第4話 スキンシップ?

「こっちが訓練所かい?レド殿。」


「…はい。ところでなのですが、何故訓練に参加したいと?」


この国のためにも、王子の意図を知りたい。

実際、どうなのだろうか?


騎士団長を前に、ボロを出すなんてことはないと願いたい…


「仕事柄、命を狙われることがないとは言えないだろう?護身術は心得ているが…この機会に、剣術も学んでみようかと。」


隣国で学ぶ必要はないと思うが…

真っ当な意見だな。王家という家柄、暗殺などの危険性もあるだろう。


ここは引き下がるべきか?


「というのは言い訳で、君と一緒にいたいだけだけどね。」


…また試されているな。もしや引き抜き?

もし、自分に好意を抱く者だったら、自国に連れて帰ることも容易いはず…


それに、相手は''あの''ミヒャエル王子だからな。

その笑みで数多の女性を虜にし、婚約者の話も出ながら、未だにしていないとか…


婚約者がいないなら、こういったことも気兼ねなくできるだろう。


「…俺を試すのも、もうお止めになっては?引き抜きなら断ります。クリスタ王国に、誓いを立てた騎士の一人ですから。」


「う~ん…君は強いね。色々な意味で。」


まぁ、剣術…武術…政治…色々と強いことはあると思うが…

いや、慢心は騎士最大の敵!

甘い言葉に誘惑されるな。


「そろそろ、僕に振り向いてくれないかな…まだ思い出さないの?」


「思い出さないって…?」


スッ…


ちょ、待っ!?頬触られ…

っていうか、思い出さないって何のことだ!?


「僕は君のこと何でも知ってるのに…」


ニヤニヤして言わないでくれ。

王子がやると怖い。

ハッタリ…だよな?俺がボロを出すのを待っている。

そうじゃないとおかしい。


サラ…


「髪、撫でないでくれませんか!こういうこと、誰にでもしてるんですか?」


YESって言ってくれ。頼む。

それもそれでおかしいが…


「うん?してないよ。君が特別さ。」


神よ。俺が何をしたって言うんだ。

初恋の相手が幼なじみだって悪くないだろ!


…って何を考えているんだ。冷静になれ。


「…顔が赤いよ?熱でもあるんじゃないか?」


いや、あなたのせいですよ。

男でもその色気でドキリとする。

ある程度、耐性があってよかった…


「だ…大丈夫ですって!早く訓練所に行きましょう!まったく…」


道のりがやたらと長く感じる。

それももう終わるが、この後何を言われるか…

もう予想ができる。


「あ、訓練の件だけど…君に教えてもらいたいな。」


ほらな。

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