第15話

俺が目的とした、自分のその後輩達へ。

鍛練し修練を重ねた、【ヌンチャク】を披露するのだと。

そう決めた。

富士山の麓、「山中湖フィールド・アスレチック・キャンプ場ホテル」へ到着をしたのは。

恐らく1975年の夏、8月1日の事で在る。

この後の3日間、8月3日迄の。

その2泊3日で。

スポーツ少年団、この夏合宿は行われた。


まあ今でも恐らく、ほんの1月も練習をすれば。

【ヌンチャク】のその腕前は。

あの小学校6年生の当時の俺に、戻れるとは想うが。

本当に未だ、子供の頃に身に着けたと言うモノは。

例え年老いたとはしても、自分の身体が。

決してそれを忘れないモノだ。

特にこの最もその遠心力を利用した、中国式武具の【ヌンチャク】は。

殆どその力を必要ともぜず、相手を倒す事が。

可能で在る武具だ。


そしてあの時の俺は既に、この合宿の5日程前から。

もう自分でも充分な程迄に。

3年間に渡って続けられた、その練習と鍛練のその成果を。

力強く感じても居た。

もう今の俺はほぼ、憧れのあの【ブルース・リー】と全く。

同じ位に。

【ヌンチャク】をマスターして居るのだと言った、そんな自信とその確信をだ。


この時俺達スイミング・クラブの男子達へと、割り当てられたその部屋は。

確か8畳程の、和室1部屋だった。

窓側へは1段低く成った、洗面所付きの喫煙室が在り。

その場所からは、このホテルのその売りの。

「フィールド・アスレチック場」が、一望視され。

全て見渡せた。

まあ富士山こそは見えなかったが、中々の眺めで在る。


この部屋へは俺の他に、3人の小学生男子達。

後輩達が一緒に、詰め込まれても居た。

6年生の俺を筆頭に、4年生が1人。

3年生が1人と、2年生が1人だ。


4年生の男子は、それももう子供ながらに。

非常に義理堅いヤツで。

渋谷宇田川町で割烹職人をして居たが、サウジアラビアの王様へと気に入られて。

今ではもう向こうで、悠々と暮らして居る。

まあ~そんなサクセス・ストーリーってのも、本当に在るんだなっと。(笑)

それには俺の方が、驚いても居る。


そして3年生の1人は、東京大学へと行き。

まあ東京大学ってたって、ベタベタの御用学者見てえな。

そんなヤツには成ったが。

子供の頃はもう少し、聞き分けの在る。

頭の切れるヤツだった筈だ。

しかし未だに、この国の政府与党。

【自民党】、しかも安倍派の肩を持つ。

まあ要は統一教会系の、在日韓国人だろう…???


中国人か或いは、台湾人も知れない。

要は渋谷駅周辺の、現在のその。

一等地と呼ばれる場所へは、皆全て。

第2次大戦で、焼け野原と成ったその場所へ。

縄を張り。

「此処は俺の土地だった…」とそう叫んだ外来渡来人達が。

現在のその土地の所有者と、成って居るのだから。

だから一端、全て出て行って貰おうって言う。

その気持ちも解るだろう…???

だって可笑しいだろう…???

どう考えたって…???


とんでもない、その収益が在るんだぞ。

駅前の、その一等地ってヤツは。

俺の同級生で、新宿の歌舞伎町で。

あの『ラーメン二郎』を経営する、韓国人が居るが。

コイツのその店、『ラーメン二郎』新宿歌舞伎町店は。

1日900食の、その「ラーメン」を販売している。

900食だぞ。


その一杯が850円から1000として、間を取って一人単価が900円。

900円として。

900円×900食として、=810000円。

81万円が×30日として、=一月でそれも2430万円。

この2430円のみならず、ヤツの家の持つ店舗は。

【池袋】へ1店、【品川】へも1店。

更に埼玉県の【越谷】へ一店、合計で4店

まあ1店の平均売り上げが、1000万円で在るとはしても。

その4店の合計で5400万円…???

コレ1月だぞ、1月で5400万円だぞ。

じゃあ年間でそれが…???

1年間で…???

6億5160万円、まあもうプロ野球選手越えだ。

大したモンだなっ。


話を戻そう、んでその御用学者見てえに成った。

俺の馬鹿なその後輩。

「東大出てても馬鹿は馬鹿~」なんて、【ハイロウズ】の歌も在ったが。

それでもヤツも東大へ迄へは行ったんだから。

それはそれで又、大したヤツなんだろう。


そして当時2年生の後輩、この少年は。

やがて日本のラップ・ミュージシャンの、その先駆けと成り。

体制に決して振り回されずに、仲間達の多くを。

一端【敵】に回したとはしても。

自らのその主張を貫き、最後にはその主導権を。

取り戻せる程の。

そんな立派な男、1芸能人へとは成った。

まあコイツは本当に、小学1年生のその分際で。

既に特質な迄のその個性を、放っても居た程だ。

そして俺がこの当時のスイミング・クラブへ、勧誘をし。

スカウトしたその時から。

そんな大物としての芽を、覗かせて居る様な。

不思議なタイプだった。


2016年の7月、この国日本で行われた参議院選挙で。

渋谷の駅前行われた、参議院フェス。

当時原発反対を唱える、【山本太郎】を応援しに行った。

この参議院フェスで。

突然俺を、その背後から呼び止め。

ステージへ上がれと、そうけしかけて来たのも。

同じこの男だ。


(後輩)「武明君お久しぶりです…元気そうで何よりです…」。


(俺)「おおっ…元気だけが取り柄見てえな男だからなっ…元気は元気だ…又野暮な事を聞くな…」。


(笑)


(後輩)「この後僕が此処で…ステージ遣るんですよ…良かったらその後で…上から呼びますから…武明君も是非…上に上がって一言何か…此処で話して下さい…」。


(俺)「はあっ…何か言えたって別に…何にも考えて来てねえんだから…しかもそう成ると…この場のアドリブでって話かよっ…???俺は芸能人じゃねえんだから…幾ら何だって…馴れてねえんだから無理だぞっ…」。


(大笑い)


(後輩)「大丈夫ですよ…武明君なら…」。


(俺)「いやっ…遠慮しとくわ…」。


(大笑い)


(後輩)「それじゃ~後程…」。


(俺)「おいおいおいおいおい…後程でたって…遣らねえぞおいっ…」。


(爆笑)


その後この参議院フェスで、3人程の候補者達が。

司会者と話をしたその後で。

いよいよヤツのステージ、その出番が回って来た。

MCが終わって歌を少し聞いたら、未だ歌が終わらないその内に。

そそくさとその場から、俺は豚面し様と。

目論んでは居たのだが。

妙にこの勘の良い後輩へ、どうやら俺の考えは。

見事に読まれて居た様だ。


司会者へ紹介をされたヤツが、ステージへ出ると。

後で呼びますから、そう話して居た癖に。

それもステージ上での、司会者と自分の。

その話も終わらない内に。

歌が始まるその前にだ、俺を呼び遣がった。(笑)


(MC)「それではこの後此処で…歌って頂くんですが…」。


(後輩)「あっチョット待って…」。


とそう言ってヤツは、俺をチラ見した。

ステージへと上がればそれでも芸能人、普段は口で言い負かして仕舞う俺でも。

流石に馴れないこんな場所で、敵える相手では無い。

もうお手上げだ。


(後輩)「さっきチョット下で久々に在った人と…話したんですけど…実は今日此処へ…俺のもう子供の頃からの大先輩が…1人来てるんですよ…折角だし此れも何かの縁ですから…この際今日此処で…皆さんへも紹介をしたいと想います…武明君どうぞ…ステージへ上がって下さい…」。


遣り遣がったなこの野郎と、まあそれでも直ぐに俺は。

腹を括ったが。

まあ~芸能人でも、政治家でもねえのに…???

一体何を話せってんだか…???

しかも話せったって、何も考えて来てねえってのに…???


(後輩)「いやお久しぶりです…」。


(俺)「…何年振り位だろうかっ…それでも5~6年は…逢ってないか…???」。


(後輩)「いや本当に元気そうで…何よりです…しかも昔の儘で…全く変わって無いし…」。


(俺)「……………」。


(後輩)「皆さん此処へ居る武明君は…僕の地元のこの渋谷の…それも子供の頃からの大先輩で…本当に良い事も悪い事も…皆教えてくれた…そんな人です…」。


おいおいおいおいおいっ、良い事は良いけど悪い事もって。

それじゃ悪い人じゃねえのか…???

世間の印象としては…???


まあ確かに俺はお前等に、世間で言われてる。

良い事も悪い事も、全て教えたんだが。

「虎穴へ入らずんば虎児を得ず…」。

俺は自分が自ら選んだその環境から、不良と成った事も。

又現在も、反骨児・反逆児・異端児で在る事も。

特に悪いと思った事は、一度も無い。


俺の様に例え孤立して居ても、単身たった一人でも。

その自分の意志を貫く様な、こんなタイプは。

所詮組織へは向かないし又、決してその中へも属さない。

そしてどんな綺麗事を唱えて見た処で、所詮この現在の世界では。

その全てを左右するのは、軍事力で在り。

実際に現状、その世界の全権を掌握するのも。

米軍のその8割以上もの兵士達を抱え持つ、元々は従来のアメリカ軍から離脱。

既にその独立を果たした、新米軍組織で在る。

【ポジティブ・ペンタゴン】だ。


人類は例えどんな者でも、悪事を働くし。

それが国家と呼ばれる、その規模の組織ならば。

諜報部を持ち。

敵対する相手の、その弱味を調べ上げ。

正当な交渉のその場を、設ける事も出来るが。

俺の様な個人ではそれも決して、叶う事は無い。

そして何よりも、この諜報組織の。

その末端部と成る、裏社会へと潜む者達は。

そんな情報の入手が、最も速い。

なので例え俺は、「虎穴へ入っても…虎児を得る…」。

そんな自らの選択肢と、その道を選んで。

走り続けても来た。


仮に俺の様な者の存在が無ければ、特にこの極東亜細亜で展開をされる。

裏社会の事実は、誰も公表すらもせずに。

解らなかった儘の筈だろう。

そしてどんなに、世の中が良く成ろうとも。

又逆に、悪く成ろうとも。

俺の様な不良や、そんな不良達の起こす問題は。

無く成る事はねえ筈だろう。

実際にあの【ポジティブ・ペンタゴン】や。

【トランプ】大統領でさえ。

新しいアメリカ共和国を立ち上げて、此れ迄散々日本から。

吸い上げても来た筈の。

その米国債での借金は一切、払うつもりは無いそうだ。


そんな世の中で、「虎穴へ入らずんば虎児を得ず…」。

と言った、俺の選んだそんな選択肢を一体…???

どんな者達が、攻める事が出来様か…???

そんな状況下、2017年の東京【渋谷】のその上空へは。

トランプ政権側が解除した、日本の航空機が。

それももうバンバン、俺達の頭の真上を飛んでいた。

んで…。


(後輩)「この後ももし良かったら…僕少し歌いますんで…是非ユックリして行って下さい…」。


(俺)「うんっ…」。


とまあ、こんな調子で在る。

俺が山中湖の合宿で、ヤツと寝泊まりを一緒にしたのが。

1975年で。

この参議院フェスが2016年、って事はもう在れから。

あの当時のその地点で、41年。

今じゃもう49年も前の、その話な訳だ。

早いな~っ、月日の流れってのは。


処で「フィールド・アスレチック・キャンプ場」ってのは、未だ当時出来たばかりで。

しかも在れ程の規模で、大きな迄の。

そのフィールドのアスレチック場と言えば。

もう当時の小学生へは当然、その憧れだった。

行く前からもう、それもうスッカリと。

話題に成っていた程にだ。

到着をした当日の昼間は、コーチ達の眼を盗んで。

各種アスレチックで、勝手に遊び。

2日目は水泳だったかな…???

しかも野外プールで。

んでも余りにも寒いってんで、コーチ達が先に。

嫌ん成って。

(大学生コーチ)「寒いな~っ…此れじゃお前達も寒いだろう…???」。


(俺)「だって水の中へ入って無い人が…寒いんだから…俺達はもっと寒いに決まってる…」。


(爆笑)


(大学生コーチ)「そうだよなっ…じゃお前達も上がれ…今日はお休み…」。


こんな調子で在った。

スイミング・クラブなのに、その日の水泳練習は中止。

その後特に、遣る事も無く。

温泉三昧と成った訳だが。


温泉三昧ったって未だ、流石に小学生。

温泉入って嬉しい程に、そこ迄大人じゃねえ。

ってんで各自持参をしたそのゲームで、部屋でのゲーム大会と成った。

まあそれはそれで最高だった、だって未だ小学生だ。

当時の俺達は未だ。

このタイミングで俺は、【ヌンチャク】を披露する事としたのだ。


そそくさと先に、部屋に戻ると早速。

ボストン・バックのその中から、【ヌンチャク】を取り出した。

部屋の中でビュンビュンと音を立てて、俺は【ヌンチャク】を回し始める。

後から来た後輩達は、部屋の入り口でもう。

呆然と口を開き。

眼を丸くして、そんな俺の様子を観ている。


(後輩A)「凄げえ…武明くん…凄いすねっ…」。


(後輩B)「マジすかっ…???マジでブルース・リー見てえだっ…」。


渋谷の【李 小龍】、【ブルース・リー】のその弟子の。

【李 武明】(リー・フゥミョン)の、その誕生で在る。


振り返って見ると既に、この時俺の運命ってのがもう。

ほぼ決定をして居たのかも知れない。

俺は我が強く、自分の考えを絶対に。

曲げる事が無い。


先祖の何処かへは恐らく、大陸のその血が。

それも濃厚な迄に、入っても居て。

俺の気の強さや、その我の強さへ。

大きなその影響を、与えている筈だろうと。

到底そんな風にしか、想えないからだ。


それが【中国】なのか、それとも【朝鮮半島】なのか…???

太平洋戦争のそれ以前、戦前のその情報の公開で。

昨今富に騒がれ始めた。

ユダヤ人のルーツでも在ると言う、縄文系日本人の。

その遺伝子なのか…???

自分でもその判断は、最早着け難いモノだ。


こうして俺が修練をし、そして鍛練を重ねた。

【ブルース・リー】の【ジークンドウ】。

彼のオリジナル【ヌンチャク】の、俺のその技術の発表は。

見事大成功に終わった。

今でも当時の少年、後輩達は。

この高度な迄の、【ヌンチャク】技術を体得した俺に。

一目措いて居る。

そして丁度、この頃だったかな。

修行や修練、鍛練に嵌まり出した俺は。

周囲の友人達からの孤立を、次第に高め始めても居た。


要は徒党を組まない、組織が嫌いな俺の。

その性分ってモノが。

この頃既に強く、目覚め始めて居たって事だ。

そしてその後に、俺が「はぐれ鳥」。

「1匹狼」としての、その性質が産まれ始めたのも。

丁度、この頃からの事だ。


著者・龍神 武明


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