はなさないで

夢美瑠瑠


 

 英語の grasp は、もとは「手でつかむ」、という意味の動詞ですが、「意味を把握する」、という慣用的な用法もある。


 keep in touch は、接触を保つ、と、直訳すると身体的なことだが、これも比喩的に連絡を保つ、と意訳します。


do not pick your nose だと、干渉するな、だが、もとは鼻をつきいれるな、という英語。見ればわかります。


 it is none of your business 、も、ほっといてくれ、という意味の拒絶するときの決まり文句ですが、元の意味は「あんたの仕事ではない」ですね?


 …「はなさないで」も、「つかんでいる手を自分から離してくれるな」が、具体的な意味ですが、精神的な、心理的な慣用句に転用する。

 「こころが離れていくのがつらいので、しっかり好意を保持していて欲しい」というニュアンスを持った、ちょっと色っぽいような、愁嘆場の?セリフになりうる。


 その人が、あるいは誰かが、自分には必要で…だけど離れて行ってしまう…金色夜叉?の貫一お宮?の、「別れろ切れろは芸者の時に言う言葉」とかいうああいうシーンを連想するセリフと思う。


 ボクは、片わな人生というか?「離さないで」とか女性に言われたとかそういう経験はまあ皆無?ですが、そういうに似たことがあったこともあります。


 ちょっと交際めいたことをしていた女性に、巫山戯て、「抱擁してあげる」と言って、抱きしめると、「嬉しい…」と呟いたので、「おや?」と思ったことある。

 で、彼女には耳慣れない熟語だったらしくて、それから「ホウヨウして」と珍しがって、時々抱きしめてもらいたがったり?

 それがボクの場合は「離さないで」と言われたのに近い唯一の経験かもしれない。

 

 ちょっと家出をしていて、行方不明になっていて、久しぶりに家に帰ってきたときに、亡母が、ボクの名前をいとおしげにつぶやいて、抱きしめてくれたこともあった。ずっと不在の間には「離れていかないで欲しい」と、そう思い詰めていたのかな?と思う。


 今でも、実は「離さないで」という感じにまとわりついてくれるひとはいて、それは、うちの飼い猫です。


 生まれて45日目に母猫から離されてもらわれてきたアメショーです。

 その時、多分まだ乳離れしていなかったんだと思う。

 それで、時々、母猫のおっぱいを押すような動作を、未だにする。


 そういう分離不安?が残っているせいなのか、ボクがどこかに出かけようとして、そわそわしだすと、敏感に察知して、スッと膝に乗ってくる。


 つまり「行かないで」、「離さないで」という一途にストレートな身体表現、愛情表現なわけです。いよいよ出ていこうとすると、お宮のように足元にまとわりついてひっかいてきたりする。ボクは間貫一のように「五月蠅い!」と愛猫を足蹴にせざるを得なくなる…w


 ほんとにかわいくて聡明ないい猫だと思います。😊💓

  

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はなさないで 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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