第2話 いつもギリギリのネタで生きている
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【コンフィ・ドゥ・カナール】
鴨肉のコンフィ。
フランス・南西部の伝統料理で、塩をまぶした鴨もも肉をじっくり低温のオイルで2時間ほど火を通し、漬けたもの。
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「た、
はあはあと、両手ならぬ両翼を床について息切れするコンフィ・ドゥ・カナール、もといフクロウ。
「そんで? あんたは、何の妖怪なんだ」
タケルが少し強めに聞く。
タケルは妖怪が見える子で、どうやらうちに来るまで、結構大変な目に遭っていたらしい。だから、妖怪には警戒心が強い。
「ご紹介が遅れたトリ」そう言ってフクロウは身体を起こした。
「ボクはフクロウの
「ふーん、経立か」
あたしが言うと、「知っているのか、サチ」とタケルが言う。
歳を重ねた動物が妖怪になるっていう、妖怪としてはメジャーな存在だけど、その名前自体はマイナーかもしんない。
けど、鶏の経立は聞いても、フクロウの経立は聞いたことない。まあ、たたりもっけみたいな妖怪もいるから、フクロウの妖怪は普通にいそう。フクロウ神秘的だし。
「で、トリさんは何を相談しに?」
「よくぞ聞いてくれたトリ!」
バサア、と両翼を広げて、トリさんは言った。
「実は人間の子である二人に、頼みがあって来たんだトリ!
このトリの! 新しい語尾を考えて欲しいトリ!」
……その言葉を聞いて、あたしの頭の中で「だなも!」と言ってるたぬきがひょっこり現れてきた。
「ど、どうしてそんなことを相談しに来たのかなななな」
「サチ? どうしたんだ、そんなに震えて」
タケルが不思議そうに尋ねる。
ギリギリのネタかもしれないからだよ、と伝えても、タケルは不思議な顔をするのみ。
そういやタケルって、親戚の家を転々としてきたんだから、ゲームとかしたことないのかもしれない。なんてこったパンナコッタ。
そんなあたしの動揺はつゆ知らず、実は、とトリさんが言った。
「森の住民にアンケートをとったところ、」
「森の住民言うな!!」
思わずあたしは叫んだ。
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