第16話 ショック

まあまあかわいい。やっぱりね一目見てみんながきれいな子だっていうのは分かる。きっとそうなんだろう。ただあの時歯を矯正しているのがわかったとき僕は驚いた。矯正だけに驚いたんじゃなくて、歯の色が黄色っぽかったんだ、今の僕みたいに。俺でさえ若いときは白くて綺麗な歯ねって言われてたのに。それが23歳にして黄色っぽくなってしまっているなんて。ショックだったしかも矯正だぜ。気がつかなかった。なんで気がつかなかったんだろう。あんなによく見ていたのに、笑顔は全く素敵だった。そっちばかり見てて歯の矯正に気が付かなかったのか。我ながら自分の観察力の無さには驚く。俺は全く何を見ていたんだろう夢でも見ていたんだろうか昼間から。まあ矯正しても気がつかなかったんだから気にするほどでもないけど。とにかく夏休みの間は彼女の運転する車に乗って一緒に子供たちを迎えに行くチャンスはないわけだから、冷却期間として使おう。彼女が僕のことを恐れずにただ気さくで、楽しい人だと思ってくれればそれでいいわけだ。そしてできれば彼女の方から気楽に僕を誘ってくれるようになるのがベストだ。また激安スーパーと節約の話でもするかな、とにかく夏休みはちょうどいいタイミングだリセットするのに。彼女は結構打たれ弱いのかもしれないと思った、彼女が前髪を切りすぎて水戸なつめみたいになってしまった時そう感じた。実は結構に気にしてるんだなと思った前髪。

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