第17話 童話図書館と不思議の鍵
ニュクスが空を
「ねえ、外に出てみようよ」と、ゆたぽんが言った。
彼らが小さなドアから表に出ると、そこに、小さな石が点々と光っているのが見える。
「道しるべという感じゃないわね」と、後からやってきた、ひなのが言った。
「クリスタルレインの
りおは、クリスタルレインの
「お願い、白雪姫と、6人の小人の所へ連れて行って」
鱗が光り出す。
それに
「こっちだ」と、レヴァンが先頭を切って歩み始める。
森の木々を、いくつ超えただろうか。
「ここ?」
洞窟の内部の壁に、りおが手をつくと、ほんわりと光をはなった。
「これ」
「そうだみ。
「ここに?白雪姫がいるの?」
7人は、
少し開けた、ドーム状の空間に出ると、ひなのが手にしていた本が、勢いよくページをめくり始める。そのまま
そして、その壁の中から、ローリーを見つけた様子の白雪姫と6人の小人が、流れとは逆に向かって、走りだす。そして、壁の外に
「ローリー!」
白雪姫は、ローリーに向かって、
「ローリー!ローリー!」
他の小人たちもローリーを取り囲んで喜んでいる。
「よかった、よかったわ」
白雪姫は立ち上がると、りおたちに
「本当にありがとうございました。この本は、美女と
「それは、大変でしたね」と、りおが声をかけた。
「ええ、そりゃあもう。ご面倒ついでに申し訳ないのですが、これを
「童話図書館?」と、りおが答えた。
「大きな図書室のような部屋を覚えておられません?」
「ああ!
「そうです」
「でも、
「戻れますとも」
すると、金色の粉のようなものが、白雪姫を取り
「あら、もう本に戻らなければ」
7人の小人たちの周りにも粉が
「あ、あの!待って、白雪姫さん!白雪姫の
「それなら、ガラスの
「それって、どうやって行けば?」
「これをお持ちになって」
白雪姫は、黒いニョロニョロしたものを、りおに
「これは、お
「それは、お箸虫の
黒いニョロニョロした者は、急に鍵の形になった。
「ガラスの宮殿の朝に、その子を
そう言うと、白雪姫は
6人の小人たちも、順番に本の中に消えてゆく。
ローリーが、
「レヴァン、男の子になるんだね。幸運を祈ってるよ」
「メロウ、幸せに」
「みーくん、ゆたぽん、元気でね」
「りおちゃん、うまくいきますように」
そして、ローリーは、ためらいがちに、ゆっくり、ひなのの前に歩み出た。
「ひなの・・・ひなの・・・」
ひなのが、ローリーを抱きしめた。
「ローリー、家族に会えてよかったね。愛されていて、本当に良かった」
「ひなの!」
ローリーは、泣き笑いしながら、ひなのを見上げた。
金色の粉がローリーを取り巻く。
浮いていた本は、パタンと閉じて床に落ちる。
ひなのが
りおは、お箸虫をスカートのポケットの中に入れながら言った。
「図書館に戻さなきゃ、白雪姫と7人の小人が、安心して
先の
「もしかして、あっち?」
「うん、たぶん、
光る壁の方に向かって、りおたちは歩き出した。
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