第18話 そそる顔

好きってどういうこと?

友人として?恋人として?


頭の整理が追い付かないミヒャエルだったが、レドは容赦なく続ける。


「俺はぁ…王子のこと大好きですよぉ…?」


かあぁぁぁ…


ミヒャエルは起き上がり、真っ赤な顔を手で隠した。


「酔っ払ってても、今だけは見られたくない…覚えてたらどうしよう…」


今までにないほど混乱している様子。

するとレドも起き上がり、手を退かそうとした。


「今だけは、やめ…!」


「見たいです…王子の全部…」


抵抗するも、レドの力には勝てず…


ぐいっ


遂には、手を退かされてしまった。

ミヒャエルの顔は、少し涙目…頬は赤らんでいて、とても熱い…控えめに言って、そそる顔。


「ごくっ…かわいいですよ?接吻したいぐらい…」


「そんな…うぅ…恥ずかしいよ…!」


先ほどとは立場が逆転し、レドが攻めまくっている。


「首なら…いいですよね?」


「ええ!?ちょ…ちょっと待っ…」


ちゅっ…


有無を言わさず、ミヒャエルの首に接吻した。

自分の首に接吻するレドを、そっと抱きしめる。


…あれから20秒程経ったが、離れる気配はない。


「ん…んぅ…レド殿?」


「……すぴぃ…」


レドはそのまま眠っていた。

その後の展開を期待していたミヒャエルは、小さな声で嘆く。


「こんなの…こんなの生殺しだぁ…」

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