第21話 閑話 Sランク冒険者の日常3

 エピソード 流水&鳴撃


 ザッパーン、ザパーン


 広い砂浜の真ん中に一人の細い男が立っている、男の前にひときわ大きな波が来ると


「いいね、この波、コレを待ってたんだ」


 男は、ニヤァと笑みを浮かばせ、こう言った


「《水流化》」


 男の名をルードと言う、またの名を流水


『良いね、今日も海は気持ちぃや』


 にしても、ちょっと最近海の魔物の落ち着きがないな


『ちょっと泳いだら共和国の方に行ってみよーっと』


 今日も海は気持ちいや、よし気分もいいし、久しぶりに


『《龍水化》』


 バッシャァァァァァン


『やっぱ、コレが一番気持ちぃ』


 このまま、一気に共和国まで行っちまおうかな?


『考えるだけ無駄か、まずはここの王に話しつけなきゃな』


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ドシャッアァァァァァン


「なんじゃ、お前か、今度は何だ?、また水浸しにしに来たのか?」


『いや、そんなんじゃねぇよ、今日から、ちょっとの間、共和国に行ってこようと思ってな』


「そうか、わかった、ただし、半年以内には帰ってこいよ」


『あんがとよ、やっぱり、お前は話しが早くて助かるよ、』


「じゃが、次から王城に来るときは、龍水状態じゃなくて、人の状態でこい」


『了解、じゃぁ、最後に喰らえ』


 バシャアアアアアアアアアアアア


『じゃあな、半年後、会おう』


「はぁ、まったく、結局水浸しにしてるじゃないか、」


「全くですね、毎回、水が乾くのにどれだけかかると思ってるんだ」


「そうじゃな」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『島の方も良いけど、共和国の方の海も良いところだな』


 だけどここらへんの魔物は血の気が多いな


「ギュァァァ」


『良いから言うこと聞いてくれ』


「ギィィィッ、ギュウ」


『それで良いんだ、じゃあな』


 龍水で来ちゃったらちょっと迷惑かぁ?


『まぁ良いか、たしかこっちに港の防衛所があるはず』


 あった、へぇ、前より結構町並みが整ってるな、人も増えてるし


『よーす、島の方から来たぞ〜』


「おい!!、お前ら、とんでもない魔物が来たぞ!!」


『ひどいな、たしかコレをこうして、ちょっといじれば』


「できてるか?、おーい、聞こえてるかー」


「何だこの声は、どこから来ている?」


「バカが、お前の眼の前の水の塊の口だよ」


「口?、な!、何だこれは」


「オレは流水だ、こんなことぐらい、余裕だ」


「流水?、流水って、あの流水様ですか?」


「そうだよ、Sランク冒険者の流水だ!」


 コイツラめんどくせえな、こんな事できるのオレだけだろ


「大変申し訳ございませんでした!、流水様、今回は、どんな御用でお越しになったのでしょうか?」


「早く、共和国の王と鳴撃に会わせろ」


「は!、ですが、人が人なので二日程かかりますが、よろしいでしょうか?」


「えー、長いな、めんどくせぇし、自分で行くわ、《流水化》」


「ちょっと、お待ち下さい、流水様、もう行っちまったのかよ、」


「隊長!、先程の魔物は、どこに行ったんですか?」


「さっきのは、流水様だった、全ての民と、兵に伝えろ、謎の水の塊や、水の魔物が現れたら、それは流水様だと伝えろ」


「隊長、それはどういう?」


「時間がないから急げ!!、早く伝えないと、街がパニックになって俺達首になるぞ!」


「「「「は!!、了解であります」」」」


「まずいぞ、全くあの人は、ほんとに面倒だ」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『ここらへんは湿ってるから、動きやすいな』


 今オレは、草原をでかい水の蛇の状態で動いている


『でも、あっちの方は、ちょっと乾燥がひどいな、あそこからは人形で歩くか』


 お、あれは街だな、結構でかいな、脅かしに行ってやろ


『《龍水化》』


「きゃぁぁぁぁ!!、水の魔物よ!」


「みんな逃げろぉぉ!」


『いいね、この声、人の不幸だ、コレが楽しくてたまんねぇんだよな』


「家から逃げろぉぉ!!、食われるぞぉぉ!!!!」


『おれはお前らみたいにまずいやつは食わねえよ』


 ちょっとムカついたし、一気に水浸しにしてやるか


『《水創造》《水掌握》《水操作》』


 まず水創造で水を作り出し、水掌握で、街の井戸とかから水を持ってきて、水操作で全部の家を水浸しにする



「何だこの魔物は?、なんか見たことあるような気がするが」


「鳴撃様!、助けてください、この魔物が家を水浸しています」


「水浸し?、まさか!!」


「おい!!!、ルード!!、早く戻れ!!」


『お、あれは、リゾナンスか、久しぶりに見たけど、何かオレに用があるのか?』


「ちょっと、待ってろ、リゾナンス、今丁度、家の4割を水浸しにできたんだ、あと6割だから待ってくれ」


「それを、やめろといっているんだ!!!、いいから戻れ、ルード!!」


「はいはい、わかったよ、人化」


 全く人の楽しみを邪魔してなにが楽しいんだか


「で、何の用だよ、リゾナンス」


「おれは、ここに旅行に来てたんだ!!、お前こそなんでここいいるんだ!!、南国の島はどうした!!」


「そんなに怒るなよ、うるさい」


「良いから答えろ!!」


「島の方からは許可をもらって来た、ちょっと、海の魔物がうるさかったからな、こっちの王に今の状況を聞きに来たんだ」


「許可をもらってきたのは当たり前のことだ、だが!!、なんで、ここでも人にちょっかいかけやがってよぉ!!」


「え、気分だけど?」


「はぁ?、ふッざけんなァァッ、このクソ龍が!!!」




 あとがき

 やっと流水出せました、やった~、自分的に鳴撃も大好きなので、これからちょっとの間、ルードとリゾナンスの閑話を出します

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る