第28話 コスプレ膝枕
「これ本当に揉んでいいのか?」
「いいに決まってるじゃない」
「でもなあ」
「なによ、躊躇しないでよ。こっちの方が恥ずかしいじゃない」
そして秋根は俺の手を無理やりつかみ、胸を揉ませた。
「……っちょ」
「なに?」
「心の準備位させてくれ」
「こういうのは勢いが大事だから」
「……頼むから、こういうのはもうやめてくれ」
なんとなくいけない感じがして、気持ち良くはない。
「急にやったからいけないの?」
「いや、なんか違うな、と。……今の秋根の格好がそうさせているのかな」
だって、秋根と一緒に手お風呂入るのは全然大丈夫で、胸を揉むのは全然ダメな理由が分からないしな。
「だから、それは今度別の時で」
「むう、だったらご褒美上げれてないじゃん。……そうだ!」
秋根はふと何かを思いついたようなそぶりを見せ、
「じゃあ、この格好で、あのキャラのセリフを言ってあげます」
そして、
「サクヤさん、いや、遊星くんは良く頑張っているのです。それは私が保証するのです。だから、わたしが撫でてあげるのです。……よしよしなのです」
そう言って秋根が俺の頭をなでる。そのぬくもりは暖かくて、ほっとするような感じだった。それと同時に、安心感にみなぎる感じだ。
ああ、幸せだな。と、感じた、その瞬間、眠りについていた。
「ふふ、頑張り屋さんだからね。遊星くんは」
そして、秋根は遊星を膝にのせて眠らせた。
(でもこれ、眠らせているだけというのも面白くない気がする……)
そして秋根は遊星のほっぺたをもちもちといじり始めた。
(何これ、気持ちいい)
そして、ほっぺを持ち持ちすることに飽きた秋根は、そのまま髪の毛をいじり始める。そして髪の毛の方が触り心地がいいことに気づいた秋根はそのまま髪の毛をモフモフして時間をつぶした。
「ん?」
なんかすげえ夢を見てた気がする。異世界転生する夢を……。
「ここは?」
「私たちの家だよ。遊星くん」
「ん、もしかして寝てたか?」
「うん。ぐっすりと」
というかここは、秋根の膝元か?
「うん」
「なんかすまん。人の膝で爆睡して」
「いや。かわいかったからいいよ」
「そっか。ところで、俺が寝ている間に変な事とかした?」
「……何もしていないのです」
「……怪しいな」
漫画とかならもう汗びっしょりと言ったような表情をしている秋根、これで白なわけがない。
「もう白状しろよ」
「いや、仮にしてたとしても、遊星くんには私のおひざを挙げたじゃないですか」
「だからいいと?」
「うん」
「…………まあいいか」
「やった」
そして秋根は俺の髪の毛を触ってきた。っやろう、髪の毛触ってたのか。
「そういや、勉強途中だな」
「……勉強なんて、よくない? いま、二人でいちゃついているのが幸せなんだから」
「……そうだな」
そして二人でそのひと時を過ごした。それはもう、夜ご飯を食べ忘れるくらい。
「腹減った」
「うん」
二人して夜ご飯を食べていないことに気づいたのは、夜九時半を過ぎた時だった。もう、夜遅くご飯を食べるような時刻ではない。
なぜ俺たちはご飯と言うものの存在に気づかなかったのだろうか。
「何食べようか。秋根も今から作るの嫌だろ?」
「うん。そうだね。……カップ麺にしちゃう? 健康には良くないかもしれないけど」
「……そうだな」
そして二人で、カップラーメンを選びに行く。
そこにはそこそこの量のカップ麺があった。ラーメンに焼きそばに、カレーなどなどだ。
「秋根の家なのに、結構カップ麺あるんだな」
「だって、非常食にもなるし、料理が面倒くさくなったときとかは結構こうやって、カップ麺食べてるのです」
「なるほど……」
秋根にもそういう一面があるものなんだな。
結局俺はカップ焼きそばにして、秋根はラーメンにした。
「太らないか心配」
「秋根はスタイルいいから大丈夫だろ」
「ありがとう」
そして、お湯を入れ、三分間待つ。
「秋根、一旦服脱いだほうがいいんじゃないか? それ濡れたら困るだろ」
「確かにそうだね。でも、まだ脱ぎたくないな。……遊星くんのためにも」
「なんで俺のためなんだよ」
「喜んでるじゃん。コスプレ」
「まあそうだけど……」
否定はできない。事実、もう少し見てたいという気持ちもあるわけだし。
だあg、濡れるのは困るので、強く言って脱がせる。
秋根は「分かった」と言って普通にリビングで着替えようとしたので、部屋で着替えさせる。
確かに、もう裸は見ているけどよ。
そして、三分間どころか、4分間経ったので、互いのカップ麺を食べる。
焼きそばは味が濃かった。少しだけ味が濃かったが、味としては普通に美味しかった。
そもそも俺、結構カップ焼きそばは食べてるから、美味しいことはわかってるんだが。
そしてしばらく食べたところで秋根から一口交換を提案された。皿と椀を交換してラーメンを食べる。
ラーメンも普通においしい。
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