第17話 近すぎるよ
近すぎるよと綾子さんは言った。春日台に迎えに行った時、白山さんが走り出してきて僕に話しかけてきた時、確かに驚くくらい近かった。白山さんはいつもそんな風に話しかけてくるし、僕はもう慣れていたから気にならなくなっていたけどだけど綾子さんははっきりと言った。それは子どもへの指導というだけではなく僕に対してもきっと言っていたのだろう。
綾子さんは大学になると美浜でひとり暮らしをしていたことがあったそうだ。あんな何もないところに若い学生ばかりが集まってほかに何もすることはないし、娯楽のないところに居ると人間は最終的に男と女のことしかなくなってしまう。あんなところで親元離れて一人暮らししていたらどんな生活になるか答えは自ずと出てくる。学生時代の男とは今でも関係があるのかなぁ、まあ普通に考えれば環境が変われば人間の関係も変わると思うんだけどね。今のところ彼女に男の影はなさそうだ、美浜での学生生活が終わって実家に帰るときにたいていのことは終わったんだろうな。
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