36話

『ちょっとぉ〜、置いて行かないでよぉ〜』


「すまん、早速だが王都に行くぞ」


『今回はどうやって行くんですか?』


「近くの街に行って暗殺者ギルドみたいなとこで登録して、走ってく」


『でもさぁ〜、近くの街って、生き残ってるの?』


「あ、確かに、どうしよう、」


『虱潰しに探せばいいじゃないですか?』


「それもそうだな、探すときは龍で行くか」


『置いて行かないでよ』


「わかってる、龍人化、解除」


『今度は乗せてください』


『よし行くぞ、右か左か前かどっちに行く?』


『僕東がいい』


『じゃあ、東に行くぞ』


『擬態、飛行、烈風』


 今回は周囲に被害を出さないように嵐撃波と水流破は使わなかった、しかし、烈風と飛行だけで、十分に被害は出ているのだった


 ・・・・・・・・・多分十分ぐらい後


『ご主人北東に街のようなものを発見しました』


『了解、烈風』


『今回も外れだね』


『ああ、アイツラどこまでやったんだよ』


 さっきから街の残骸は見つけるのだが、人や村、ましてや生き物すら見ていない


『次はどっちに行く?』


『真っすぐで』


『烈風』


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2時間後


『ご、ご主人、こ、これは、幻覚ですか?』


『いや、本物だ』


『本物の街だぁ~』


 あれから飛び続けてようやく、でかい街を見つけた


『人化、フォティアも大きさ変えてくれ、混沌の権能、実体化」


 最近になって人化の痛みをほとんど感じなくなった


「よし、行くぞ、金目のものつけて街歩いてたらすぐ狙われるだろ」


 そう思い、街に入って歩き始めた、もちろん空からの不法侵入で


「早速尾行を始めたか」


『あっちに裏路地がありますよ』


「わかった、瞬体」


 一気に移動した、けど、めっちゃ手加減したしアイツラでも少しは見えただろ


「き、消えた?!」


「違う、高速で移動しただけだ、あっちに行ったぞ」


 ここで、水粒化っと、フォティアには離れたところにいてもらっている


「今度こそ、ん?いない、だと?」


「クソッどこに行きやがった」


 裏路地でいかにも悪党っぽい見た目のハゲが喚いている、そこでオレは悪役っぽく登場、水粒化、解除


「探してるのは俺か?」


「な!!」


「い、いつの間に?」


 水粒化で後ろに回り込んで、よくある壁に寄りかかった状態で手を組んで後ろから声をかけてやった


「お前ら俺をつけてただろ、俺は街に来たばかりでな、お前らのボスを出してくれねぇか?」


「なんで俺が言うことを聞かなきゃいけないんだよ!!」


「そう、騒ぐな」


 ここでこっそり超手加減重圧と魔力開放


「ヒッ」


 一人の男は跪き


「バタッ」


 一人の男は泡を吹いて気絶した


「お前らのボスを呼んでこい」


「は、はい、今すぐ呼んできます!!、ここでお待ち下さい!!」


「十分で済ませろ」


 そう言うと男は一目散に駆け出していった


「フォティア、来い、混沌の権能、実体化」


『転がってるのはどうします?』


「燃やしいてくれ、地面に焦げ目とかつけるなよ、ダサくなる」


『?はい』


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・約十分後


「そろそろだな、こっちに向かってくるやつがいるな」


 人間にしては結構早いし、ほんとにボスが来たのか


「た、大変お待たせしました!!、ボスを連れて来ました」


「ご苦労」とカッコつける


「じゃ、じゃあ、俺はこれで」


「ああ、ありがとう、ウィンドスラッシュ」


「ギャッ」


 こうやって殺すの暗殺系の定番だろ?


「さて、本題に入ろう」と言いつつ、水幻獣を出し、水操作で椅子に変化させ、風でコーティングをして濡れないようにして、それに座る、ここまでで約0,5秒


「そうだな、ところで、その猫と龍は従魔か?」


「ああ、龍も猫ももっと大きいがな」


「なるほどな、で、要はなんだ裏社会への干渉か?」


「そうだ、暗殺者ギルドに入れてほしい、それと裏社会でそれなりの地位につかせてほしい」


「ギルドは良い、しかしそれなりの地位となるとな」


「”頼んだぞ”」いつものように重圧と魔力開放を使用、そして、太陽のような笑顔


「!!、なるほど、話しを通しておきます」


「ああ」


「では、失礼します、明日の10時にここへ来ます」


 そう言うとボスは去っていった


「ふぅ、それっぽいオーラ出すのも大変だな」


『ちょっと喋り方とポーズを変えただけじゃないですか?、やってることはいつもと変わりませんよ?、自己中心的で、好きなときに殺して、圧をかける』


「それもそうだな、でも、雰囲気ってものがあるだろ?」


『ヘイズは昔からそういうの好きだもんねぇ〜』


「なにか悪いか?、とりあえず明日まで待ってようぜ、どうやって攻めようかな、株価を暴落させるか?、重要人物を殺すか?、それとも人間使って落とすか?」


『どちらにせよ、我慢できなくなって自分で全部ぶっ壊しそうだけどねぇ〜』


「まあ、頑張るしかねぇよな、そこは」


『それで、ギルドの登録はしないんですか?』


「あ、そういえばアイツにギルドの場所聞くの忘れてた」


『じゃあ、明日まで待つしかないね』


「めんどくせぇ〜」



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次の日


「お待たせしました、えー、その」


「ヘイズだ」


「ヘイズ様、こちらが暗殺者ギルドの証明書ですそれと、あなたをトップに迎え入れることを望んでいる組織の一覧です」


 そう言って開かれた紙は大富豪がスーパーで買い物したときのレシートのようになっていた

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