第17話 閑話 地獄での日々

 ・・・・・・・・・・・・・・


 もう地獄に来てからどれくらいになるだろうか、もしかしたら100年かもしれないし、1日かもしれないし、一週間かもしれない、でも、果てしなく長く感じる、  


 だが、この日々ももうすぐ終わる、協力者を探し出し、出口を見つけ、看守の交代時間やどこにサイトバットがいるのかも確認した


「よしいくぞ、お前ら」


「「了解」」


「だが、ザンよ、絶対に看守の目を抜けられない場所はどうなったのだ?」


「そうだよ、あそこで捕まったら、僕らの努力が無駄になっちゃう」


「安心しろ、策がある」


 こいつらは、協力者のカイとジン、カイは元勇者らしいが、諸事情で人を殺してしまったらしい、ジンの方は、武術の高みまで上り詰めたが、醜い欲望と、愚かな人に絶望して、殺しをやったらしい


「ならいい」


「そうだね、よし、今から20秒後に第1ゲートの看守が交代する」


「ありがとよ、いくぞ」


「第1ゲートを抜けたら右に曲がって真っ直ぐだったよね」


「ああそうだが、あそこはサイトバットが一番多いからな、ジン頼むぞ」


「わかっている、右に30度曲がって6メートル先にサイトバットだ」


「相変わらず、気配の察知が上手いな」


「よし、廊下を抜けたら、すぐに第2ゲートだ、おい、カイあと何秒だ」


「4秒、急ぐよ」


「OK、いまだ、行くぞ」


「よし、第2ゲートを抜けたな、そしたら、次は、右に行って」


「二人共、止まれ、絶対に動くな、息もするな」


 ・ ・ ・ ・


「いったぞ、息をしても良いぞ」


「ぷはぁ、ありがとな、ジン、サイトバットの移動を忘れてたぜ」


「まずいね、あと10秒で第3ゲートの看守が移動する、急ごう」


「やばいな、急げ急げ」


 ・・・・・・・・・・・


「まにあった〜」


「危なかったね、で、ザン、この後の門の守護者はどうするの?」


「そうだ、ザン、策とは何だ」


「教えてやるよ、強行突破だ、」


「「は?」」


「真面目に答えろ!ザン」


「流石に僕もそれじゃあね」


「落ち着けって、でも、門の守護者のところを抜けるにはコレしかないんだ、まず、オレが正面に飛び出して、お前らが左右から飛び出して、守護者の注意を反らせる、そんなことを繰り返して、突破する」


「はぁ、ま、いいや、僕はザンに賭けるよ」


「わかった、ただし、何としても、オレだけは脱出させろよ、ザン」


「わあった、わあった、よし、行くぞ、」


「「了解」」


「汝らはなにゆえこちらに気た、迷子か?」


「いいや違うな、脱走しに来たんだよ、だから通してくれ」


「ならば殺す、ここは通さん」


「だよな、行くぞ」


 オレが飛び出した


「正面突破とは、つまらんな、」


「今だっ」


 カイとジンが左右に飛び出す


「ほう、少しは脳があるみたいだな」


 ・・・・・・・・・・・


「そろそろ、ッきついな」


「いい加減、諦めろ、脱獄者よ、」


「ごめんね〜、そういうわけにも行かないんだ〜」


「お主等は、久々に楽しませてくれたから、今地獄に戻るというのならば、看守やサイトバット、閻魔様にも話をつけて、戻してやる、」


「心遣い感謝する、だが、オレ等は何としてでも外に出なければならないのだ」


「そうか、残念だ、」


 守護者の大剣が光を帯びる


「大人しく地獄に戻ってろ、くらぇぇい」


 守護者の剣の光が最大にまで達する


「いまだ、お前ら全力で走れ!!!」


 そう言いながら、技の硬直で動けない守護者の足元を通り抜けた


「お先ッ!!」


「おいていくな!!」


「逃げるなァァァ」


 ・・・・・・・・・・・


「ハァハァハァ、疲れた」


「ねぇ、ザン、この中でどれに入る?」


 眼の前には扉の形をした光がたくさんあった


「この中の一つが地球なんだろうけど、どれだろうな」


「いそげ、途中に罠を仕掛けてきたが、すぐに守護者に追いつかれるぞ、」


 遠くから音が聞こえてくる、ガスッ、ドスッ、バゴッ


「噂をすればだね、で、どれにする?ザン」


「んなこと言ったってなぁ」


「まずい、もう来たぞザン、早く選べ、」


「見つけたぞぉぉぉぉぉぉぉ、今度は逃さん」


 今度は守護者の周りに赤黒い火の玉のようなものが浮かんできた、


「この熱量、これは殺しに来てるね」


「それは当たり前だろ」


「「どうする、ザン?」」


「・・・・・・オレに聞くなぁ!!!いいから、早くよけろ」


「アアアァァ」


「危ないね、ありがと」


「どの扉にするかについてだが、最後まで考えて、攻撃を喰らう瞬間に扉に入る」


「逃げるなあああ」


 今度は守護者の体が黒く光り輝く


「まさかお主たちにここまで力を使い事になるとはな、死ね」


「まずいね、ザン、結局どれにするの」


「早く決めろ、ザン」


「あー、チクショウ、じゃあコレだ入れ」


「逃げるなぁぁ、《閻魔冥闇剣》」


「アブねぇぇ」


 ・・・・・・・・・・・・


『いててて、僕たち生きてるの?』


『地獄にいる時点でもう魂だけになっているだろう』


『で、ここは、地球なのか?ザン』


『すまん、ここは多分地球じゃない、魔素がとても濃い』


『やはり、そうか』


『じゃあ、新しい体を探さないとだね、どんな体が良いかな〜』


『あっちの方にものすごい魔力と負の感情を感じるぞ、行ってみよう』


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


『お、いい体あんじゃねえか、おい、お前ら、この体使わせてもらおうぜ』



 あとがき

 どうも作者です、いや~、ようやく地獄編かけましたね、ずっとジンとか、カイの事書きたかったんです、これからもちょくちょくジンとかカイの過去編とかやるので、お楽しみに




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