第17話

何かこの頃のその1年ってのは本当に、今現在のその10年分と全く同じ位に。

密度も濃くミッチリと詰まり切った、高濃度な迄の。

その実感と価値が在り。

1年1年がとても長く、そして実にとても有意義に。

感じられて居たモノだと。

今ではそんな風にさえも想える程だ。


まあ~しかし、楽しかったねえ。

今でも未だあの時の若さに因るあの集中力を、取り戻せるんじゃねえのかと…???

俺はそう真剣に、考えても居るが。

こう言ったモノってのは何か、何等かの切っ掛けや因果。

様々なその発生条件が整う、そんなタイミングが在って。

在れからもう既に、44年が過ぎ去った現在でも尚。

俺にはそのチャンスの到来と、その後に迎える時間のその全てが。

まだ何も決して諦め切れない儘で居る、まだ決してそれを手放さずに。

保ち持ち続けても居る程だ。


当時既に自分の中では第2期とも成る、アメリカやヨーロッパのミュージシャン達が作り上げた。

洋楽へと覚醒し、目覚めて居た俺は。

その情報収集の為に、新しい自分の友人関係をも。

作り始めて居た。

自分が深く興味の在る事へはその最深部へ迄にも、その為に必要な知識を掘り起こす事へもう。

貪欲な迄に。


沸き上がるその要求への制御と忍耐を、全く持ち合わせては居ない俺は。

周囲身近な情報網とその情報源から、知人や友人達のその肩を叩き。

グングンとその最新情報の入手経路へと、のめり込みながらも。

入り込んで成って行った。

そんな特徴と特技を、持って居た訳だ。 

まあ皆そうか…???


まあそれでも小学校の卒業アルバムへは。

「えっ…???何それ…???と何処へでも顔を出す龍神君…」と、そう書かれて在った訳で。

当時の担任教師がそのお墨付きを示した程迄に、俺の情報収集能力のその高さは。

それを旗から観ても、大したモノで在ったと言う訳だ。


やがてその情報収集力が世界を制する、この後の未来とも成る。

現代社会へと向けても。

その先魁の存在としての少年時代を既に、俺は手にして居たのだと言う。

事にも成る。

最新の音楽情報とリリース済みレコードを取り扱う、店へと向かい。

隣へ待ち合わせた同級生を引き連れて。

まあ小学校1年生頃には、既に彼の存在も知って居たんで。

幼馴染みと言う事へも、成るんだろうなっ…???


長身で色白か細い体型の。

まあ要はこの頃にはまだ、このタイプを表現する。

【オタク】と言うその言葉すらもが無かったんだが、未だそんな時代へ。

それ迄の俺の友人へは、全く居なかったこのタイプ。

とても品行方正で大人しい少年、通称「ユキ坊」と。

初夏の陽射しをあびながら、趣味の音楽話で盛り上がり。

渋谷の道玄坂を、共に下って居た。


まあこうした流行情報ってのは、少し目上の先輩や。

年上の兄弟。

自分の兄ちゃんや姉ちゃん達から、初めの内は仕入れるってのが。

そもそもの王道な訳だが。

俺には歳上の兄弟は、兄ちゃんも姉ちゃんも居なかったから。

しかしそれを補わんが為の能力を、こうした情報収集へと対する俺の勘は。

もう実に良く。

当時もその優秀な迄の、能力を発揮してくれて居た。

爪先から頭迄、満タンのお洒落を決め込んだ。

そんな俺も既に思春期。

流石に同年代の女の子達へは、興味を惹かれて居たモノだ。


俺は当時未だ奥手で在ったのだが、実はこの当時から些か。

年上の女が好きだった。

ってのは早生まれの俺に執っては、同級生の女子もその殆どが。

年上な訳で在り。

そんな事情も伴ってなのか…???

道玄坂を下から上がり来る、年上の姉ちゃん達へ見惚れながらも。

隣へ居た「ユキ坊」との、洋楽話を弾ませて居た。

その時だった。


当時そのビルの店舗の7階へ、ボーリング場とゲーム・センターを備えた人気デパート。

「ミドリ屋」の1階、店舗の入り口へは。

未だこの頃それも出始めたばかりの、店外外部スピーカーが既に。

付けられていた。

軽快な脚を繰り出し、店舗の入り口へと近付くに連れて。

微かに乗りの良い縦乗りビートで。

聞きなれない感じのロック・ミュージックが、聞こえて来た。


未だに英語では外国人達と片言、流暢な会話も出来ない俺だが。

「I never anti kuraisuto」と、そう絶叫をする。

この言葉の持つその意味は。

当時まだ中学2年生の俺にも、直ぐに理解は出来た。

俺はその儘まるで、金縛りへでも遇ったかの様に。

その曲へと聞き入り、その場へヘタリ込んでしまった。

あのキリスト教連合国と言われている、その欧州圏内…???

或いは2大キリスト教対峙国と迄に、そう言われる。

米国その国内で…???

「俺はキリスト教の否定派で…ヤツの話なんて端から…全く信じちゃ居ねえぜ…」と。

そう絶叫をして叫び続ける、跳んでもね野郎のその歌が。

聞こえて来て居る訳だ。


(うわマジでとんでもねえ野郎が出て来たなっ…)と、直ぐに俺はそう。

それも激しい迄に、そう実感をして居たのだ。

そしてこの反体制、反骨精神剥き出しのパンクと言う。

新しい分野のその発生から、その確立へ。

凄腕のロックンロール・バンドが、便乗をした訳だ。

それが【SEX PISTOLS】だった。


しかも舞台はロンドン、此処へほんの少しだけ遅れて。

ほぼ同時期に発生をし誕生をした、ニューウェーブ・ムーブメントと。

ニューウェーブ・ミュージック。

そんな時代へ又更に新た成る、楽器演奏の実力派達。

ロックンロール・バンドが、激しい迄の便乗をし。

自分の首と頭を、上下左右へと。

激しく振りながらも。

全身縦乗りの、ダンス・パフォーマンスと。

4ビートの音楽で、乗り込んで来たと言う訳だ。


【坂本 龍一】【細野 忠臣】【高橋 幸宏】の立ち上げた、日本の【YMO】。

「黄色人種魔術」、「イエロー・マジック理論」と並んで。

まあ世の中世界も変わる時には本当に、それももう一機に。

変わるモノなのだと…???

そう未だ10代前半の少年が、そう深く実感をした。

そんな瞬間だった。


コレ位の事を既に当時まだ14歳の俺は、深く理解をして居た。

まあそれでも良く良く考えて見るに、一般的には此処へ暮らす者達。

日本人のその殆んどその全てが、実はほぼ無神論者で在り。

宗教信仰と言うモノを殆んど、全く理解もせず。

当然理解もしなければ、保つ事もない。

そんな日本人達の、その中では。

俺はどちらかと言えば、宗教を深く信じる。

迄とは行かなくとも。

理解をして居る、敬虔な存在で在ったのだと。

今にして思えば、どうやらそう言った話へも。

成る様なのだ。


その昔「勉強をしたい人は皆…お寺か教会へ行きなさい…」と。

そう言われて居た時代が在ったのだと、そう言うが。

そもそも宗教と言うモノは、全ての学問のその始まりな訳で。

人の疑問や疑念、生きる事への諦めや否定感。

社会へ抱かざろうも得ない不信や、絶望へのその答えを見い出し。

それ等の苦悩や煩悩へと対する抵抗力を、希望を与えて。

社会への疑いや、その元本(がんぽん)へと居座る。

無明を晴らす為のモノ。

宗教とはつまり本来、そんなモノで在った筈だ。


まあ難しい話は聞きたく無かったら、とっとと飛ばし読みでもしてくれィ。

しかしこの最も関わるのが面倒臭え部分への、その答えが。

自分自身の中で纏まりを見せると。

自殺やそれに伴う自己否定等の、世の中への矛盾と。

知らず知らずの内に其所へ抱く、不信感迄もが何故か…???

何時の間にか消え去るモノなのでも在る。


宗教と言うモノの始まりは、単純にそもそも。

そうで在った筈のモノで。

世の中の進歩とその時代に要求をされる、必要知識へのその細分化に因り。

必然的なその需要として発生をする、専門分野への学術研究が。

選り深く細かく奥深くと、変わって行ったその中で。


生物達の身体を構成する無機質と有機質、それ等全ての物質等では無い。

もう1つの要素の存在。

魂は一体どうして…???

そしてどの様に、何処から出て来て…???

何から作られているのか…???

どんな処から発生をし、又一体何処へと…???

消えてしまうのかを…???

本来その答えを、求め始めただけのモノだ。

つまりは魂が、厳然として在る筈のその存在を。

コレが魂ですと、現状今の最先端の科学でも。

証明出来ないのだから。

そりゃ死んだらどう成るのかと…???

当然、不安な気持ちへも成るモノな訳だ。


現代社会では最も必要とされる、専門分野の専門知識。

その細分化も、既に最終段階へと突入をし。

本来の宗教と言う、その学術研究こそが。

持ち合わせていた、その奥深い知識も。

科学や医療やテクノロジーを始めとする、無機質なモノへと。

その需要が変わっただけの、そんな時代なのだから。

宗教そのモノへと対するその感心も、次第に薄れてしまっている。

だけの話だろう。


それでも最近に成って、人の記憶力を遥かに上回る。

【AI】の存在や。

更には人類の知性や、その在り方迄をも遥かに超える。

人造人間達の、その誕生に因って。

そして更に深く、宇宙空間の性質迄をも。

全て解明をする、その究極的な迄の。

学術に因り。

次元空間の移動に因る、5次元空間への。

その接近へも伴って。

再びこの宗教の中で、中でも仏法者達が唱える。

その奥深き知恵や知識は、見直されて来てもいる。

そんな時代へと発生をする、新た成る特異点。

【シンギュラリティ】こそが。

総合的に科学や物理学、それ等の学術を大きく上回り。

越えて行く時。

再び現在の学問のみでは、説明の着かない。

そんな事象を仏法は、既に釈尊のその時代に。

その出世の本懐で、説明をしている訳だ。


そして此処迄を正確に理解した上でこそ、宗教とは一体なん足るモノなのかを。

始めて判断し。

其所で始めて、それ等を語れる資格こそが。

産まれるのでは無いのだろうか…???

まあ~遣りもしねえでしかも、旗眼からそれを見て…???

又恰かもそれを悟ったかの様に話す輩が、この世界へはもう。

五万と居るが。


我々人類が生きている、この不可思議な迄の空間と。

其所へ訪れ流れ行く、変化と変動。

つまりは時間と言うモノの、その存在へと対して。

時間と言うモノは、物質が動いて居てこそ。

発生をするモノで。

完全な停止状態のその中では。

時間そのモノ自体も、実は存在はし得ない。

しかしこの完全な、停止状態の儘で在ると言うモノは。

そもそもがこの3次元宇宙空間へは、全く存在はしない筈のモノだ。


そしてどうしても、この莫大な空間の全てを。

理解出来る筈も無いのだと、そう感じた時。

広大な迄のこの空間に、元々本来から。

この宇宙空間へと存在をする。

俺達人の思議すらもが及ばない、モノの存在。

つまりもっと簡単にそれを言って仕舞えば。

人間の能力の理解を、遥かに超えているモノの存在。

人知の限界を超えた、何だか解らないモノへと対する。

その畏敬の念こそが。

実は本来の宗教信仰、そのモノで在る様だと。

俺はそう今でも、今でもそう強く感じている。


まあ無宗教無神論者の日本人へは、難しかったかねっ…???

それでもこの世界中、中東でも欧州でもアメリカでも…???

ASEANでも皆、まあ中国人以外は。

俺の話は、良く解るとは想うが。

日本人ってのは何時迄経っても、其所が解らねえから…???

鬱病とか…???

自分の理解の出来ない、そんな事象へと対して。

抱いて仕舞うその絶望感へ。

人は苛まれ潰されてしまうのだと、言う話な訳だ。

まあもう小難しい話は、コレ位にして措こう。

其れよりも何よりも、【Yellow Magic Orchestra】だ。


紀元前より遥か前、気の遠く成る様な。

宇宙空間での時間、その時の流れの中で。

永遠に2世世襲で受け継がれ続ける、その最大権力へと対し。

大衆が抱く不満と、不安へ対する。

そのガス抜きなのか…???

息抜きなのか…???

それとも骨抜きなのか…???

どんな時代へも又、それ迄には無かった。

全く新しいムーブメントが。

アーティスト達の産み出す、そのセンスに因って。

誕生をするモノだ。


この時新しいジャンルでも在る「パンク」、所謂「反体制主義」と。

「アナーキー」の「無政府主義」。

そして更に何だが解らない、「ニューウェーブ」と言った。

サブ・カルチャー達の、その出現に因って。

結局単それ等を単なる、自らのガス抜きとして。

利用をした俺は。

まあ未だ若かったんだって、んな話な訳だ。(笑)

しかし決して、一筋縄には行かない。

そんなこじくれた、幼少期からのその性分が。

現在この場所へと存在をする、この俺自身を。

今現在のこの俺を、形成してくれている事も又。

紛れもないその事実で在る訳だ。


流行の服やメディアの作り込む流行り、その流行の流れを産み出す。

商業ベースのその背後へは又。

この極東亜細亜で紀元前よりも続いて来た、王族と貴族達へと絡んだ。

流通を司る、行商人達が取り仕切る。

権利と利権。

そしてその、最大権力のその維持迄もが。

今も尚、深く絡んでもいる訳だ。


著者・龍神 武明

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