第17話 ドS

「ほら、レド殿。僕の部屋だよ。」


道中、すれ違う人々がかなり驚いていたが…


それもそうだろう。

騎士団長が酔っ払って、隣国の王子に抱えらているなんてこと…普通はありえない。


「これで、皆への刷り込みは完了。僕たちは仲が良いってことのね。」


…策略家である。


ガチャッ


部屋は王族を迎えるものというだけあり、ベランダ、ダブルベッド、椅子や机なども完備されていた。


「とりあえず、ベッドに寝かせよう…襲うのはそれからだね。」


レドをベッドまで運び、寝かせると…


「こんなに無防備で、襲われないとでも思っているのかな?僕はそんなに甘くないんだけど…」


ぎしっ…


無抵抗なレドの上に覆い被さり、片手を重ねる。


「…手、大きいね。こんな時じゃないと、君は見せてくれない。もっと従順になって?」


ドS様は、どんどん攻め続ける。


「ほら、ワンって言ってごらん…言わないと噛むよ…?」


「王子…王子…?居るんですかぁ…?」


虚ろな瞳でミヒャエルを見つめている。

自分が今、どんな状況に置かれているかも知らずに。


「僕はここに居…」


だきっ


レドから、ミヒャエルを強く抱きしめた。

首の後ろに手を回し、顔と顔を寄せる。


あまりにも積極的なので、動揺を隠しきれないミヒャエル。


「もう僕を煽らないで…本当に食べてしまいそうだ…!」


限界が近づいていた、その時…


「王子…好きぃ…」


「っっ!?」

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