第2話
────私たちの関係は、少しずつ変わり始めていた。
音乃施さんは、図書館で本を読むようになった。どうやら、本が好きになったらしい。
私はその事が、とても嬉しくて、音乃施さんにたくさんの本をお勧めしてしまった。それでも、音乃施さんは優しい笑顔で一つ一つ本を受け取ってくれる。
私の中で、音乃施さんの存在が大きくなる。
気付けば、私の一日の大半が音乃施さんで埋まっていく。
そして、放課後も一緒に過ごすことが増えていった。
「ねぇ、暗野ちゃん。最近気づいたんだけどさ、私たちって似てるところが多いよね」
突然のことだった。
本を読んでいた私は驚いて、彼女の顔を見た。音乃施さんは真剣な表情で、私の目をじっと見つめている。
「そ、そうかな? 私たち全然違うと思うけど」
私はそう答えたが、心の中ではドキドキしていた。音乃施さんと似ているなんて、考えたこともなかった。
「確かに私たちは外見や性格は違うよ。でもね。本を読むのが好きだったり、同じようなことに感動したりするじゃん!」
音乃施さんはそう言って、優しい笑顔を見せた。私には眩しすぎるぐらいの。
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