エウポリエ2016―その感触を、あたたかさを―

gaction9969

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 若き頃、意中のコと手を繋ぐという行為だけで、海綿体を充血させていた者は正直に挙手をするんだッ!!


 ……いや違うな、言いたいことは確かにこの上の方の頭の中にはあるけれど、そこへ連なる道筋が掴めていないんだなこれは……


 配偶者パートナーと手を繋がなくなった時期を覚えている者は挙手をッ!!


 ……これも違うか。が、違うのは承知で無理やり道なき道を分け入ってみようと思いますぞ……


 子供生まれると親同士って手繋がなくなるよね?


 そんなことねえわハゲ、と、そしられるかも知れませんが、私はそこに確かに転機があるかと思うのです……手かかる分、手を繋いでなんかいられない、ね、多少なりとも頻度は下がると思うのです……いやもうそうと決めたッ!!(おちついて


 でも別の「繋ぐ」頻度は飛躍的に上がりますよね、そうです、歩けるようになった子供との手繋ぎは外出ている時は九割くらいの時間を占めるかと思います。すぐ段差のある方へ行こうとしちゃいからね、落ちているBB弾を辿って結構なくだり斜面の方へとどんどん行ってしまいがちですからね、しっかり握っとかないといかんわけです。自分が小用を足す時にも、片手だとうまく収められずに挟みそうになってもですな、どっか行かれちゃうよりははるかにマシなわけですからね。で、


 子供を挟んでの手繋ぎ、これも勿論よく見かけますよね。階段の途中、なぜその段目でその思考に至ったのか謎なタイミングでとか、何か分からないけど色の違うタイルだけしか踏んじゃいけなくなったらしき時とか、前触れもなくいきなりぶら下がられて脇腹が攣りそうになるやつです。そうです。


 ……じゃあいつまで子供と手を繋いでいたか、覚えている人は手を挙げてください。


 これが難しい。


 結構大きくなっても、混雑した駅構内とか揺れる車両の中とかは繋いだりするわけですよ。でもそれもいつの間にか無くなる。そう、


 それにふと気づいた時のさみしさを、私は伝えたかった。私は伝えたかったのです……(一行目を顧みてもそれを言えるのだろうか……


 あの小ささ、あの柔らかさ、あの熱さ。


 当たり前すぎて、必死すぎて、いつの間にか手放してしまっていたことさえも忘れていたけれど。その時は離さないでと思う反面、きっとどんどん長くなっていく離れている時間……


 「手が離れる」っていうのはこういうことなのかも知れませんなぁ、という自分では綺麗にオチがキマったと蛇足気味にドヤと付け加えて唐突にこの戯言は終わるのです……


 いつの日か、孫と繋げるようになったらいいよね……とか思いつつ。


(了)

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