外れギフト魔石抜き取りの奇跡！〜スライムからの黄金ルート！婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

第54話 鑑定の成長

　夕暮れ時のリックガント魔法道具店は、ある種の魔法が宿る場所のように思えた。店の奥からは、魔石を加工するための軽やかな音が響き渡り、その音の主は他ならぬロイだった。タライの上でリックガントに頼まれたスライムの魔石を、彼は精密に、かつ熱心に砕いていた。

　未合成と合成済みの魔石を別々に扱う作業は、リックガントが試みたい新しい魔法道具の開発に不可欠だった。

　その間、ベリーズ、ミランダ、エリナの三人は店を出て買い物を楽しんでいた。彼らが戻ると、そわそわとした様子でベリーズがコナリスに何かを手渡しているのが見えた。それは小さな贈り物だったが、コナリスにとっては大きな一歩を意味していた。贈り物を受け取ったコナリスの喜びは、新たな縁の始まりを告げるかのようだった。

　ロイはリックガントとリラの関係を知らなかった唯一の人物であり、そのことを知り大いに驚愕した。

　何故なら似ていないからだ。

リラとリックガントがどのような家族として結びつているのか、その物語はまた別の機会に語られるだろう。

　翌日、六人はリックガント魔法道具店に集まり、スライム狩りへと出発した。スライム狩りは初心者にとって基本中の基本であり、リラにとっても重要な体験だった。彼女はスライムの臭いに耐えかねて涙を流しながらも、必死に狩りを続けた。

　スライム狩りを経験した後、ソニアが購入したテントで、リラを中心にした女子たちの賑やかな声が聞こえてきた。彼女たちは、狩りで汚れたリラを洗い、新たな服に着替えさせるなどして、彼女を整えた。この一連の行動は、彼女たちの団結力と友情の深さを物語っていた。

　昼過ぎに狩りを終えた一行は、リックガント魔法道具店に戻り、スライムを卸した。また、ベリーズは前日に採取した素材を使って、熱心に工作を進めていた。

　その一方で、リラは自分のレベルが上がったことを感じ取り、ロイたちに人物鑑定をさせて欲しいと話していた。

　そして、驚くべきことに、これまで見えなかったレベルを始め、パラメーターが明らかになった。しかし、魔力の限界に達したため、人物鑑定は三人だけにしか行えなかった。

　それにより人物鑑定はかなりの魔力を消費することが判明した。　

　ただ、文献にパラメーターについての記述がないので、数値が意味する内容は不明だ。

　**ロイのパラメーター**：

　- **レベル**: 5

　- **体力**: 5

　- **魔力**: 4

　- **技術**: 8

　- **知識**: 7

　- **魅力**: 8

　- **運**: 6

　- **加護レベル**: 4

　**リラのパラメーター**：

　- **レベル**: 3

　- **体力**: 6

　- **魔力**: 7

　- **技術**: 5

　- **知識**: 3

　- **魅力**: 8

　- **運**: 5

　- **加護レベル**: 2

　**ソニアのパラメーター**：

　- **レベル**: 5

　- **体力**: 4

　- **魔力**: 9

　- **技術**: 6

　- **知識**: 8

　- **魅力**:9

　- **運**: 5

　- **加護**: 3

　彼らの間に流れる空気は、この新たな発見によって一層熱を帯びた。彼らの冒険はまだ始まったばかりであり、これからも多くの試練と驚きが待ち受けていることを、彼らはまだ知らない。

　この結果、レベルにより成長し、変化し続ける。リラの力強いスタート、ベリーズの恋愛への目覚め、ロイの新たな発見への驚き、そしてソニアの魔法の才能が開花する様子。これら全てが、彼らの絆をより深くし、次なる冒険への期待を高めていくのだった。