第3話


 あれから、俺は制服やら色んな必要とされるモノを揃える。


 そんな2日間の出来事から、俺は色々と女の子として慣れるために日々スカートを履いている。


その理由は



「お姉ちゃんとお揃い!!えへへ」

「こんなので喜んでくれるなら、いいんだけども」

「うん!私は嬉しいよ。お兄ちゃんの時も良かったけど、今はお姉ちゃんとしても凄くしっくり来るようになったから」



 そう言って笑顔で俺の現状を理解してくれる家族と友人関係のグループのメンバーたち、あれから連絡はしているが、大まかには聞いてこない所がおれは素直に嬉しい。


 まぁでも学園に行けば奴らに弄られるのは間違いないから少し億劫なのは否めないなとは思っている。


 そして木曜日になる日に俺は全ての準備が整い、この姿で学園に行く事を決意する。



 母さんからは「無理せずに頑張るんだよ。何かあったら連絡とかしていいから」と頼もしい言葉を頂いている。非常にありがたい。


 妹は「途中まで一緒に行こうね!!」なんて言ってくれて少しその笑みに複雑な思いもあるけど、嬉しそうなので、俺は触れずそういう事にしておく。


 そんなことで俺は、学園との折り合いが水曜に済みいよいよ学園へと母さんと共に向かう。



「母さん、大丈夫だよね?ちょっと着慣れないけどどこもおかしくないよね?」

「大丈夫よ一葉。制服似合ってるからそれに友達とは連絡しているんでしょ?なにも心配いらないわよ。」

「まぁ、信用はしてるけども……」

「なぁ〜に?一葉が話したあと事を気にしてるの?からかわれてもあんたなら大丈夫よ。」



 そう言って笑顔で言ってくれる母さんはほんとタフだななんて思う。こんな見た目になっても強くいてくれる。俺は素直に嬉しくなった。


 それから車を走らせること数十分で、学校へと着く。


 俺は勇気を振り絞って車から降りる。母さんからは「からかわれる前にからかってやりなさい!!」と言われたので、俺はこの容姿にあった口調で初手を飾ろうと思うのだった。




 ◆◇◆




〈教室side〉



「ねぇねぇ!!今日一葉来るんだって!!やっと来ることになってちょっとだけ楽しみじゃない?」

「いや辺里、ちょっと所かニヤつき凄いからな全然ちょっとじゃない自覚しろ?」

「一葉くんが戻ってきたことは嬉しいけど大丈夫かな?」

「舞は心配性だなぁ〜俺なんてどうからかうか楽しみでしょうがないぜ?」

「それは不謹慎だぞ啓吾、ちょっとは労わってやることも覚えないと。」

「私は、またみんなで過ごせるなら嬉しい…よ?」



 そう言って各々が、労る者と揶揄う者で別れてはいたが、皆一葉が戻ってくることに安堵を覚えていた。


 中心人物となっていた一葉は分かっていないかもしれないが、割とこのグループは纏まりが取れていてクラスでもその他の教室でも人気だからこう言った長く居なくなるのは正直に物足りなさを感じる。グループメンバー


 そして、ホームルームが始まる時にこの一葉がいるクラスの教師、鮫島菊さめじまきくが教室に入ってくる。



「おう、お前ら色々と勘づいているやつもいるとは思うが、軽井沢の事で聞いてるやつもいればまだ分からんと言うやつもいるだろう。それを踏まえた上で、言わせてもらうぞ。」



そう言って鮫ちゃん先生は



「どえらい事になってるから、心しておけよ!!おい、軽井沢!!入ってこい!!」



 そう言って廊下に声をかける鮫ちゃん先生。扉が開きそこにいる。女の子をクラス全員が見つめる。


 その女の子は、一葉のお母さんに似て美少女で尚且つ皆が凝視してしまう程の圧倒的な胸!!歩き方も女の子で、私たちよりも洗練されているような元男の子と思えない佇まい。


 そして、皆の真正面に経つ女の子の姿をした一葉くんは



「皆さん、お久しぶりですね。この姿になってしまってなんですが、改めて自己紹介をしますね?軽井沢一葉です。また皆さんと共に過ごせることを心より嬉しく思います。」



 そう言って、ニコリと笑う一葉くんは女性なのに、私たちはその女の姿を見てドキドキしてしまうのだった。



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