第三話 お茶会と威風堂々

木星「よう、呼ばれたから来てやったぞぅ」


クロ「おう、すまんねいきなり」


木星「なになに?今日は何すんの?」


クロ「今日は木星と話がしたくてな」


木星「お!いいね!じゃあ食堂でお茶だな!」


クロ「そういうことだ。冬も呼んである」


木星「えっ、なんであいつも?」


クロ「呼ばないと怒られる気がして…」


木星「確かに…」


クロ「でも呼んでもこないような気も…」


木星「それも確かに…」


クロ「じゃ、食堂行くか」


木星「おう」


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冬「遅かったわね」


木星「…なんでお前が待ってんだよ」


冬「呼ばれたから」


クロ「よかった、来てくれたんだな」


冬「コンダクターに従う。ムジカートの使命よ」


木星「この前あんだけ勝手しといて…」


四季・秋「あら、あなたが響クロさん?」


クロ「はいそうです。あなたは?」


秋「私は四季・秋と申します。冬とは姉妹のような関係です」


クロ「ああ、ヴィヴァルディ繋がりってことか。よろしくね」


秋「今日はお姉さんをよろしくお願いします。最近少し口数が多く、あなたのことをよくお話ししてましたので…」


冬「秋、余計なこと言わない」


秋「あら、失礼しました。それではごゆっくり〜♪」


クロ「うん、ありがとう秋。じゃあ俺は飲み物とってくるな」


冬「レモンシャーベット」


木星「ブルーハワイソーダ!」


クロ「はいはい」スタスタ


木星「…珍しいな、よく喋ってたんだって?」


冬「喋ってない」


木星「クロの何について話してたんだ?」


冬「話してない」


木星「おいおい…」


冬「それよりあなた」


木星「おわっ、なんだよ」


冬「響クロに指揮された時の話を聞かせなさい」


木星「だから人にモノを頼む態度かよそれ…」


冬「いいから」


木星「…だから言ったろ?ギュギュギュッ、ドジャーン!!ってな」


冬「ぶん殴るわよ?」


木星「いやなんでだよ!」


クロ「はい漫才はそこまで」


冬・木星「漫才じゃない!」


クロ「息ぴったりだなお前ら…。はい、レモンシャーベットとブルーハワイソーダ」


木星「やったぁ!うまそ〜!クロのそれはなんだ?」


クロ「俺は煎茶だ」


木星「せんちゃ?なんだそれ」


冬「あなた煎茶も知らないの?」


木星「え、有名なのか?なんかあたしみたいな色してんな」


冬「どんな感想よ…」


クロ「飲んでみるか?」


木星「飲む!」


木星「…おぉ〜、なんか安心する味だなぁ。いいな!煎茶!」


クロ「だろ?」


冬「レモンシャーベットおかわり」


クロ「えっ」


冬「おかわり」


クロ「飲むの早くね?」


冬「おかわり」


クロ「あ、はい…」スタスタ


木星「お前、お腹壊すぞ?」


冬「あんたにだけは言われたくない」


木星「なにおう」


???「…」ジィーッ


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木星「…でさ!そのドブガエルをみて運命がなんて言ったと思う?」


木星「『まるで木星みたいですね』だって!!信じられるか!?失礼すぎだろ!?」


冬「ふっ、モクガエル…」


木星「あーーーっ!!冬がバカにした!!」


冬「鳴き方は『ジュピジュピ』かしら」


木星「う゛あ゛ーーっ!!もうゆるさぁん!!」


クロ「お前らもうコンビ組めよ」


冬・木星「組まない!」


クロ「あー面白え」


???「…」ジィーッ


クロ「…ところでさ」


冬「なによ」


クロ「さっきからずっと柱の影からみてるあの子は?」


木星「どれだ?いないぞ?」


クロ「わかった、捕まえてくる。冬」


冬「レモンシャーベット」


クロ「あいよ」スタスタ


木星「お前、レモンになるぞ」


冬「カエルよりはましだわ」


木星「ふぬぅーーーっ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


???「…」ジィーッ


クロ「…わっ!!!」


???「きゃひぃ!!!!」ビクゥッ


クロ「おわごめん、まさかひっくり返るとは」


木星「あれ、威風堂々じゃん」


威風堂々「あ、あのこれは別に何か暗躍していたり企んでいたりする行為ではなくてですねあのぅごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


木星「お、おぉわかった、落ち着け」


威風堂々「ひぃ…」プルプル


クロ「驚かしてごめんな。ずっと見てたから、なんだろうと思ってさ」


威風堂々「すみません…」


クロ「いや、謝る必要は全くないんだ」


威風堂々「いや、その、すごく楽しそうで…」


クロ「あの漫才な」


木星「漫才じゃない」


威風堂々「でもどうやって話しかけたらいいかわからないし…」


木星「そんなの普通に入ればいいじゃん」


威風堂々「だって盛り上がってる邪魔したらどうしよう…」


木星「クソ真面目か」


威風堂々「はぅ…」


クロ「そっか、気づかなくてごめんな。威風堂々も一緒にお茶どうだ?」


威風堂々「いいんですか!?」パア


クロ「なんだ木星、かわいいなこの子」


木星「ああ、知ってる」


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クロ「というわけだ」


冬「どういうわけよ…」


威風堂々「威風堂々、僭越ながらお茶会に参加します!」


木星「おう、ゆっくりしな」


クロ「威風堂々は飲み物なにがいい?とってくるよ」


威風堂々「え!いえいえ!自分で取りに行きます!コンダクターはおかわり大丈夫ですか?」


クロ「…」


威風堂々「…コンダクター?」


クロ「なんでいい子なんだ」


威風堂々「へ?」


クロ「おい聞いたか?自分で取りに行ってくれるってよ」


木星「なんだよ。こっち見んな」


冬「おかわり」


クロ「お前ほんと自由だな…」


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クロ「威風堂々もレモンシャーベットか」


威風堂々「はい!恥ずかしながら、大好きなんです」


冬「わかる」ズゾゾゾ


木星「お前は何杯目だよ…」


クロ「威風堂々ってことは、エルガーか?」


威風堂々「そうです!お詳しいんですね!」


クロ「うわ、褒めてくれる。なんていい子だ」


威風堂々「コンダクターもたくさん褒めてくださいますね!」


クロ「…」ジィー


木星「…だからこっち見んなって」


冬「なんか文句あんの?」


クロ「いえ、ありません」


冬「よろしい」


木星「お前はお前で何様なんだ…」


木星「ふと思ったけど、威風堂々ってちょっと呼ぶのには長くないか?」


威風堂々「たしかに、少し長いかもしれません」


クロ「あだ名とか考えてみるか?」


木星「また面白そうな話題だな」


クロ「ふーちゃんとか?」


木星「弱そう」


冬「私とかぶる」


クロ「お前らな…」


木星「風堂はどうだ!強そうだろ!」


クロ「巨漢か」


冬「センス無さすぎ」


木星「うぐぐ…冬はどうなんだよ」


冬「…ゥ」


木星「あ?なんて?」


冬「…イフウDo Do」


木星「ブハッッ!!!ドゥードゥー!?」


冬「Do Do」


木星「ギャハハハ!!ま、真顔でやめろお前!」


冬「我ながらいいセンスね。気に入ったわ」


クロ「Doって何すんだよそいつ」


冬「今日からあなたは威風Do Doよ。」


威風堂々「い、いやですぅ!」


木星「ひぃーーっ!!おかしくて腹ちぎれる!!いてて!!ひぃーーっ!!」バタバタ


冬「Do Do。よろしくね。」


威風堂々「こ、コンダクタぁ〜」


クロ「…ぶふっ」プルプル


威風堂々「コンダクター!?」


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クロ「…よし、じゃあ今日はこのくらいにするか」


威風堂々「そうですね!とっても楽しかったです!」


冬「まあまあね」


木星「あー面白かったぁ!」


クロ「今何時だ?2時くらいか?」


冬「なにいってるの?もう夕方6時よ」


クロ「えぇっ!?俺ら6時間も喋ってたのか!?」


威風堂々「まさに、あっという間でしたね」


木星「またやろうな!」


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ヒルデ「…お前ら仲良いな」


クロ「我ながらびっくりしました」


ヒルデ「まあ交流が深まるに越したことはない。報告ご苦労」


クロ「ありがとうございます」


ヒルデ「そろそろお前にも本格的に出撃してもらうようになるだろう。特に交流の深いその3人と共にな。心しておけ」


クロ「かしこまりました」


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クロ「なあムータ、出撃の時ってムジカートは何人連れてくんだ?」


ムータ「決まった数はないむぅ。タクトは多い時は5、6人連れてたむぅね」


クロ「5、6人!?やっぱすげえな…」


ムータ「アヴリルとニコラは1人だし、基本的には自由むぅ」


クロ「そっか」


ムータ「あとはチームバランスも大事だむぅ。ムジカートはそれぞれの役割、つまりロールに分かれてるむぅ」


クロ「え、マジで?」


ムータ「マジむぅ」


クロ「ド◯クエの職業的な?」


ムータ「まあそうむぅね」


クロ「やべえ、あいつらからなんも聞いてねえな…」


ムータ「しっかりしろむぅ…」



第三話 お茶会と威風堂々 完

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