第15話 本気の恋にはいろいろ必要だ

ちゃんとした恋にはいろいろと必要だ。今日の綾子さんは本当に可愛らしかった。目が合った途端パッと顔が輝いたように見えた。やっぱり綺麗だな綾子さんは。風邪は大したことなかったらしい。 大きなマスクをしていたけれど綾子さんの目が笑った時すごく光って見えた。笑顔が輝いていた。大きなマスクをしていてもそれがよくわかった。すごいもんだ。今日の綾子さんはとにかく笑顔の一撃ってやつだなぁ、あの笑顔にはやられちゃいますよ。あんな風に笑いかけてもらえるということは綾子さんは僕に好意を持っているということなんだろうか。だとしたらこんなに嬉しいことはない。僕も綾子さんのことがすごく素敵だと思っている。あんな風に笑ってもらえるなんてこんなに嬉しいことはない。でもこれ以上先に進ことができないでいる。僕が僕自身を止める力、ただ年が離れているということだけじゃなくて一番には経済力がないってことだ。2人の未来を創っていく力がない。2人で生きてゆく経済力を手に入れない限り早子さんを誘うことができない。60を超えたこの歳で2人がちゃんと生活していけるだけのお金を稼ぐことができるんだろうか。正直もう体力には自信がない、体を使った仕事は無理だ。それ以外の仕事でまともな金を稼ぐような仕事を探さないといけない。もう恋だからと割り切ることはできない。この年になると恋をするにもそれなりのものが必要だ。恋だからいいじゃないかというわけにはいかない本気の恋には、それなりの力が必要なんだ

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