アンタと付き合うって…」。
【ゴゴゴゴゴゴゴゴォー…シュバーン…】と。
俺の頭の中ではもう、大陸弾道ミサイル【ICBM】が発射された程だ。
(俺)「えっ真面(マジ)で…???」。
って事で俺にはこの時、初めての自分の彼女が。
出来る事に成ったと言う訳だ。
お陰で中学を卒業した春休みは、もう夢の様な気分で在った。
んで【夢の島】と。
↑(そりゃゴミ処理場だ)。
何度かデートを重ねた様な…???
んな気もするが…???
もう彼女が出来て直ぐの頃のその当時は、俺も舞い上がって居て。
何をしてたのか…???
どんな話をしたのか…???
実は全く、良く覚えても居ない。
処がまあ良い事ってのは、本当に続くモノで。
彼女の通う高校と、俺の通う高校が。
何と、隣同士の駅なので在った。
街の公園へ桜の花が咲き始め、迎えたその春。
高校の入学式へ俺は彼女と2人、地元の駅で待ち合わせ。
夢の様な気持ちで一緒に、電車に乗った。
電車へ乗り込むと同じ中学時代の同級生が2人、渋谷駅から乗って居て。
電車の中で顔を合わせた。
(同級生A)「おっ"【ゾンビ】"…彼女も一緒かよ…おいおいおいおいっ…参ったなあ~…おいっ…」。
【ゾンビ】は俺の渾名で在る。
向こう気が強く、そして不死身で。
遣られても決して諦めずに、もう何度でも立ち上がる。
あの人気漫画【キングダム】の主人公、大将軍の【信】見てえだろう…???
更には執念深い、そんな俺に。
まだ小学生の時に着けられた、その渾名だ。
(俺)「そうなんだわ…聞いたら隣の駅の高校でさあ…コレから3年間何と…一緒に登校出来るんだわっ…デヘッ…」。
(同級生B)「マジかよおいっ…じゃあ俺達3年間も…それを見せ付けられんのかよ…???」。
(俺)「って事に…成りそうなんだが…まあ気を悪くしねえでくれ…俺もなんだか…???夢見てる見てえなんで…」。
(爆笑)
(同級生AとB)「ちぃ~っ…ざけんなよ…参ったねえこりゃ…そんな事って在りかよ…???」。
(俺)「別にふざけてねえよっ…しゃ~ねえじゃねえかよ…夢じゃねえよなっ…???コレってもしかして…???あっ痛えてっ…」。
浮かれながらも俺は、それもかなりふざけて。
自分の頬を、ツネって見せた。
コレから後のその3年間、こうして超~最高に美人の彼女と一緒に。
電車へ乗って、通学が出来る訳だ。
そりゃもう天国の、その又上に在る。
宇宙空間だろう…???
って事でスペース・シャトル、【エンデバー】にも見える。
井の頭線のその列車内。
【バーロー・デレンデバー】と成ったこの俺は、彼女と同級生達と4人。
京王井の頭線の乗り換え地点、明大前で小田急線に乗り換えると。
小田急線と俺を見詰める、彼女の瞳へと揺られながらも。
デヘッ。(笑)
俺達中学の同級生3人は、自分の高校の在る駅へと着き。
俺は彼女と挨拶を交わし、自分達の高校の在るその駅で。
渋谷の同じ中学へと通った、同級生達と3人で。
電車を降りた。
ってか本当に、夢じゃねえだろうなっ…???
とんな事を想いつつも。
(俺)「んじゃ~又…帰りにね~っ…此処で待ってるよっ…」。
なんちって。(笑)
(彼女)「うんっ…待ってて~っ…」。
と言ったか言わないか…???
言った様な気がする。(笑)
まあ~それもかなり、端から見ればもう。
もう眼に余る程に…???
完全に浮かれてたんだろうなっ…???
悪りィけんども。(笑)
しゃ~ねえべえなっ、こんな状況じゃあ…???
んで。
【ドンッ…】
(俺)(って…???んだこりゃおいっ…???)。
その俺の様子を、僻んで見て居たのか…???
一人の男子高校生が、俺が電車を降りるその際に。
後ろから俺の背中を、勢い良く突き飛ばして来た。
(俺)「おいおいおいおいっ…ちと待てや~おいっ…」。
見れば同じ制服を着た、同じ高校へと通う。
1年生で在る。
新調をしたばかりのその制服が、言わずと知れて…???
何よりもそれを物語っている。
当時から俺は極めて目聡いし、そして優れた。
その洞察力が在った。
(不良のガキ・以降・不良A)「何だこの野郎~っ…」。
(俺)「何だこの野郎だっ…???おいおいおいおいっ…そりゃ此方の台詞だっ…んでまさかお前その儘…人を後ろから突き飛ばして措いて…???んで謝りもしねえで…すっ惚けてくんじゃねえだろうなっ…???おいっ…」。
と。
相変わらずに俺は、極めて弁が立つ。
(不良A)「何だこの野郎~…遣ろうってのか…???」
(俺)「何っ…???それも此方の台詞だ…お前しかも見りゃ~…同じ制服を着てる…しかもどう見てもその新しい制服じゃ…俺と同じ1年坊だろうが…???んでこの先もまさか…まさかのその3年間…???しかも同じ高校で…俺と歪み在って…過ごして行こうってのかよっ…おいっ…???」。
(不良A)「何だこの野郎~…」。
一端こう成ると俺はもう、一歩も退かない。
んで。
(俺)「んだこの野郎だ…お前何処の不良だ…???」。
(不良A)「○○連合だよ…」。
(俺)「○○連合…知らねえなおいっ…○○連合ねっ…例え知ってたってお前見てえな無礼者の集まりじゃ…知らね振りして遣るわ…○○連合だか沖縄連合だか知らねえが…ブツかって来たのはお前の方だ…一言ちゃんと…謝ってから行け…」。
(不良A)「何この野郎~…」。
沖縄連合ってのは別に、俺が沖縄人を。
嫌いだった訳なんかじゃなくて。
ソイツの見るからに、濃ゆいその顔立ちから。
沖縄人見てえだと。
一瞬その時、そう想っただけだ。
まあ口から出任せの、冗談だったんだが。
(同級生A)「"【ゾンビ】"…まあ今日は入学式なんだし…そんな処でもう止めとけよっ…入学式位は…チャント行かねえとだし…」。
(俺)「…んまあなっ…それにしてもこの野郎…とんでもね野郎だ…」。
この時この電車の中で起こった出来事、この事件が。
その後の俺の生涯へ、多大な迄の影響を及ぼすとは…???
当時の俺には全く、予想も推測も。
努々ともう、出来る事はなかった。
著者・龍神 武明
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