第18話

 抜刀とは、刀を鞘に収めてから、急速に抜くことで威力と速度を上げる極東の国の技術だ


「ギャルゥゥゥゥ」


 獄炎の斬撃が炎虎に向かっていく


「抜刀すれば、白華でも斬撃出るんだな、へぇ〜」


 その後ろから青白い斬撃がついてくる


 ザシャッ


「んだよ、アタナシアのやつ、嘘言いやがって、普通に勝てるじゃねぇか」


「素材剥ぐか、スペースボックス」


 にしてもこのナイフ結構使い勝手言いな


「キュルルルルル」


 素材を剥いでいると、草むらの中から一匹の炎虎の幼体が出てきた、


「なるほどな、お前がいるからか、こいつがこんなに怒ってたのは」


「キュァァァァ」



 こいつどうしよう、体に青い炎をまとっている以外はかわいい猫なんだが


「まてよ、青い炎?」


 よく見ると、親と違って毛の色や模様が違う、


「お前も突然変異種か?」


「キュウウウウ」


「冒険者って従魔ありだっけ?《世の理》」

 従魔はありらしいので、殺さずに従魔として使うことにした


「炎虎って何食うんだっけ、《世の理》」


 どうやら炎虎は普通に肉を食うらしいが、火種になるものとかだったら食えるらしい


「スペースボックス」


 なのであのときのダッシュボアの肉を一緒に食べようと思う


「ほらほら、うまそうだろ、な?」


「キュゥゥゥ?」


「とりあえずお前、これ焼け、おれは火炎魔法使えないし、獄炎はちょっとまずいしな」


「キュゥゥゥゥ?」


「わかんねぇよな、でも肉のおかげで敵意はもうないしな〜」


 一度魔力放出で従わせようとも思ったがそれだと警戒されてしまう


「どうしたもんかな、あ!そうだアレがあった」


 そこで一つ思いついた


「水幻獣、炎虎」


「キュッ」


「ほらほら、こうしてこうと」


 水幻獣で炎虎の姿を作り、その炎虎に炎の形をした水をださせて、また肉の形をした水に炎っぽい水で燃やす


「これでわかるか?」


「キュー!」

 わかってくれた?っぽいな


「よしこの枝のとこに火をつけてくれ」


「キュゥ〜」


 ゴアアッ


「え、お前まじかよ、信じられん」


 なんとこの炎虎、幼体のくせして親より強い


「それに、火をつけるときも青い炎て、」


「キュゥゥゥゥ?」


「この状態だと、肉はもうだめだな、先に従魔登録するか」


「キュ〜」


「いくぞ、お前はこの中に入ってろ」


 オレがスペースボックスから取り出したのは、一つの袋


 これは、アタナシアのところで買ったスペースボックスの弱点を埋めるためのものの一つだ


 そう、スペースボックスは生き物を生きた状態では入れられないのだ


「ほら、はいれ、入ったら後で肉やるよ」


「キュルルル♪」


「入ったか、よし、じゃあ落ちないよう気をつけろよ」


「キュ?」


「翼を二対出して、飛行、突風、瞬翼」


 ドオォォォン

 と絶対に飛行中になってはいけない音がしたと思ったら、どうやら一瞬で音速を超えたためすごい近くでソニックブームが起きたようだ


「キュ、キュゥゥゥゥゥ」


 なんか炎虎が「目が回る〜」的なのを言ってるけど、気にしない


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「よしついた、」


「ど、どこから、来たんですか、ヴァイスさん!」


「どうも、カルラ?だったけ、冒険者ランクの昇格と従魔登録に来た」


「は、はい、昇格の方ですが、試験はまだ先では」


「コレでわかってもらえるか、スペースボックス、」


「そ、それは、炎虎の素材!、では手続きをしてきます」


「相変わらず、反応が早くて助かるな」


 いまギルド内ではあのルーキーを瞬殺したのと、たった今、炎虎の素材を出したお陰で、面倒なやつに絡まれることはない


「平和って良いことだな〜」


 絶対にオレが言って良いセリフではないが


「大変おまたせしました、手続きは完了です、次は従魔登録でしたね」


「ああ、こいつだ、おい、あばれんなよ」


「キュルルルル?」


「こ、これは、炎虎の幼体?いえ、この感じは」



「そうだ、突然変異種だ、やっぱお前有能だな」

「突然変異種!、突然変異種の従魔登録でしたら普通の登録よりもお金と時間がかかりますので、2日ほどお待ちください」


「わかった、対応が早いってことは前例があるのか?」


「ないことはない、という感じですね、アハハ」


 笑顔が引きつっている


「そ、それでは失礼します」


 ダッ、という音とともに絶対にレディがしてはいけないような動きでカルラはギルドの奥へと駆け込んだ、その時「ギルドマスター!、やばいです、何が道とかは言えませんがとにかくやばいです!!」、とか聞こえてきた気がする


「2日だってよ、長いな、とりあえずお前には睡眠が必要だろ?」


「キュン」


「じゃあ、とりあえず諸々の相談をしに、空間転移」


 ・・・・・・・・・・・・・・


「いらっしゃい、今回も早いのぉ」


「ああ、すまんアタナシア、迷惑をかけるな」


「まぁ、お主は宝を持ってきてくれるし、良いんじゃけど、それで、今回は何をお探しで?、お主なら安くしとくぞ」


「従魔と念話できるようになる、魔道具がほしい」


「従魔?、お主が?、従魔じゃと?」


「ああそうだが?」


「クハハ、ア、アハハハハ」


「何が面白いんだよ」


「お主が従魔とか信じられんわい、すぐに殺しそうじゃし」


「そんなことないぞ、オレは世界平和を夢見てるんだ」


「嘘じゃろ」


 あとがき

 いえーい、主人公くん、従魔を持ちました〜、理由としてはなんか一人旅って寂しいなって思いまして、こんなに強い主人公くんの相棒なので強くなくちゃな、と考えると突然変異種しか出てきませんでした、

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